2008年05月17日

例のやつその12・・・ではなくて今日は日本の貿易の話。

「投資とか運用とか投信でよくある疑問・誤解その12」を書くかどうか悩んだんですけど、なんかその流れに入ると来週その13を書く感じになっちゃうのかなって思うとなんかイヤで、っていうかむしろネタが(ry
というわけで今日は日本の貿易の話。


日本といえば貿易黒字、という感じがしますが、実際どのくらいの金額かと言うと、輸出が85兆円、輸入が75兆円で、10兆円の黒字、こんな感じです。これはこないだ発表された2007年の数字なんですが、前年の2006年から日本の最大の貿易相手国はアメリカから中国に変わっています。ちなみに中国との貿易総額が28兆円で、アメリカとの貿易総額は25兆円です。

日本のGDPが500兆円ですから、輸出額の85兆円って大したことないような気もしますよね。GDPと比較した輸出額は17%ってところです。アメリカだとこの割合が10%以下で、アメリカと比べるとGDPに対する輸出の割合は高いような気もしますが、イギリスとかは2割くらいですし、ヨーロッパの国々では域内での貿易が活発なこともあって2〜3割くらいが普通という感じ。ちなみにG7の平均でたしか23%くらいのはずです。これ、輸出依存度とか海外依存度って言われる指標なんですが、どのくらい海外の景気に影響されるか、を測るのに便利な数字です。輸出額÷GDPで、数字が高ければ高いほど、輸出頼みの経済ってことになります。グローバリゼーションが進む中で各国ともこの数字が高まっていく傾向にあります。でも、「日本は海外依存度が高くて、国内の景気が弱くて海外頼みだから外国の国々が弱っちゃうと・・・」みたいなことがよく言われますが、実は日本の海外依存度は他国と比べてそんなに高くないです。過去からの推移で見るとここ最近高まってるんでしょうけど、別にそれは他の国も一緒です。

輸入額もまぁ多いけど、他の先進国並み。でも、気になるのは輸入の内訳ですね。輸入額の上位を占めるのはやはりエネルギー資源です。輸入額75兆円のうち16兆円ぐらいが原油と石油の輸入代金です。


で、日本はエネルギー優等生とか、エネルギー消費効率がいいとか、よく言われてますが、実際どうなんだと。輸入額75兆円のうち16兆円が油の輸入代金だけど、日本の原油の消費量は他の国と比べてどうなんだって話です。

国別の原油消費量(1000バレル/日)【A】
日本:5,164
中国:7,445
米国:20,589
英国:1,781
ロシア:2,735

国別の原油の消費量を見てみると、アメリカがダントツで多く、エネルギー優等生の日本の原油消費量は中国より少ない、でもイギリスより多い、という感じ。中国は日本より多くの原油を消費してます。でも、人口1人あたりだと・・・日本のほうが断然多いです。

で、国別のGDPをこの原油消費量で割ってみると、原油消費効率が出せます。各国のGDPはこんな感じです。

国別のGDP(2007年末の為替レートの1$=113円で円換算)【B】
日本:495兆円($4,384B)
中国:408兆円($3,610B)
米国:1,564兆円($13,844B)
英国:313兆円($2,773B)
ロシア:146兆円($1,290B) ちなみにインド$1,098B、ブラジル$1,314B

で【A】÷【B】を計算するとこんなんになります。
日本:5,164÷495=11.0
中国:7,445÷408=18.3
米国:20,589=13.2
英国:1,781÷313=5.7
ロシア:2,735÷146=18.7

これが同じGDPを生み出すのに必要な原油消費量ですね。数字が多いほどたくさんの原油を使わないといけないことになるので、数字の小さい国ほど原油をあんまり使わずに付加価値を生み出すことができます。日本は省エネ、でもイギリスには負けるかなと。

で、さらにさっきの1日あたりの石油消費量と比べてみたいのが、各国の原油生産量。各国の原油生産量はこんな感じ。

原油生産量(1000バレル/日)【C】
日本・・・はほぼゼロ
中国:3,747
米国:5,135
英国:1,636
ロシア:9,720

【この記事は2008年5月19日に訂正しました。】
上記のデータで「英国:3,740」となっていたものを「英国:1,636」に、また、後述の【C÷A】の部分も、当初「英国:208.3%」となっていた部分を「英国:91.9%」に修正しました。この誤りは、私がイギリスの原油生産量として使用したデータが「北海油田」のデータで、イギリス、ノルウェーの合計となっていたことによるものです。別のソース(BPのエネルギー統計)でイギリスの同時期の原油生産量を調べたところ1,636千バレル/日でした。ちなみにBPのデータではノルウェー原油生産量は2,778千バレルであり、この両国の原油生産量の合計値は当初私が記載していた3,740に届きませんが、これは情報のソースの違いや情報の定義の違い、により生じた差異です。混乱をさせてしまってすみません。訂正のうえ、お詫びいたします。


