2008年03月23日

原油とか金とか小麦とか商品・資源価格の下落の話

昨日の予告どおり今日はコモディティの話です。
ここんとこ、商品・資源価格が下落してますね。

コモディティ市場ってよく言いますが、原油や天然ガスなどのエネルギー、トウモロコシや大豆や小麦などの農産物、金やプラチナなどの金属、などを取引する市場のことです。

昨年2007年の年初、原油価格(スポット価格)は61.05ドル、金スポット価格は636.80ドルでした。それが先週末、3月14日には原油価格は110.21ドル(先物相場では111.80ドルを記録)、金価格は1002.95ドルに達していました。ほんの1年ちょっとの間に原油は68.4%、金は42.9%も上昇しました。

ところがその相場が一転、この1週間程度でコモディティ市場は過去50年で最大規模の1週間での下げ幅を記録しました。金は1990年以来の最大の週間下げ幅を記録し、1週間前の14日に比べて8.5%安い918.08まで下落、原油は6.7%安い102.79まで下落(先物は10%以上下落し、一時100ドル割れに。)しました。銅やプラチナなど、他の商品価格も下落してます。

なんでこういうことになっちゃったんでしょうね。市場参加者の口から漏れてくるのは「リスクマネーの逃避」という言葉。金融のグローバル化、情報技術の進化、でお金も情報も一瞬のうちに世界を駆け巡ります。マーケットの動きもこれまででは考えられないような大きな幅の動きを見せています。あっちの国で損したからこっちの国で、あるいは株の損を埋めようと儲かっているものを売る、信用取引の評価損の拡大で担保の追加差し入れが必要になって流動性の高いものを現金化する、といった国や資産の間をまたいであらゆる方面に伝播していくのが今の金融市場の特徴です。リスクマネーはあらゆるところへ入り込んでいて、どんなニッチな市場も見つけて入り込み、いざ危機を察知するとあっという間に引き揚げて、相場を変動させます。

金にしても、原油にしても、実際の需給(欲しい人と売りたい人)のバランスの上に、投機資金による買い上がり分が乗っかった状態で取引されている、という声が大きいです。ちょうど、昔、この記事
http://jovivi.seesaa.net/article/32807342.html
でお話ししたベトナム株市場を小さな魚市場に例えた時の状況のようなものです。そうすっとですね、結局行き過ぎてるところ、実際の需給バランスより上のところまでかさ上げされちゃってる部分、ってのはそのかさ上げしている資金が逃げたら終わり。もちろん、実際の需給バランスがあるところで止まるんでしょうし、そこまで行かずに、ちゃんと投機資金とか先高観が乗っかった、実際の需給バランスよりも高いところで止まる可能性が高いんでしょうけど。ともかく投機資金とか、次々に流れ込む資金でかさ上げされてたものは、そのお金が逃げればそのかさ上げされてた分が剥がれ落ちます。

あと、コモディティの特徴としては、コモディティにはそれ自体が生み出すリターンがない、って点があります。債券にはクーポンのリターンがあり、株には配当というリターンがあり、現金には金利というリターンがあります。ところが、コモディティにはそれ自体が生み出すリターンはありません。コモディティは売る人、買う人の希望価格のバランスで価格が上がったり下がったりするだけです。もちろん、この需給バランスによる値段の上下はコモディティだけでなく、債券にも株にも現金(外貨預金の為替損益がこれに当たります)にもあります。株や債券というのは中長期で運用することで、価格の値上がり値下がりの平準化が期待できるだけでなく、このリターンの部分が中長期的に積み上がっていくことが、期待できます。(価格変動の平準化はいつも言ってるやつです。この記事あたりを参考にしてください。http://jovivi.seesaa.net/article/83403382.html)株や債券を長く保有することで配当やクーポンが積みあがっていく、株ならその配当が成長していくことも期待できる、そして価格変動の平準化が期待できる、というのが株や債券の中長期投資のメリットです。ので、私はコモディティに投資してないんですけどね。中長期の時間をかけてあげても積みあがっていくものが何もないから。

