2008年02月16日

為替のこと

こんにちは。今日は為替の話です。










先日、為替の人と話してまして、もちろん彼は為替については私なんかよりずっとずっと詳しくって毎日為替市場の中で寝起きしてその世界でメシを食いその世界の中で歳をとってきた人ですんで、為替の話なんかしたら私が喋る幕がなくなっちゃうわけですが、私の仕事のツライところはそういう人とも話をしないといけないところなんですよね・・・私の仕事は株も為替も債券もREITもコモディティもデリバティブも仕組モノもヘッジファンドもどの分野もタッチしないといけなくって、おまけに決済系の話とかストラクチャーとか税制とかカストディの話も聞かないといけなくって、そしてそれぞれの話はその道のプロとするわけで、毎日毎日そればっかりやってる人から本気タックルされると本当に痛いわけでですね、10年間デリバティブの開発をやってきましたってお兄さんにデリバティブの話をぶつけられて機関銃のように話された後で、債券一筋25年やってきたのよ文句ある?っていう気合の入ったおばさまの話を聞くと、もうそれだけでオェッとなりそうで、そういうところが私の仕事のツライところです。ハイ。すいません、泣き言を言いたいわけじゃないんですが、そういうよくわからん仕事をしてるわけです。

で、その時の為替の話。仕事の話はまぁ終わって、カップの底にカピカピのコーヒーの膜がついたコーヒーカップにコーヒーをもう1杯つぎなおして、「で、最近どうよ?」って話をしたら、「つらいね。でも、いつものパニックの時とか、ネガティブイベントの時と違って、為替は他(株とか債券とかとかデリバティブとか)に比べてマシだと思う。他はもっとつらいよ。」と。「円キャリー(注1)の解消で円高になる動きで円が買われて、円高になって、でも新興国通貨は対円でも大して下がってなくって、そういう状態でしょう?結局なんか行き場を失ったお金が迷走しちゃってる感じ?次にもっと快適そうな場所が見つかればお金たちはそこへ逃げ込む。」ってなことだったので、「うん。そうね。」って言ったんですが、めんどくさかったわけじゃなく、「まぁそんな感じでしょう。」って感じだったからこそ、「うん。そうね。」って軽く流したんですが、すかさず「円の未来はどう?」って聞かれました。知らんわ!こっちが聞きたいわ!


(注1)円キャリーについてはこちら
http://jovivi.seesaa.net/article/81004706.html


しょうがないのでいつもの説明をしました。短期的には全くわかんない。いつものようにこの先どうなるのかサッパリわからん。中期的な波としては、この数年間のリスクマネーのとってきた動き、金利の安い円を借りて借りた円を売って他の通貨で運用するって動きがメチャクチャな量になってたのが、まぁメチャクチャじゃない程度の量に戻っていく過程で円が買い戻されるってのがあるんでしょうね。なのでその中期の波と、いつものように短期的になんか突発的に発生する波が同じ方向に乗ると、結構な円高に振れることもあるかもね。長期的にはまぁやっぱ日本の経済の存在感が薄れていくのに円だけが強かったりする理由もないし、円の代わりに円の近くに円みたいなもんがあればそれに取って代わられるんじゃないの。人民元とかルピーとかね。


彼の反応は「なるほどねー」でした。でも彼は「ボクの仕事のつらいところは、その一番最初の部分の、“短期的には全くわかんない”って言えないところかな(笑)」って言ってました。たしかにね。でも、私はそういう仕事じゃないので、ハッキリ言えます。短期的には全くわかんない!サッパリわからん!今までわかったこともないし、これから先も分からん!


彼はヨーロッパから見てるので、日本の個人投資家の動向にもすごく関心をもってました。この株安でどうなのよ?円高でどうなのよ?JREITもエライことになってるけどどうなのよ?って。円キャリーのところでもお話ししましたが、金利の低さを嫌って日本人のお金が円を売って海外に出ていくのも広義の円キャリー取引ととらえることもできます。日本人は相変わらず「反応型」の行動が多いので、反応しとるよ、反応して行動しとるよ、って言ったら「なるほどねーーー」って笑ってました。


んで、長期の話になってですね、結局長期的にはどういうバランスになっていくんだろうねって話。国が成長すると通貨が買われる、その国への投資が増えればその国の通貨が買われる、国が成長して安定感を増してくると貿易の決済でもその通貨が使われるようになってその通貨が買われる、ってのは新興国通貨の上昇を見ても分かります。やっぱりこの先の世界の経済バランスをどう見るか、次第だよねってのがその時の私たち2人の結論です。


じゃあ過去の円ドルの動きを長期で見てみましょうか。円は第2次大戦後1ドル360円の固定相場から1971年12月の1ドル308円への切り上げ、1973年からの変動相場制へと移行しました。変動相場制移行後の円の動きと他の数字の動きをを見てみましょう。各年末ベースの数字です。


JPL1.bmp


1972年末の円ドルにおかしな数字が入ってますが気にしないでください。固定だった360円だと思っていただければOKです。円の対ドルの為替レートはその後20年ほどの間に3倍になりました(円高になってますから、円の価値が上がってるって意味です)。各項目の中で色のついてるセルは最高値です。1ドル360円の固定相場制から変動相場制に移行した円ドルのレートは1994年末には100円を割り込み、1995年4月19日 には史上最高値79円75銭をつけます(表は年末ベースだからこの数字は出てないですけど)。この時とほぼ同じタイミングで最高値を記録したものがあります。GDPです。GDPのピークは1995年に記録されてます。一方、円の実効レート(注2)の最高値は1999年です。そしてこのタイミングとほぼ同じ時に最高値を記録しているのが人口と労働人口です。

