2007年05月26日

みなさんのコメントとご質問にお返事。〜いろんな国の株と債券のリスクとリターン〜

みなさん、コメントとご質問ありがとうございます。お返事と、いただいたご質問に関連して今日は各国の株と債券のリスクとリターンの目安について。まず、
kosさんへ
欧州エマージングに投資するファンドも何本かありますね。ユーロへの加盟とそれに伴い、政治・経済・金融のレベルがユーロ圏レベルに高まっていく、あるいはユーロ加盟国との経済の相互作用で市場が拡大していく、といった点が期待される投資テーマですね。おもしろいと思うんですが、正直言って私はあんまり投資魅力を感じていません。BRICsの国々に比べると今後期待される成長率はかなり見劣りしますし、その背景には、以前お話しした経済成長のための3要素「国土の広さ」「人口の多さ」「ある程度の経済規模」(詳しくはこの記事http://jovivi.seesaa.net/article/32807342.htmlとこの記事http://jovivi.seesaa.net/article/33406734.htmlをご参照ください。)があります。東欧諸国、ヨーロッパエマージング諸国というのはほとんどの国が、国土が狭く、人口も少なく、現在の経済規模もあんまり大きくないんですよね。

チュンユリさんへ、
株が多いというか、私は全部株にしています。理由は高配当だからではなく、私は今後の運用期間が長く、また、短期的な変動が全く気にならないので、最も期待リターンの高い株にしています。また、株にはいわゆる高配当株(好配当株)と成長株、割安株、などの基準がありますが、これは投資する人がどういう基準で株を選ぶか、という基準の種類です。好配当株、という基準で選んだ株のグループは、成長株、という基準で選んだ株のグループとは大きく異なります。つまり、全く違う種類の株です。私は好配当株には全く興味がないので組み入れている株は、ファンドを通じて投資しているものも含めてほぼ全て成長株です。チュンユリさんがお出かけする前の金曜日までにお返事返せなくってゴメンナサイ。でも、チュンユリさんの修正予定のポートフォリオ、良いと思いますよ。ただし、お考えに合っているのであれば、ということですが。私の感覚だと、3年以上放っておける資金であれば十分許容できるリスク量のポートフォリオだと思います。敢えて気づいた点を申し上げるなら、ちょっと国内株の比率が高いかなという感じがします。

けんけんさんへ、
「利回り」って言葉はあんまり適切じゃないです。投資の場合は金利のような確実なものじゃないですからね。過去のリターンとか期待リターンとか、そんな感じで言うのが一般的です。で、目安なんですが、こんなん作ってみました。

BDEQ1.jpg


BDEQ2.jpg

これは、まぁいつものやつです(この辺の記事にも詳しい見方や標準偏差の考え方を解説していますhttp://jovivi.seesaa.net/article/17902378.html)。何を集計したものかって言うと、ある資産に一定期間投資した場合のリターンを例えば1年リターンであれば、今日までの1年間のリターンが9%、昨日までの1年のリターンが8%、一昨日までの1年のリターンが8.4%・・・・ってのを20年分とか30年分とかできるだけ長い期間計測して、その平均と標準偏差をとったものです。多いものでは1万件以上のデータ、少ないものでも1000件以上のデータの平均になってます。一番左上にある世界債券でご説明しますね。世界債券に1年間投資した場合の平均リターンは6%、標準偏差は7%です。表がゴチャゴチャしちゃうので、小数点以下は省いてますが、このくらい大雑把でちょうどいいと思います。正確に書いたところで、過去のデータは将来のリターンを正確に示すようなものではないですから、こんな感じかなというイメージをつかむため、程度のものと考えておいたほうがいいです。さて、標準偏差というのは、データが正規分布していた場合平均±1標準偏差の中にデータの7割弱が含まれるという、バラツキを示す数字です。つまり、6%±7%、-1%から+13%の間にこの期間の1年リターンの7割弱のデータが含まれていたということになります。標準偏差が大きなれば大きくなるだけ、データの散らばる範囲が広くなる=ばらつきが大きくなる=リスクが大きいという意味です。最大値と最小値というのはそのまんま。世界の債券に1年間投資した場合、超うまくいったときは最高27%のリターンを上げたときがあり、最悪の時は1年間で-8%だった時があったということです。★【重要&注意】★ちなみにここに出ている数字は全て為替を無視した現地通貨建ての数字です。為替を加味して考えるとその資産の性格が見えにくくなるので、現地通貨建て、つまりイギリス株であれば、1ポンドで投資したのが1年で何ポンドになったか、という計算です。円から投資して円に戻す場合、このリターンに加えて買った時と売った時の為替の損益が加わります。★【注意終わり】★

