2007年08月25日

マックさんへのお返事〜北京オリンピックと中国株〜

マックさんにいただいたコメントへのお返事しながら、北京オリンピックと上海万博の終了後の中国株、将来の予想と投資、などについてお話したいと思います。


マックさん、
コメントありがとうございます!
http://jovivi.seesaa.net/article/42598194.html#comment

私はポートフォリオで悩んでいます。それは香港株です。今、香港株は配分的には17%くらいあります。中国は2050年には世界bPの大国になりそうですが、いろいろな投稿を見てると北京オリンピックまでとか上海万博までに売却するという意見が多いです。長期で捉えれば問題ないのかもしれませんがやはり不安です。
ジョン太郎さんは北京オリンピック前に売却するとかは考えてますか?
宜しかったらご意見をお聞かせ下さい。宜しくお願い致します。


さて、中国株や香港株は北京オリンピックまでとか上海万博まで、って言ってる人は確かに多いですね。私は持っている中国株や香港株を北京オリンピック前に売却するとか、そういうつもりは全くないですし、そんなことを考えたこともないです。まさにその内容を以前の記事で書いたことがあるので、もしご覧になっていなければこちらの記事を是非ご覧ください(http://jovivi.seesaa.net/article/43630806.html)。

ゴールドマン・サックスの予想では、2040年には中国はアメリカを抜いて世界一の経済大国になるとされています。他でも似たような予想がたくさんされています。そして中国やインドは既にこれまでゴールドマン・サックスの予想を遥かに上回るペースでの成長を続けてきており、2050年よりずいぶん前に中国はアメリカを抜くのではないかと言われています。これについてはこの記事で詳しく書いてありますのでよろしければこちらもどうぞ(http://jovivi.seesaa.net/article/43181442.html)。

北京オリンピックのための北京市の道路整備や施設建設、上海万博のための都市整備、などだけで、アメリカのGDPを抜けるようになるとは考えにくいです。アメリカを抜くってのは生半可なことでは不可能です。日本は戦後、奇跡とも言えるほどの短期間での復興とすさまじい高度成長を成し遂げました。ちょっと下の表をご覧ください。今回はかなり長めのものにしてみました。日本の幕末からの各国のGDPの推移です(笑) 途中から単位が変わってますし、最初のほうはゲアリーなんちゃらとかわけわからん単位になってますが、気にしないでください。

GDP10.jpg

1820年当時、日本のGDPはアメリカよりも上でした。凄いのはインドと中国ですね。で、1900年にはアメリカは日本もインドも中国もイギリスも抜き去ります。1945年の第2次大戦直後、日本のGDPはアメリカに比べて大幅にビハインド状態にありました。17分の1くらい?そして、ここから日本の戦後復興と高度経済成長が始まります。ここからの日本のGDPの伸びと各年末の日経平均終値を見てください。1996年にはヨーロッパの3大国にも大きく差をつけ、アメリカに次ぐ経済規模となり、アメリカの60%くらいのGDP規模にまで達していました。この時、インドと中国のGDPはかなり小さいですね。そして日本の失われた10年、各国のGDPが倍に、インドと中国のGDPにいたっては3倍くらいに伸びた10年間、日本のGDPは伸びるどころか減ってしまいました。そして、2020年以降の予想はゴールドマン・サックスによる予想です。彼らの予想では、中国は2020年には日本のGDPを抜き、2040年にはアメリカのGDPさえ抜き去ります。戦後の日本のあの凄まじいペースの経済成長でも成し遂げることができなかったアメリカのGDP抜き去りをやってのけるという予想です。日本も戦争で焼け野原となった大地に道を作り、建物を建て、鉄道網を敷き、ものすごいインフラ整備をし、生産性は飛躍的に向上し、世界に誇れる数多の技術革新を生み、勤勉に働き、大きな経済成長を遂げました。が、日本のこの頃の経済成長は東京オリンピックのための東京の道路整備や施設建設にだけによるものではなかったはずです。北京オリンピックと上海万博のための北京市と上海市のインフラ整備と施設建設だけで追いつけるほどアメリカのGDP規模は小さいものではありません。アメリカのGDPは現在1,500兆円を超えています。ちなみに、中国全体のGDPに占める北京市のGDPの割合は5%程度と言われてます・・・ここがちょっとかさ上げされてもね。10%かさ上げされても全体に与える影響は0.5%です。そのかさ上げが剥離しても影響はそれほど大きくないです。