(注2)実効為替レート【日銀HPより】
「実効為替レート」は、特定の2通貨間の為替レートをみているだけでは分からない為替レート面での対外競争力を、単一の指標で総合的に捉えようとするものです。 例えば、一口に「円高」と言っても、円が米ドルに対してのみ上昇している場合と、多くの他通貨に対して上昇している場合(「円の独歩高」の場合)とでは、円と米ドルの2通貨間の為替レートが同一でも、日本の価格競争力、ひいては貿易収支等に与える影響が異なってきます。

ちっと推移を分かりやすくするために折れ線グラフにします。単位がバラバラなので各項目とも1972年末を100として指数化します。


JPL2.bmp


長期的な為替レートは何を反映していると思いますか?もひとつ、せっかくなので相関係数も出してみましょうか・・・ってこれ年末ベースでとってるからあんまりちゃんとした数字にならないと思うけど・・・


JPL3.bmp


うーん、微妙?でも注目したいのは労働人口ですね。労働人口ってこれを見ると為替とかGDPとか株とかに高い相関を示してますね。やっぱ人口だな。あと、人口構成ね。若年層が多ければこれからの労働人口が増えるってことだし。ヨーロッパの国は人口少ないのがねー。

国は人。人は国。今日はこんな感じで。


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posted by ジョン太郎 at 20:53| Comment(5) | TrackBack(0) | ジョン太郎のマメ知識 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
ジョン太郎さん、こんばんは。
東京はまだまだ寒いです。春が待ち遠しいです。

さて、先日注文を出しておいた書籍がアマゾンより届きました!
毎日、寝る前に少しずつ楽しく読んでます。
読み終わったらまた感想などをコメントさせてもらいますね!
Posted by nakaji at 2008年02月19日 21:38
お元気そうでなによりです。仕事場の話ってイキイキしていいもんですねー。「本」のほうも開くまでは身構えましたが読み始めたトタン、肩の力が抜けいい塩梅でした。このような教え方をされたら、もっと事業報告書と仲良くなれたのにと残念です。各分野の指南役がこのような工夫をしてリードすることが出来たら日本も、もっと良い国になるだろうとつくづく考えさせられました。
Posted by tobe at 2008年02月19日 22:18
「ど素人が読める決算書」拝読しました。
ブログのカニ簿記で、ざっくり学ばせていただき、
この本で経営分析のチェックポイントを教えていただいたので、
お暇な時間に決算書を読む練習に励んでおります。
日本株に比べて企業情報が得ずらい外国株の個別投資には必読ものです。

それと、場所あてクイズ前に「ロンドンですかぁ〜」などと、
空気読めてんだか、読めてないんだか・・・すみません!
チャットでお話したウチのKY(決算書が読めない)副社長も、
P034「なぜ決算書の勉強は挫折しやすいの?」から見せたら、
「おぉ〜!そうそう!」と我が心の理解者を得たように感動してました^^
会計士さんの本気タックル?に聞くこともできずにいたようですが、
重い腰をあげそうな気配。
さて、どうなることやら、この成り行きを眺めるのも面白そうです。
ありがとうございました!


Posted by コジコジ at 2008年02月20日 08:54
ジョン太郎さん、こんばんわ♪
遠い国いるのに、お話できるなんてスゴイですね♪
本、読み終わりました!!
一気に読んでしまいました♪
株を買っているのに、
決算書って、今まであまり見なかった・・・。
これで、今度来る決算書読めます♪
また、復習で2度目読み出します♪


Posted by ちず at 2008年02月20日 22:59
nakajiさん、
コメントありがとうございます。また、本のご購入もありがとうございます。ご感想お聞きするのを楽しみにしてます。これからもどうぞよろしくお願いします。

tobeさん、
コメントありがとうございます。そう言っていただけると本を書いた甲斐があります。なんか書いてる時は結構つらかったし、正直、途中でめんどくさくもなったんですが、こういうコメントを頂くと書いた甲斐があったなと思えます。ありがとうございました。

コジコジさん、
コメントありがとうございます。まさに、そう言っていただけると書いた甲斐があるというものですし、何より、そういう風に感じていただけるような本にしたいっていう強い思いで出版社の担当者さんと打ち合わせを重ねて作り上げた本なので、大変有難い、心に染みるコメントです。本当に、そういう風な感想を持っていただくのが目標だったんですよ。すごく嬉しいです。目指していたものが作れたような気がして、ジーンときてます。ありがとうございました。

ちずさん
コメントありがとうございます。2度目って・・・嬉しい限りですね。うちのヨメさんもまだ1回目読み終わってないらいしいのに・・・


みなさん、暖かいご感想、コメント、本当にありがとうございます。マジでメチャクチャ嬉しいっす。本当に本書いてた時のことが報われた気分です。そんなに苦労したわけじゃないんですけど、やっぱり慣れないものですし、休日に書くしかなかったもんで、結構土日が来るのが憂鬱になったり、マジでめんどくさいよ・・・って思うこともあったり、逃げたくなったり、放り出したくなったり・・・本当は飽きっぽくって投げ出しがちな子なんですよ。私は。でも、本当に頑張って書いてよかったなと思います。皆さん、暖かい応援とコメントありがとうございました。お返事とお礼が遅くなっちゃってすみません。これからもどうぞよろしくお願いします。
Posted by ジョン太郎 at 2008年02月24日 01:12
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