中国は日本より多い1日7,445千バレルの原油を消費するけど、1日に3,747千バレルの原油を自分のところで生産し、まかなってます。日本はほぼ全く生産してないので、使う分は全部買ってこないといけなくなる。じゃあ、どのくらいの比率をまかなえてるんだ、ってのは原油の生産量【C】を【A】の原油消費量で割ってあげればいいことになります。割ってみるとこんな感じ。

【C】÷【A】
日本・・・はほぼゼロ 0%
中国:50.3%
米国:24.9%
英国:91.9% 
ロシア:355.4%

中国は自分のところで使う原油の半分は自国内の生産でまかなえてるんですね。まぁ、そう言っても日本の地面の下に原油が埋まってないんだからどうしようもないんですけど・・・でも何とか一ひねり工夫できなかったのかなぁと思うフシもあります。ブラジルのペトロブラスみたいに深海の油田を掘る技術を国を挙げて開発するとか、オイルサンドとかオイルシェールとかオリノコタールから低コスト・高効率油を抽出する技術を生み出すとか、そういうのって日本が工夫していける部分じゃないんですかね。

あと、輸入で気になるのは、やっぱり食料です。原油の輸入量に比べれば小さいですが、それでも輸入量に占める食料品の割合は1割以上あります。食の安全とか最近よく話題になりますけど、この記事(http://jovivi.seesaa.net/article/91578001.html)で書いたように、食料自給率40%じゃ、食の安全もへったくれもないですよね。だって、他国から買うしかないんだから。安全基準を、とかって言ったって、そんなに不安なら自分のところで、自分の満足のいく管理体制で作れば?って言われちゃいます。他の資源はしょうがないにしても、食料だけは何とかならんものかなと思います。だってちょっと前まで食料自給率は8割あったんだから。そしてヨーロッパの先進国はその数字を高めてきたんだから。イギリスと同じ8割まではもっていきましょうよ。役人の人たちも、なぜ農業法人を許可したのに、農業法人がバンバン設立されたり、各企業が矢継ぎ早に参入してこないのか、考えてみたらどうすかね。やりゃあいいってもんじゃないでしょう。制度つくりゃいいってもんじゃないでしょう。あなたの所属するグループの評価やあなたの評価、制度導入という目標を立てて、導入した、という実績を残せばそれで良し、なのかもしれないけど・・・

以上、急に思い立って日本の貿易についてちょっとお話ししてみました。



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posted by ジョン太郎 at 23:12| Comment(3) | TrackBack(0) | ジョン太郎のマメ知識 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
ジョン太郎さま

コメントありがとうございました
最近、本業の忙しさに加え、何かとバタバタしていて、ブログの更新もロクに出来ていない状況ですが、励ましのお言葉を頂いて感謝しております

投資については、最近は落ち着いておりますが、それでも年初来マイナスの状況に変わりはないですね。。。
やはり、FXという博打にハマったのが痛過ぎでした(泣

税金払う時期になると頭が痛いのですが、でもやっぱり来年も確定申告で税金を払いたい(苦笑 と思っております

何とか少しでもお上に税金を納められる気がして来始めた今日この頃です(笑
Posted by パチンコファン at 2008年05月18日 12:29
ごぶさたですー
英国ってそんなに省エネだったんですね!あそこに住むと、蛍光灯がめちゃくちゃ少なくってどいつもこいつも白熱電球を使っているのに驚かされるんですけどね…(いまごろになって、省エネランプ(蛍光灯のこと)を使おうとか、そんな新聞記事がでるんですよ)

ところで、この計算ですと原油の値段が150ドル/バレルになると、貿易黒字がほぼ吹っ飛ぶような気がするのですが…。

JPYももう終わりですかねえ。
Posted by kos at 2008年05月18日 14:01
パチンコファンさんへ
コメントありがとうございました。
世の中のたいがいの人は年初来マイナスだと思いますよ。悪い時期もあれば良い時期もあるってのが普通ですし、やめずに続けていけば良い時期がそのうち来ますから。
これからもよろしくお願いします。

kosさんへ
コメントありがとうございます!ご無沙汰です!イギリスは省エネって言うよりは、エネルギー効率の高さと北海油田からの産油のお陰で、日本よりだいぶ事情がいい、ってほうが正確かもしれないですね。
原油の値段、おっしゃる通りですね。為替レートでもうちょいマイルドになりますけど。今は所得収支が貿易収支に匹敵するくらいのプラスになってるので、経常収支はまだ余裕ありますが、どっちにしても悪化することには違いないですね。JPYが終わりだとは思いませんが、以前からブログで書いてるように私は、通貨は国の価値、国力を反映するもんだと思ってるので、相対的に下落していくんだろうなとは思っています。
これからもよろしくお願いします。
Posted by ジョン太郎 at 2008年05月18日 23:59
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