「ネット上のあちこちでいろんな人が言ってる」ということの信憑性はどれほどあるでしょうか。たとえ間違った内容であっても、おもしろかったり、ビックリするような内容だったり、人々の不安心理を煽るようなものであれば、いくらでもコピペで広まっていきます。事情をよくわかってない人でも、どこかで聞いた内容や目にした記事を、さも自分の見解のようにガンガン広めていくような世界です。うろ覚えのものや、前後関係や状況や背景を見ていないもの、内容を咀嚼していないもの、もいくらでもあるでしょう。また、えてして、「正しくてつまらない情報」よりも「間違っていてもおもしろい情報」や「事実無根であっても人々の不安心理を煽るもの」のほうが広まりやすいものです。

下がると思うんなら黙って売ればいいのに・・・って思うんですけどね。なんで、下がるらしいよ!って言いまくる必要があるのか分かりません。下がると思う、経済が成長しないと思う、なら売ればいいんです。意外と、本当は自分は投資してない人とか、投資しようと思ってて踏み切れずに乗り遅れてしまった人とか、が多かったりしてね。それとも、「下がるっていろんな人が言ってるし、不安だから私は売ろうと思うんだけど、私だけ売ってその後も上がったらヤだからみんなも一緒に売ろうよ!」って意味なんでしょうか?あるいは、不安だから「そんなことはありません、北京オリンピックが終わった後もまだ上がりますから大丈夫です。」ってコメントや勇気付けてくれるお告げ、を求めて書き込んでるんでしょうか。

誰も先のことなんて分からないですし、正解を教えてくれる人、この先の展開を正確に教えてくれる人なんていません。正解を教えてくれる人はいません。自分が下がると思うなら売ればいいんです。

残念ながら私もマックさんの不安を取り除くことはできません。ただ、私はこんな風に考えていますというのをお話ししているだけです。絶対にこうだなんて言うつもりはありませんし、保証もしません、未来のことは全く知りません。ただ、1つアドバイスできるのは、「北京オリンピックが終わったら中国株は下がるらしいよ。」というのを見たり聞いたりしたら、「なんで?」って聞くことです。「中国株は北京オリンピックまでです。」って見たり聞いたりしたら、「なんで」って聞くことです。答えがなければ、ノイズとして無視する、答えがあれば自分がその考えに賛同できるかどうかを考える、そして何人かの意見とその根拠を聞いて自分が一番納得できるもの、同意できるもの、を見つけることです。

私もゴールドマン・サックスの2050年のGDP予想も当たるかどうかは分かりません。彼らも2050年の世界を見てきたわけではありません。しかし、彼らの発表したレポートを読んでみるとわかりますが、その数字に至る根拠が、彼らの考えのプロセスがきちんと示されています。私にとってそれらは納得感のあるものですし、同意できるものです。また、彼らのシナリオよりも自分を納得させることができるようなシナリオを私は描くことができません。そのため彼らのシナリオを引用し、自分が納得している彼らの描いたシナリオに基づいてこれからのことを考えています。

マックさんのご不安を解消することはできませんし、大丈夫ですよ、と申し上げることもできません。(マックさんもそんなものを期待しているのではなく、意見をお聞きになってみたいだけ、ということだと思いますが・・・)

私にできるのは、私の個人的な考えをお話しすること、その信憑性は疑わしいし正解だと言うつもりもないので眉唾で聞いてほしいとお断りすること、そして、いろんな人の意見を聞いてそれぞれに「なんでそう思うの?」って聞くことをアドバイスする、の3つです。

マックさんが、ご自身の納得できる意見に出会えることを祈っています。コメントありがとうございました!