新興国の成長にともなって資源需要がますます強まって資源価格が上昇ってのは私も同意できるんですけどねー。そういう価格上昇は株でも通貨でもなんなら債券でも(格上げなど)期待できます。それに、その今後の需要の高まりで、ってのも既にやや先取りしすぎている感が強いって声も聞きます。先週読んだニュースでどっかの人が言ってたんですが、「原油の需要が高まっていくというのはおそらくコンセンサスなのだろう。しかし、“今”、原油価格が100ドル以上になる必要があると思っている人は少ないし、実際そこまでの需要はないし、原油の在庫も増えているのだ。」これですよね。今回の金や原油の急落がまさにこれを示しているんじゃないでしょうか。リスクマネーが流れ込んでかさ上げされてた部分の一部が剥がれ落ちた、と見ている市場参加者が多いです。

ところで、金価格の下落に伴って?南アフリカランドがまたスゴイ勢いで下落してますね。この3ヶ月で27%の下落です。まぁ金価格の下落に伴うものなのかどうなのかは分かりませんけれども。実際、金価格が上がってる間も下がってましたしね。きっかけはこの記事http://jovivi.seesaa.net/article/86211988.html
でもお話しした通り、停電でした。その記事でも、「南アフリカランド債 利回り10%!」で為替で15%負けたら元も子もないですってお話をさせていただきましたが、実際ここんところの高金利通貨の下落はスゴイです。この3ヶ月で南アフリカランドが-27.0%、トルコリラが-19.1%、アイスランドクローナが-28.8%、エジプトポンドが-13.3%、の下落となってます(全て対円で。)。

中央銀行の金利は

【南アフリカ】11.0%【トルコ】15.25%【アイスランド】13.75%【エジプト】11.0%

とすごく高いですが、例えば消費者物価指数は前年比で

【南アフリカ】9.30%【トルコ】9.10%【アイスランド】6.79%【エジプト】12.1%

と、かなり高いです。経常収支は4カ国とも赤字ですしね。

ただ単に高金利通貨、ってことだけで飛びついちゃうってのはあんまり感心しません。経常収支が真っ赤で将来の通貨下落のリスクがあったり、もちろん高金利状態から金利が低下していく過程での通貨の下落リスクもあったりしますから、その辺の認識だけは持っておいたほうがいいと思います。FXでもこの辺の通貨は人気らしいですけどね。南アフリカランド債だけじゃなく、トルコリラ債とかも売り出されてるみたいですし。フリーランチはありませんよ。ご注意ください。やるならリスクを認識したうえでやりましょう。

あ、ちなみに同じくこの3ヶ月間の円に対するドルとユーロの下落率を見てみますと、ドルが-14.2%、ユーロが-6.3%、の下落となってます。「円高」というより「ドル安」と言われる所以はこのへんですね。なんか1ドル50円とかって話も出てるみたいですけど、すごいですね。どっから50円って出てきたんだろう・・・100円の半値?70円台なんてちょろいんでしょうかね。まぁ、肝に銘じておくべきは、50円と言う人も、70円と言う人も、130円と言う人も、未来を見てきたわけじゃないってことです(私も含めて。ですので、50円になるって本当ですか?70円台になるって聞いたんですがって質問はお断りします。未来を知ってる風なことを言う人はいますが、未来を知ってる人はいません。もちろん私も知りません。)。

