2007年10月15日

未公開株投資と持株会について〜ひこまろさんのご質問にお返事〜

ひこまろさんからいただいたコメントとご質問へのお返事と、未公開株投資と持株会について。
ひこまろさん、
はじめまして。コメントありがとうございます。
http://jovivi.seesaa.net/article/60481999.html#comment

ひこまろさんから頂いたご質問はこちら。

今回、私事で大変恐縮なのですが、どうしてもお聞きしたく投稿させていただきました。
私は30歳の非上場企業の会社員です。今回会社より今後2年をめどに、株式公開を予定しているので、その準備として持株会を設立すると聞かされました。1株3,000円で毎月給与から一定額(1,000〜30,000円)積立し5%の奨励金を出すとのことなんですが、実際に上場が決まった場合、
@新規公開買付け仮条件価格はいくら位になるのでしょうか?
A仮条件価格はどのように算定されるのでしょうか?
B何処に上場するか、単元数はとか何も聞かされていないのですが、このままで行くと1単元100株でIPO価格¥300,000円って事になるのでしょうか?
C未公開株はすごくキャピタルゲイン?がある可能性があると聞きますが、正直Bになるのなら奨励金の5%分だけ安く買えているだけなのでグロソブで運用又は新興国関連ファンドへ投資しているほうがいいのではないか?と思うのですが、間違ってますか?

一般的な相場で結構ですので、どうかご教授下さいますよう宜しくお願いします。

 余談ですが、以前(12年前位)知り合いの勤めている会社で、公開前1株¥50で積立していたそうです。そして店頭公開(上場)して¥1200ついたそうです。即刻売りさばいたそうです。お宅訪問したら立派な家が建ってました。びっくりしました。これが一般的なら全力買いするのですが...



まず、持株会という制度は会社が(1)安定株主確保のため(2)従業員の士気を高めるため(3)従業員の福利厚生のため(4)見後悔企業の場合は創業者の株放出のための受け皿とするため、などの目的で作られます。

仕組みとしては従業員が拠出したお金を集めてそのお金で株を買う、つまり小口でも、単元株未満の株でも買っていくことができます。買値は市場価格です。上場企業の場合、普通に市場価格で買います。未公開企業の場合は、創業者など既に株を持ってる人から何らかの基準で決められた価格で買います。あとは増資と言って、新たに株を発行する場合もあります。

会社が買い付けに際し、ひこまろさんのケースのように奨励金を出す場合もありますが、奨励金がない場合もあります。

で、これって要は、株を買うということに他ならないわけです。株を買う、そしていずれ売る。買った価格より高い価格で売れば得をする、それだけのことです。

今回のケースでは、未公開企業の株を買います。2年を目処に上場する予定とのことですが、今後2年を目処に上場する予定の企業は日本中におそらく何万社もあります。そして、実際に上場するのはそのうちの一部です。その前に潰れてしまう会社もあります。潰れれば株式の価値はもちろん大きく下がります。1円も返ってこない、紙くずとなるのが普通です。そして、従業員持株会の場合、職と積み立てていた資産の両方を失うことになります。そういうケースは山ほどあります。上場企業でもそうですし、未公開企業だとその比ではありません。

私には1株3,000円という基準が妥当なのかどうかもわかりません。その会社が何株を発行しているのか、1株あたり利益は、1株あたり純資産は、今後の事業の見通しは・・・などなど株価が妥当かどうかを判断するのに必要な材料は山ほどあります。ひこまろさんのご友人の方が50円で買ったものを1,200円で売りさばいたことなど全く材料になりません。成功例や儲け話は山ほどありますが、失敗例や大損の話ももっとたくさんあるいは同じくらいはあるでしょう。

ひこまろさんはご自分の会社の1株あたり利益はいくらくらいなのかご存知なのですか?株を、それも未公開企業の株を買うんですよ。もし、3,000円の株価で、1株当たり利益が10円だとしたら、PERは300倍です。上場時に利益が3倍になっていて、PER100倍で市場で売れてもトントンです。なんと言っても未公開企業の株ですから、退職時や業績がやばくなった時などに売ろうとしたって市場で売ることはできません。上場していないということは市場で売ることができない、自分で買い手を見つけてきて価格を交渉して売らないといけない、ということです。持株会のトラブルというのは結構多いです。もちろん原因は退職時などの脱会時の換金について、あるいは換金価格についてです。おっしゃっているような「一般的な相場」なんてものは未公開株を買う時にはあってもアテにならないですし、私はそんなものはないと思います。また、未公開株には「一般的なケース」なんてものはなく、そんなものが通用するような世界ではないです。なんぼでも「一般的なケースではない、例外的なケース」があり、全て個別に判断するより他ないと思います。そんなものをお探しにならないほうがいいと思います。50円で買ったものを1,200円で売って家を建てた人もいれば、大切な資産と職を失い路頭に迷った人もいれば、いつまでたっても株が上場せずに何年もお金が返ってこないんじゃないかという不安を抱えながら働いている人もいます。

ご質問に対しては、
Q@新規公開買付け仮条件価格はいくら位になるのでしょうか?
A@未来から来た人以外わかりません。それを先に知ることができて株を買うことができるなら苦労しません。あくまで株式投資なのです。3,000円で買う、それがいくらで売れるのか、紙くずにならないのか、本当に上場して市場で売ることができるのか、を知っている人はいません。