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posted by ジョン太郎 at 14:46| Comment(15) | TrackBack(0) | ジョン太郎のマメ知識 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
ジョン太郎さん、早速ご回答頂きありがとう御座いました。6月2日のブログも読んでいたのですが、直接お伺いしたかったものですから。ポートフォリオを組む上でとても勉強になりました。今後ともよろしくお願い致します。
Posted by マックです。 at 2007年08月25日 18:03
マックさん、
コメントありがとうございます!
注釈や断り文句ばかりで、なんだよコレって印象を与えてしまったかもしれませんが、すみません。やっぱりこのサイトを見に来てくれてる方のためにも、サイトの信頼のためにも、滅多やたらなことは言えないんです。コメントでお返事する時は結構突っ込んだ話までするんですけどね・・・本文のときは特に気をつけるようにしてます。それでも、せっかくいただいたご質問だったので、お役に立てばと最大限まで書いたつもりです。

で、ここはコメントなので、お礼までご丁寧に書き込んでくださったマックさんへのお礼として突っ込んだ話を。

私は今週頭に、中国株に追加投資しましたよ!香港株・H株・レッドチップが組み入れられているファンドです。もちろん、10年以上保有するつもりです。

あと、マックさんがお聞きになっていた香港株についてあまり触れずに主に中国株について回答させていただいたのは、香港株と中国株と北京オリンピックが連なってのご質問だと思いましたので、中国の話をすればそこから香港株について考えていただけるかなと思ったためです。

香港株の代表指数であるハンセン指数の構成銘柄を見ると例えば中国移動(チャイナモバイル)なんかは15%以上を占めてますよね。北京オリンピックが終わった瞬間に、携帯電話の販売台数の伸びが止まり、メチャクチャ解約が増えて・・・とは考えにくいですよね。もしそうなれば、チャイナモバイルの業績が落ち、それを反映して株価も下がるでしょう。

あともう1つ、香港株は今週かなり上がりましたが、この大きな要因は、中国の投資規制緩和が行われ、中国本土の投資家が香港証券取引所の株に投資できるようになるというニュースが流れたことによるものだと思います。

マックさん、これからもよろしくお願いしますね!
Posted by ジョン太郎 at 2007年08月25日 19:56
ジョン太郎さん、突っ込んだコメント(ご返事)ありがとう御座います。香港株はニューチャイナ・HSBC中国株3ヶ月・H株ETF・BRICSで保有しています。私のコアファンドがピクテグロインで2番目がグローバルREITだったのですが、7月にREITは全て売却しました。これで3番目のコアファンドの香港株がダメになったらという不安がありました。お伺いして本当に良かったです。
また、他のトビ(友情のトビ)でもこちらのブログを紹介させて頂きました。みんなが見にくると思います。今後ともよろしくお願い致します。
Posted by マックです。 at 2007年08月25日 21:35
ジョン太郎様 
サブプライムローンの説明も中国株も感動しました。
「自身の納得できる意見に出会えること」これが
一番大事だと痛感しました。ジョン太郎様の新しい
投稿のメールも楽しみですが それに対する皆さんの
質問と感想も楽しみです。これからもよろしく。 
Posted by チュンユリ at 2007年08月25日 22:40
チュンユリさんへ、
コメントありがとうございました!これからもよろしくお願いします!
Posted by ジョン太郎 at 2007年08月25日 22:56
ジョン太郎さん

今日は友情トピへいらしてくださって、ありがとうございましたm(__)m
マックの質問とコメントのおかげで、いろいろな角度からのお話が聞くことができて良かったです♪
メインのグロインの整理を考えていた私にとっては、大変参考になりました^^
ありがとうございましたm(__)m
また、トピへもいらしてくださいね^^
こちらのブログは、当然お気に入りへ追加しました(*^_^*)
Posted by oka at 2007年08月25日 23:36
okaさんへ、
はじめまして!コメントありがとうございます!これからもよろしくお願いしますね!
Posted by ジョン太郎 at 2007年08月25日 23:43
友情のトピにも来て頂いてありがとうございました。豆の木をロムして頂いていたなんて・・・。
うれしい限りです。今度はぜひ、カミコミよろしくお願いします。豆の木のトピ主さんは、シニアンさんです!
今はまだ、マイナスを抱えてますけど、そのうちプラスになるでしょう!!と前向きに楽しもうと思います。
Posted by ちず at 2007年08月26日 00:09
ちずさんへ、
コメントありがとうございました!ちずさんのおっしゃるとおり、投資は前向きに楽しむことが大切だと思います。豆の木のほうにもこれからもお邪魔しますよ!
Posted by ジョン太郎 at 2007年08月26日 00:27
masaruさんへ、
コメントありがとうございました!

