2008年03月09日

くあむさんに頂いた質問へのお答えと、為替と為替ヘッジの話

くあむさん、コメントとご質問を頂き、ありがとうございます。


まず、くあむさんにいただいた質問はこちら。
http://jovivi.seesaa.net/article/88671079.html#comment

(前段略)
私は現在、BRICSと海外先進国の投資信託を積み立てていますが、そのほとんどがドル建てです。
ジョン太郎さんもBRICS投信などドル建て資産を少なからずお持ちと推察いたしますが、ドル下落による資産価値下落への対策は何か考えておられますか?
短期的には、むしろ安く買い増しできて大喜びなんですが、長期的にドルの未来が暗い、となると話はぜんぜん変わってきてしまいます。

雑誌などでは「FXでドルを売り建ててドル安リスクをヘッジ」なんてのも紹介されてましたが、ドル安ヘッジのためだけにスワップ払いながら売りポジション持ち続けるってのがどうもピンときません。単にめちゃくちゃ高い信託報酬払ってるだけになってしまわないか?とか、そこまでするくらいなら単に「為替ヘッジあり」の投信探した方が良くないか?とか思ってしまうので。
投信を買い増すたびに売りポジションも追加していかなければならないのも何だかね、と。

現時点では「MMF積み立てをユーロ中心にし、投信以外にドル建て資産を持たない」(一応、通貨分散ということで)というのが私の対策(?)なんですが、こんなので対策と呼ぶに値するのかどうか。

個人的には、
(中段略)
長期的に投信の収益の大半をドル安で持ってかれるリスクについては、「そこまで心配することもないのでは?」なんて思ったりもしてますが、これはあくまでも素人の、しかも願望込み予想。

ジョン太郎さんは長期的なドルの行方についてどんな見通しを持っておられますか?

(後段略)



私は通貨は株とセットで考えています。国が成長すると株価が上がって通貨も上がる、と考えています。

次の問いに対するみなさん自身の答えはいかがでしょうか。

1971年にそれまでの1ドル=360円の固定相場から変動相場制に移行した日本円。
今の円ドルレートはなんで1ドル=500円ではなく1ドル=100円になったのか。

わからない、と言われても私も正解を知りません。誰も正解を知りません。為替相場は答えを持ちません。為替相場自身は自分がそう動いた理由を説明してくれたりはしません。相場を操縦した人はいるでしょう。相場をコントロールしてきた人はいるでしょう。でもその人たちも、その人たちなりの答えを持っているだけで、それが正解かどうか確かめることができたわけではありません。もちろん、ほぼ間違いない、確からしい、ってゆうか絶対、ということになってるんでしょうけど。つまり、私も正解は知りませんが、私の答えは持っています。為替は中長期的には国の力を反映する。私はそう思ってます。それが1ドル500円ではなく1ドル100円になった理由に対する私の私なりの答えです。ですから私は新興国への投資の際に為替ヘッジを必要としていません。国別の配分をしたら、為替もその通りでいいやと考えています。


間接的にとることになったドルのリスクも放置してます。

というか、新興国への投資でドル円のところだけヘッジしてもしょうがないでしょう。例えば、ドル建てのインド企業A社のADR(注)を買ったときに、ドル円のレートだけヘッジしても、ルピーが下がればADR価格自体が下がるわけで、ドル円が全く動かなくても負けます。

そして新興国通貨の変動幅は通常、先進国通貨同士の変動幅の比ではないくらい動くので、どっちかって言うとヘッジするならそちらでしょう。ドルっていうのは主要通貨の中で最も対円レートの変動が小さい通貨の1つなのに、対極の新興国通貨対ドルのほうはほっといてドルだけヘッジするなんて、専門家を自称する人の発言とは思えないです。

「新興国株のADRやETFを買って、FXでドルを売りたててドル安リスクをヘッジ!」なんてことを書く雑誌はどういう神経してるんでしょうね。よくそれでお金とれるなぁと。あんまり知らない人とか詳しくない人が書いてるってのがバレバレです。というかあまりの程度にツッコむ気にもなりません。


(注)
ADR(American Depositary Receipt)というのは、株の預り証を売買しているようなもんです。インドとかみたいに外国人に対する規制のある国や、投資が難しい国への投資を容易にする仕組みで、例えばインドのA社の株をもってきてそれをどっかに預けてその所有権を売買する、というものです。まぁ駅のロッカーにインドのA社の株を入れて、その鍵をドルで取引する、というようなものです。取引はアメリカの証券取引所で行われるので売買もカンタンです。似たようなものでGDRってのがありますがこれはアメリカではなくヨーロッパで発行されるものです。



長期的なドルの行方については、ユーロの登場と中国人民元を代表とする新興国通貨の強まりで国際的には地位の低下は免れないんじゃないかと私は考えてますけど、結局円がベースとなっている私たちに関係があるのは円に対してどうか、ってことなわけで、こっから先アメリカと日本のどっちが成長するか、次第というのが先程もお話しした、私は為替は中長期的には国の力を反映する、って考え方から導かれる答えです。

私はこの先日本がアメリカの成長を上回るとは考えてません。まぁあくまでも私の考え方ってだけで正解かどうかは知りませんし、正しいと主張するつもりも、他の人に強要するつもりも全くありません。

ご自分のお考えに合ったとおりの通貨配分になっていればそれでいいのではないでしょうか。そしてその通貨配分は、私の考え方ではその人自身が考える今後のそれぞれの国の成長度合いを反映したものであればいいんじゃないかと思います。



為替についてお話しした記事のリンクをまとめておきますので、よろしければこちらもどうぞ。

為替のこと
http://jovivi.seesaa.net/article/84316988.html

為替のこと〜その2〜 ノー・フリー・ランチ
http://jovivi.seesaa.net/article/86211988.html

投信を選ぶチェックポイント(3)【最低購入額/通貨/為替ヘッジ】
http://jovivi.seesaa.net/article/13780978.html

2007年を振り返って(後半) あと来年以降の展望と
http://jovivi.seesaa.net/article/75744813.html

今週の市場の動き2007/08/11 〜サブプライムローン問題〜
http://jovivi.seesaa.net/article/51875779.html


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posted by ジョン太郎 at 11:46| Comment(2) | TrackBack(0) | ジョン太郎のマメ知識 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
あむさんは為替リスクを勘違いされてるのでは?
海外に投資する場合、その為替リスクは投資している国の通貨に対して発生します。
たとえばインドに投資する投資信託を持っている場合、その投資信託がドル建てだろうが、ユーロ建てだろうが、何建てだろうが、為替リスクはルピーに対してとっているのであって、途中に介在する(@@建て)通貨の為替リスクは基本的には存在しません。
(換金の時間的ずれによる多少のリスクは存在するにしても)
よく間違える点ですよね。
Posted by 通りすがり at 2008年03月09日 17:33
どうもありがとうございました。
勉強になりました。
やっぱり変ですよね、FXでリスクヘッジって。

ドルの行方について、ジョン太郎さんの見通しと自分の見通しが大まかなところでは比較的近いものがあったのは心強いです。

それが正しいかどうか、は誰にも分からないわけですが、自分として納得できるその見通しに基づいて、資産配分・通貨配分を自分なりに考えていきたいと思います。
(しばらくはドル・ユーロ・円・その他の4等分またはそこから少し円を大目、くらいで行くつもりです)

一生懸命勉強しているつもりでも、自分の無知を痛感させられることばかりですが、少しずつ、着実に投資家として成長していければ、と思ってます。
また次の記事を楽しみに待ってますね。

Posted by くあむ at 2008年03月10日 12:26
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