日経にこんなニュースが出てましたが、ご覧になりましたか?
http://www.nikkei.co.jp/kaigai/eu/20090209D2M0903E09.html
【以下引用】
ロシア、民間債務の繰り延べ要請へ 外国銀と交渉 最大36兆円
【モスクワ=坂井光】ロシアが民間債務の返済繰り延べ交渉を欧州をはじめとする外国銀行に要請することが9日、明らかになった。銀行業界幹部によると、対象となるのは最大4000億ドル(約36兆円)。既に繰り延べの案を政府に提出した。交渉を始めることについては一部外国銀行の賛同を得ているという。昨年秋に金融危機が広がった後、民間債務の繰り延べを一括して要請するのは初めて。
ロシア最大の金融業界団体であるロシア地域銀行協会のアクサコフ会長が日本経済新聞に明らかにした。ロシアでは、金融危機の影響で資本流出が加速。対外債務支払い能力が低下する金融機関や民間企業が急増していることから、繰り延べ交渉を一括して進める構想が浮上した。
【以上引用】
でも、日経以外はあんまり報じてなかったんですよね。欧米の報道機関からも出てなかったし。もちろん、こういうニュースで真っ先に売られるのはユーロなわけですが、それはまた後でお話しするとして、なんかヘンな感じ。ルーブルも大して下げてなかったし、ロシア株は急騰してたり、ロシアのCDSは低下してたり・・・でなんだこりゃ?
ヘンテコ感がたっぷり。
すると、今度はこんなんが出ました。
http://jp.reuters.com/article/worldNews/idJPJAPAN-36403520090210
【以下引用】
民間債務再編に関する報道は「正しくない」=ロシア地域銀行協会会長
2009年 02月 10日 15:42 JST
[モスクワ 10日 ロイター] ロシア地域銀行協会のアクサコフ会長は10日、同協会が最大4000億ドルの民間債務繰り延べ案を政府に提出したとする日経新聞朝刊の報道について「正しくない」と述べた。
ロイターに対して述べた。
10日の外為市場では、報道を受けてユーロが対ドル、対円で急落したが、アクサコフ会長の否定発言でユーロはいったん回復した。
会長は「新聞でわたしの発言として書かれたことは正しくない」と語った。
また、民間債務を一括して再編する計画が先週開かれた銀行業界の会議で話し合われたが、アイデアにすぎず、何の提案も政府には提出していないと付け加えた。
「すべての債権者が債務再編で合意すれば、良いのではないかというアイデアだ。重要なのは、外国銀行が一括して再編する方針を好み、ロシア政府の関与を望む点だ」と述べた。
【以上引用】
・・・ネタ元だとされたアクサコフ会長が否定と。
そして更に、ロシア政府報道官からもこんなんが出ました。
http://jp.reuters.com/article/worldNews/idJPJAPAN-36404220090210
【以下引用】
ロシア民間債務繰り延べに関する報道、一部正しくない=ロシア政府報道官
2009年 02月 10日 16:14 JST
[モスクワ 10日 ロイター] ロシア政府のペスコフ報道官は10日、ロシアの銀行業界が最大4000億ドルの民間債務繰り延べについて政府に案を提出したとする日経新聞朝刊の報道について、「一部正しくない」と述べた。
同報道官はロイターに「日経の情報は部分的に間違っている。日経は十分な事実確認をせずに業務を行った」と語った。
これより先、ロシア地域銀行協会のアクサコフ会長はロイターに、会長の発言として報じられた日経の記事について「正しくない」と述べていた。
【以上引用】
・・・なんだこりゃ。大丈夫か?
まぁいいや。
知りたいのは事実です。
事実を教えていただきたいもんです。
で、さっきの日経のロシアのニュースでなぜユーロが真っ先に売られるのかって話。もちろん、「ヨーロッパの銀行に借金繰延べしてくれ」って頼んでるから、と言っちゃえばそれまでなんですが、じゃあなんでアメリカの銀行には頼まないの?アメリカは離れてるけどヨーロッパは近いから?ヨーロッパは天然ガス止めるぞ!って脅せるから?
それはアメリカの銀行はロシア向けの融資がそもそもあんまりないからなんですよ。ちょっとこんなん作ってみました。

これは、縦方向にずらっと並んだ先進国各国の、新興国向け融資の残高です。先進国それぞれの国にある銀行が新興国向け融資をどのくらいやってるのかって数字ね。先進国のほうには、その融資額がその国の経済規模と比べてどのくらい大きいのかを見るためにGDPものせておきました。グレーの行は2005年6月の数字、ブルーの行は2008年9月の数字、ヨーロッパの銀行がこの数年で新興国向け融資を急拡大してきているのがわかると思います。
また、残高自体で見てもGDP比で見ても、ヨーロッパの銀行は日本やアメリカに比べて大きな融資をしていて、しかも新興国向け融資の割合も非常に高く、かなりのリスクをとっているということがわかります。
また、横方向には、先進国各国の銀行の国外向け融資残高、そのGDP比、国外向け融資残高のうち新興国向け残高、そのGDP比、新興国向け融資残高の地域別内訳、また、しんどそうな国とか話題になってる国とかアイスランドなんかは国別のデータとそれぞれの国の経常収支(GDP比)も乗せておきました。アフリカの国は各国の残高は南アとかをのぞいてんまり大きくないので国別のデータは乗せてませんが、「中東アフリカ」という列にまとめてある数字を見ていただければこのエリア向けの融資の残高でもやはりヨーロッパの銀行の数字が非常に大きいことが分かります。
これまでにもたまにヨーロッパの金融機関がとってるリスクについてお話してきましたが、これを見ていただけるとそれがよく分かるんじゃないでしょうか。証券化商品の保有残高もめちゃくちゃ多いですしね。アメリカや日本の比じゃないです。ヨーロッパの国々がとっていたリスクはハンパじゃなくって、もの凄いレベルにまで積み上がってきていたわけです。もちろん、とったリスクのリターンがヨーロッパの国々にもたらされてきたわけですが。実際ちょっと前までヨーロッパは絶好調でしたからね。
アメリカの景気対策法案、せっかく頑張ったのに株安とドル安になっちゃいましたね。失望売りされちゃいましたね。市場はもっと大きな覚悟ともっと思い切った内容を期待してたってことですね。今日は上げて始まってるみたいですが。
今日はこんな感じで。
↓ランキングです。ポチッと押して投票お願いします。
FC2 Blog Ranking
ラベル:ロシア 新興国 エマージング ヨーロッパ 欧州 銀行 融資 債務 ユーロ 急落 為替 GDP BIS IMF 残高 国別 データ 経常収支 各国 金融 経済 解説 説明 アイスランド エクアドル 投資 運用
【関連する記事】