昨日の記事http://jovivi.seesaa.net/article/90452269.html
でも書きましたが、短期の相場は何だって反映しますから、瞬間最大風速でそんな相場になることもあるのかもしれませんが、それに賭けてもね・・・それに賭ける/それに備えるって人を止めはしませんが・・・
第一、一瞬なんかの偶然やらいろんなことが重なって50円がついたとしても、その辺でバランスしてそこに落ち着くって考えるのはなかなか難しいですよ。1ドル50円ってものすごいことですよ。アメリカのGDPって13兆ドルですから、1ドル50円ってことはアメリカのGDPは650兆円ってことなわけで、日本のGDP500兆円とあんまり変わらないことに・・・そうすっとアメリカの人口が3億人で日本の人口が1.3億人ですからアメリカの1人当たりGDPが216万円、日本の1人当たりGDPは384万円ってことになって、日本の1人当たりGDPはアメリカの倍って大変なことに・・・もう何がなんだか・・・ホントに?「今の円の実力は50円だ!」って言う人は今の日本の1人当たりGDPはアメリカの倍だ!と言ってるようなもんだと思うですが、なーんて言うと「そういうことを言ってるんじゃない。GDPはGDPだ。関係ない。今は為替の話だ。」とか言われそう・・・まぁいいけど。
そこまで円買う理由ってなんなんでしょうね。円キャリー取引のリワインド?日米金利差の縮小?それだけでそこまで持っていけるんでしょうか・・・私は円をそこまで買う理由がわからんですし、私の理屈だと通貨ってやっぱり中長期的には国の力を反映するんじゃないかなってことなもんで、円がこの先もブリブリ上がっていくとはなかなか思えないわけです。ハイ。まぁ、この話題はこのくらいにしときましょう。どうせ誰も答えわかんないんだし、ややこしい話になりやすいので。


金やコモディティなどのコモディティにしたって、通貨にしたって、株にしたって、債券にしたって、お金がたくさん流れ込んだところは価格が上がり、そのお金に押し上げられた分、実力よりもかさ上げされた分、ってのはそのお金が引き揚げたあとには一緒にはがれ落ちちゃうことが多いです。こういう波に中途半端な覚悟で中途半端な姿勢で臨むとケガをしやすいので、ご注意くださいませ。


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posted by ジョン太郎 at 17:09| Comment(4) | TrackBack(0) | ジョン太郎のマメ知識 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
こんにちは〜♪
いつもタイムリーな話題で感謝感謝です

>「今の円の実力は50円だ!」って言う人は今の日本の1人当たりGDPはアメリカの倍だ!

もっと円高が進むと話すエライ方々、GDPの説明までつけて話してくれたら、どんな素人でも「オイオイ、そりゃないよ!!」と疑問を持つことが出来るのに・・・疑問を持てたら、「長くつづかないでしょ!」ってことがわかるはず・・・

何でも耳に入れず、聞き流すべきことと留めることを選別できるようになりたいです^^
Posted by oka at 2008年03月23日 22:15
はじめまして。いつも拝見&勉強させてもらっております。
当方「分散投資」と称してコモデティ・REIT・新興・米・豪・インデックス系・債権分配系を保有しております。
「リスク分散完璧」と自負しておりましたが、只今全体マイナスが綺麗に揃っております(涙)積立せず大人買いしたので資金も底つきました。
しかし!「ど素人でも読める決算書」は買いました!夢中に読み3時間で読みきりました。めっちゃ良かったです。「決算書」がもし読めない方には超おすすめです。(私)読んだらすぐに頭に入ると思います。


厳しい相場環境の今こそ勉強しょうと心に誓いました。

Posted by キング at 2008年03月26日 11:45
「東証IRフェスタ2008−見れば見るほど企業価値−」のお知らせ

はじめまして。東証IRフェスタ事務局です。

きたる4月19日(土)に、東京証券取引所主催の個人投資家向けIRイベントを行います。

「東証IRフェスタ2008−見れば見るほど企業価値−」開催概要は以下の通りです。
日時:平成20年4月19日(土)
場所:東京ドームシティ プリズムホール
※イベント詳細はhttp://www.104ka.net/event/をご覧ください。

どうぞ、皆さまお誘いあわせの上、会場にお越しくださいませ。
心よりお待ちしております。
Posted by 東証IRフェスタ事務局 at 2008年03月27日 16:35
okaさん
コメントありがとうございます。
返事が遅くなっちゃってすみません。

キングさん
はじめまして!コメントありがとうございました。お返事が遅くなっちゃってすみません。
いいヒントをいただいたので、本文のほうで取り上げさせていただきました。是非ご覧ください^^
これからもどうぞよろしくお願いいたします。
Posted by ジョン太郎 at 2008年04月05日 13:54
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