で、青い帯の下、年率換算データというのは、世界債券の10年リターンであれば、10年リターンの78%を10で割った1年あたりの数字です。10年間投資した場合どれだけのリターンがあったか、その平均はどのくらいだったか、その標準偏差はどのくらいだったか、そそれらを1年あたりに換算するとどうなったか、を示しています。今度は世界株で見て見ましょう。世界株に1年投資した場合、平均は9%、標準偏差は16%ですから、-7%から+25%の間が範囲になりますね。次に、10年投資した場合の1年あたりの平均リターンはというと、15%、標準偏差は9%です。+6%から+24%の間が範囲になりますね。これが中長期投資の効果です。また、データの信頼度も中長期投資だと格段にあがります。あたりまえですが、データを多くすれば多くするほど、期間を長くすればするほど実際の値は平均値に近づいていきます(よろしければこれもどうぞhttp://jovivi.seesaa.net/article/22879164.html)。つまり、1年しか投資しなかったとしたら、このくらい不確かなものとなりますが、10年も投資期間をとればパフォーマンスはある程度予想がつきやすくなりますし覚悟がしやすくなります。私にとっては世界株にしろ、他の国の株にしろ、もっと標準偏差の小さい感じです。投資期間が長いせいもありますが、全然怖さを感じないですね。ちなみに世界株は1970年から2007年までの37年間のデータをとってますので、その間にはブラックマンデーもあれば、アジア通貨危機もあれば、日本のバブル崩壊もあれば、同時多発テロもあれば、湾岸戦争もあれば・・・と様々な相場下落の場面が含まれてます。今後もそういった相場を下落させるような事件やニュースは発生するでしょうが、過去データの中にもそういった場面が含まれているということです。

あくまで、過去データですし、参考程度に考えていただきたいのですが、こういうのも面白いですね。ちなみに中国株は充分なデータ期間がとれずサンプル数が多くなかったので除外しました。表の中で空白になっている資産もちょっと期間が短すぎてデータ数が少ないため、誤解を与えちゃう数字かなと考えて省いたものです。ご了承ください。
posted by ジョン太郎 at 14:26| Comment(3) | TrackBack(0) | ジョン太郎のマメ知識 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントありがとうございます。
本当に失礼な事を申し上げました。
投信を始めてまだ1年なのでジョン太郎さんの
コメントもよく理解出来ない所もあります。
投信を解約して少し落ち込んでいました。
来月から配当金がすごく減ります。
収入がないので不安でした。
もし叔母さんがいたらどんな投信薦めますか。
6月に販売される投信がありますが 配当は
8月から秋になります。基準価格の安い投信か
確実に配当の出る投信か迷っています。
海外の株で配当の高いものを探しています。
ジョン太郎さんのメールいつも楽しみにしていますよ。
Posted by チュンユリ at 2007年05月26日 22:41
毎回、ご丁寧にありがとうございます!非常に分かりやすく参考になります。自分なりの理論的な裏づけを持つことも長期投資のコツですね。ジョン太郎さんの言われる内容には、ホント納得させられます。私も今月から投資デビューですが、自分なりの論理と投資哲学をもてるようがんばります^^
 次の更新も楽しみにしてます!
Posted by けんけん at 2007年05月28日 23:14
確かに市場規模とか生産力人口のこととか、考えてなかったですね。それを考えると中国インドの爆発力はすごそうですね…。回答ありがとうございます!
Posted by kos at 2007年05月29日 00:33
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