QA仮条件価格はどのように算定されるのでしょうか?
AA通常、IPO(新規公開)時に使われるブックビルディング方式というのでご説明しますと、まず、機関投資家等にいくらくらいなら買う?というのを聞き、株価を算定してもらいます。機関投資家はそれこそ先ほどの発行済み株式数や1株あたり利益、1株あたり純資産などはもちろん、財務諸表を隅から隅まで分析し、やってる商売の内容を精査し、事業計画の妥当性を確かめ、とにかく調べまくって値段を出します。ここで出てきた価格を目処に例えば10万円から15万円、という仮条件を決定します。で、ブックビルディング期間というのに入り、そこで10万円から15万円という仮条件を提示して、この範囲の中で札を入れてもらい、公開価格を決めてもらいます。それで上場して、最初についた値段が初値、と。初値が公開価格以下になることもありますし、ブックビルディングの仮条件の下限よりも低くなることだってあります。機関投資家がそれだけ調べたって全然違う値段になったりするわけです。たとえ、あらゆる材料を集めまくったって、3,000円が妥当かどうか、を判断するのがいかに難しいかがお分かりになると思います。

QB何処に上場するか、単元数はとか何も聞かされていないのですが、このままで行くと1単元100株でIPO価格¥300,000円って事になるのでしょうか?
ABいいえ。なりません。株の値段は売り手と買い手の意見が一致して初めて成立します。300,000円で買いたい人がいなければ300,000円での売買は成立しません。

QC未公開株はすごくキャピタルゲイン?がある可能性があると聞きますが、正直Bになるのなら奨励金の5%分だけ安く買えているだけなのでグロソブで運用又は新興国関連ファンドへ投資しているほうがいいのではないか?と思うのですが、間違ってますか?
AC大きなキャピタルゲインの可能性もありますが、大きなリスクもあります。普通の投信と比べられるようなレベルのものではありません。

ためしにどこかの掲示板とかで、聞いてみるといいですが、どうしたらいいでしょうかと軽く聞けば、おそらく「即買い!」「迷う意味がわからん」「そんなもん儲かるに決まってる」「ウマーーーー!」「俺の分も買ってくれ!」の嵐になるでしょう。

私は私の意見が正しいとか絶対だと言うつもりはありません。「何言ってんだよ」と聞き流してくださってもかまいません。
ただ、
◆株を買うのだということ
◆その株は未公開株なのだということ
◆上場するかどうかはわからないということ
◆自分の会社の株を買う場合、もし会社が潰れると、職と資産の両方を失うのだということ
をお忘れなく。
是非慎重なご判断を。私にはこれ以上のアドバイスをすることはできません。


↓ランキングです。ポチッと押して投票お願いします。

マネーブログランキング


にほんブログ村 株ブログ 投資信託へランキング参加中!



カブクンブロ
グマーケットランキング投票

posted by ジョン太郎 at 22:22| Comment(3) | TrackBack(0) | ジョン太郎のマメ知識 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
いつも楽しみにみています。カーンと上がり行く中国株にバブル崩壊が怖くて手を出せずに居る”からす”です。ところで誤字ハケーン!

(1)安定株主確保のため(2)従業員の士気を高めるため(3)従業員の福利厚生のため(4)見後悔企業の場

見後悔って・・・一体・・・(笑)
Posted by からす at 2007年10月16日 09:55
からすさん、
はじめまして!コメントありがとうございます。
誤字お恥ずかしい・・・「未後悔」じゃなくてよかった・・・ご指摘ありがとうございます。
これからもよろしくお願いしますね。
Posted by ジョン太郎 at 2007年10月16日 22:02
 早速のアドバイスありがとうございます。
私が説明を受けたのは、上席の者より『たとえ倒産しても出資元本は保証されなおかつ5%の奨励金を上乗せするから大丈夫!!だから買いたかったら買いなさい』との事でした。『そんな事は無いでしょう資金繰りが悪くて倒産するのに元本保証って』と私が反論。そうしたら『説明会ではそう言ってたぞ。』と言われて違和感を感じつつ終了。上席の者は持株会発足についての説明会に出席していた者です。

 今回ジョン太郎さんにお伺いし、会社の思惑・未公開株実情を初めて知りました。非常にリスキーな物だ。また身近に成功例が1件であり、決してそればかりでないこと。私の考えが極めて浅はかだったこと。恥ずかしながら3000円の妥当性・総発行株数・1株あたり利益・1株あたり純資産まったく把握していません。早速、総務に確認してみたいと思います。

 私的には会社への不振感は一掃されませんが、事業内容的には悪くないと思います。今後も国の環境政策の一部として活躍する場があると思っています。なんとなくですが。。。

 もし購入を決めた場合
2年後に向けてMAX買いと思っていましたが、生活に支障が出ないような金額で少額づつ買っていき、もし上場出来たらラッキー程度に考えるようにしたいと思います。

 本当にありがとうございました。
お伺いしなければ間違いなく、全力投球するところでした。

 
Posted by ひこまろ at 2007年10月17日 01:13
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]

認証コード: [必須入力]


※画像の中の文字を半角で入力してください。
※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。

この記事へのトラックバック