2007年07月29日

今週の世界的な株価下落

今週は市場が大きく動きましたね。各国の株式は急落、為替は急激な円高・・・皆さん落ち着いて見守っていられましたか?

今回の世界的な株安の引き金は、アメリカです。アメリカでサブプライムローンという、信用度の低い人向けに高い金利で貸す住宅ローンがあるのですが、住宅価格の下落などや収入の低下でこのローンの焦げ付き=不良債権化が目立ち始めたことが、きっかけです。

なんでそれが株安と関係があるの?って思いますよね。えっと、ものすごくザックリというと、低信用・高金利の住宅ローンを集めた人たちはそれをまとめて売ります。債権の証券化、流動化、ってやつです。「これ、なんとかさんから5,000万円返してもらえる権利、これをたったの4,900万円でお譲りします! すごく高い金利収入も入ることになってますからおトクですよ!」ってのをまとめて売っぱらう、これを証券化とか流動化って言います。

そしてこれらを買ってる人というのは、投資家です。その投資家の投資資産の状況が変わりました。返って来るはずのものが返ってこなくなったり、金利がちゃんと入ってこなくなったりします。するとどうなるか。投資家はリスクを嫌い始めます。こうした、これまでリスクをとってきた人たちのお金(リスクマネー)が、国債とかの安全資産に向かい始めると、こうしたリスクマネーが持っている資産も合わせて売られる、というわけです。10年前にLTCMという大きなヘッジファンドが破綻したときにも同じようなことが起こりました。

当然、日本株もそうした人たちのお金が手仕舞いされたり、そういう人たちの手仕舞いによる売り圧力を受けての株価下落を嫌気する人たちも売ることで、大きく下げました。ここんとこ円安基調で輸出企業に追い風、となってたところに急な円高、というのも下げを大きくした要因だと思います。もちろん、他の国の株式市場も大きく下げました。

エマージング株なんかこうしたリスクマネーの動向による影響を思いっきりを受けますね。もともと値動きの大きな市場ですし、入ってきているお金がリスクマネーばかりってこともありますからね。今回は特にブラジル株が大きく下げました。ブラジルはアメリカに経済的に・地理的に近いこともあり、サブプライムの問題の影響を強く受けるのではないかという懸念と、もう1つ悪いニュースがあって大きく下げました。もう1つとは、OPECによる原油の増産です。原油が増産になると、原油の供給が増えます。原油の供給が増えれば原油の価格は下落します。今回は下落というほどではありませんでしたが、原油増産というニュースで原油価格がちょっと落ち着きを見せました。そして、BRICsの中でも資源国と見なされているロシアとブラジルは比較的原油価格に敏感に反応します。サブプライムと原油価格の2つの要素が重なったためブラジル株が大きく下げたというわけです。

円高も同様の理由です。サブプライムローンの問題がアメリカ経済に与える悪影響を嫌気してのドル売りと、これまで金利の安い円で借金をして、それを他の国の通貨に換えて株などに投資をする、いわゆる円キャリー取引の手仕舞い、取引を解消するために円を買い戻して円の借金を返す人たち、による円の買い戻しも結構あったんじゃないかなと思います。

ブラジル株がいい例ですが、今回の株安ってブラジルの経済、ファンダメンタルズと全く関係ないですよね。原油価格なんてあんまり関係ないですし。ブラジルは日本並みの原油自給率から20年ほどの間に原油自給率100%にまで達した驚異的な国ですが、さすがにまだ他国にバンバン輸出するには至ってませんから。こういった外部要因とか、投資家心理の変化とか、他国の釣られ安、とかってよくあることですが、あんまり気にする必要はありません。中長期的な株価が反映するのは、そういうイベントではなく、企業収益です。企業収益と全然関係ないところで、短期的な調整をするなら、むしろちょっと追加投資しとこうかなって思うくらいの余裕がほしいところです。

もし株価急落で不安になったらこの辺の記事を読み直してみてください。きっと落ち着くはずです。
http://jovivi.seesaa.net/article/17181608.html
http://jovivi.seesaa.net/article/17902378.html
http://jovivi.seesaa.net/article/21683836.html
http://jovivi.seesaa.net/article/34026208.html
http://jovivi.seesaa.net/article/35184173.html


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posted by ジョン太郎 at 18:49| Comment(2) | TrackBack(1) | ジョン太郎 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
こんばんわ、ジョン太郎さん。
落ち着いて見守れなかった、ビルです。(ブログを読み直します、反省)

今回も去年の五月も、世界同時株安の前に、少し円高になってた気がしますが、何か関係は、あるんですかね?


Posted by ビル at 2007年08月01日 01:01
ビルさん、コメントありがとうございます!
お返事遅くなってしまってすみません。

世界同時株安のきっかけが日本以外にある、というところがミソかもしれませんね。中国のA株市場だったり、米国のサブプライム問題だったり、こうした問題が起きた時に、それ以外の通貨が買われるということはよくあります。円の存在感が小さくなっていくと、そうした円高を目にする機会も少なくなっていくのかもしれませんね。
Posted by ジョン太郎 at 2007年08月05日 22:58
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