本当にややこしい問題ですね。困ったものです。
昨晩出たニュースで、6月のサブプライムローンのデフォルト率が過去最悪の13.43%に達したとの報がありました。5月が12.4%、前年同月の昨年6月が6.88%、だったそうですので、前年同月比約2倍です。

サービサーの破綻のニュース(デフォルトではなく不正が原因)も出てますし、ちょっとまた荒れるかもしれません。
Posted by ジョン太郎 at 2007年08月26日 09:18
こんにちわ。
昨日は、友情のトピでアドバイスありがとうございました。
今回の下落は、今のところはなんとか耐えています。
しかし、株式ファンドばかりだと上下が大きく、
しかも、海外ファンドばかりなので、為替の影響は大きいですね。
1年も続くとどうなのかな?と心配にはなりますが・・・。
下がり続けていきなり半分以下になるということはないだろうから、
下がり続けても、少しは上がり、また、下がるというような
20〜30%の下落のイメージをしてます。
だったら、なんとか耐えられるのかな?って思っています。甘いかな・・・。
もちろん、その後は、上昇してくれるのを期待してですけど♪
少しずつ、付け加えて形にしていきたいと思います。
でも、豆の木:グロイン 2:1で、
全体の65%を占めているので、
変えていくのは、時間がかかりそうです。
Posted by ちず at 2007年08月26日 13:32
はじめまして、こんにちは。ブログいつも参考にさせてもらってます。ジョン太郎さんに質問があります。

今回のテーマと関係のない話で恐縮なんですが、ジョン太郎さんは今後のブラジル経済についてどうお考えでしょうか?私の素人考えでは、サブプライムローンの焦げ付きによるアメリカ景気減退や消費縮小が起きた場合、陸続きであり、工業製品輸出国であるブラジルはかなり影響を受けるのではないかと思っているのですが…。
Posted by りりー at 2007年08月26日 14:33
ちずさんへ、
コメントありがとうございます!
その辺も含めて、投資経験が長くなっていくと耐性も強くなったり、柔軟に捉えることができたり、成長していくものだと思います。是非楽しんでいってくださいね。

りりーさんへ、
はじめまして!コメントありがとうございます。
アメリカの実体経済に影響が出ればもちろんブラジル経済にも影響は及ぶと思います。ただ、ブラジルの輸出先別の輸出額のシェアをみると、
◆中南米(22.8%)
◆EU(22.1%)
◆アメリカ(18.0%)
◆アジア(15.1%、うち日本:2.8%)
こんな感じです。実はアメリカのシェアはそんなに高くありません。ちなみに日本の輸出額に占めるアメリカの割合は22.5%です。

今の地球上でアメリカの景気減速の影響を受けない国を探すほうが難しいくらいの状況です。ブラジルに限ったことではないと思いますよ。

私もブラジルに投資してますが、あんまり気にしてません。
Posted by ジョン太郎 at 2007年08月26日 15:07
さっそくお返事ありがとうございます!

なるほど、日本のほうがよっぽどアメリカ依存なんですね。よく調べもしないで想像で物事を考えちゃだめですね〜。反省です。
にしても、これから年末にかけてすごい荒れ相場になりそうですね。投資歴2ヶ月の自分は、最高値ジャンピングキャッチ、損益表はまっかっかですW しょっぱなから良い経験をさせてもらいました。

またお邪魔させていただきますね^^
Posted by りりー at 2007年08月26日 16:48
はじめまして、友情のトビにお越し頂き有難う御座いました。
マックさんに教えていただき、密かに読ませて頂いて居たのですがこの時期、色々な情報が飛び交い不安を増す中思わずジョンさんのお名を出してしまいました。
投資信託、昨年よりスタートした素人の私にも
解り易く噛み砕いてお話頂き、増してや50代のものには前に読んだこととて忘れがちそこに、ここ読んでのメッセージ感謝致しております。
大事な、大切な物は秘密にしたい心理でしたが
中国の成長を示されたグラフはその気すら打ち破るものでした。
わが子達は20代で社会人2,3年生投資する
余裕など無いと申しますが、何時かジョン太郎さんのブログを真剣に読んで欲しいと願って居ります
お忙しいでしょうが、何かを意図する投資本が
多い昨今、どうぞお続け下さい
全部、印刷して子供に残しておきます
迷い迷いの投資です
ポートフォリオのご相談などさせて頂いて宜しいのでしょうか?
もう少しブログを読みこなしましたらさせて頂きたい物です
今後とも友情のトビ共々宜しくお願い致します
Posted by ちどりん at 2007年08月27日 15:48
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