2013年12月31日

2013年の大晦日に。

昨日の続きです。

昨日は失礼しました。では昨日の続きを。今日は2013年の振り返りと来年の話をしようと思います。

皆様にとって2013年で最も印象に残ったニュースはなんでしたか?私はこれ、本業でもよく聞かれるんですが、今年最も・・・、って言われると言葉に詰まりませんか?きつくないですか?この歳になると、そもそも今年何があったのか、どれが今年のニュースだったのか、あれは今年のことだったんだろうか・・・を思い出すのも大変ですし、それらを思い出してみてその中で最も印象に残っているニュースは・・・なんて考えているうちに最初のほうに思い出したニュースをまた忘れ・・・状態です。歳をとるといろいろと不都合が生じてきます。そんな38歳の大晦日です。

なんて書いたところでいったん止めて、普段は読まない新聞を手に取ってみると(何もない実家にいるので・・・)、なんとさすが大晦日の新聞、今年の振り返りが載っているではありませんか。というわけでそれをひとしきり読みふけり、あーそんなこともあったなーなんて思い返していたら眠くなって昼寝して起きたら夕方・・・腹も減ったので晩御飯をとりあえず食って・・・で、こんな時間になってしまいました。すいません。

で、昼寝する前の私がピックアップした2013年の出来事。
1月:米国財政の崖回避。日銀がインフレ目標2%を掲げて無期限緩和。
3月:TPP参加表明。
4月:日銀が異次元緩和の導入を決定。
6月:米国国家安全保障局の盗聴問題発覚。
7月:参院選で自民圧勝。
8月:財務省が「国の借金」が初めて1000兆円を突破と発表。
9月:東京でのオリンピック開催決定。ドイツとオーストラリアで総選挙。
10月:消費税増税決定。米国新年度予算不成立で政府機関一部閉鎖。米国議会で債務上限引上可決し債務不履行回避。
12月:米国FRB金融緩和縮小を決定。

こんなところでしょうかね。昨年末13,104.10だったダウは1年で16,504.29まで25.95%上昇、日経平均は10,395.18から16,291.31まで56.72%上昇、ドル円は85.96から105.03まで22.52%上昇、米国債利回りは1.76%から2.98%まで上昇。

中長期的な流れとしてはやはり先進国の財政状態が悪い状態が続き、先進国が構造的な低成長状態にあり、これが前述の今年のイベントのそこかしこに見え隠れしています。来年以降もこの流れに大きな変化はないでしょう。一時的な問題ではないので我慢してやり過ごせるようなものではなく、構造的・恒常的問題として対処を検討していかなくてはならないものだと思います。今年3月に世界最大のSWF(政府系ファンド)を運用するノルウェー中銀投資運用部門のCEOがドルと円、ユーロ、ポンド建ての減らす理由を「用心」のためとし、これらの「主要4通貨には、政府債務、民間部門の負債、非伝統的な金融政策、成長と人口構成の特徴という点で構造的な問題がある」と説明しています。
http://www.bloomberg.co.jp/news/123-MJI7A66JIJXE01.html
まさに、というものです。

アベノミクスがどうこう言う前に、そもそも日本のGDPは
1人当たりGDP【500万円】×人口【1億人】=GDP【500兆円】
こんなイメージであって、人口が減っていくのでGDPをマイナスにしないだけでも大変です。人口が減っていく中で「高い経済成長率を実現」するためには1人当たりGDPをどんどん上げていくしかありません。1人あたりGDPというのは日本人1人あたりの稼ぎであり、利益であり、儲け、のことです。1人当たりGDPはその国の平均所得とそんなに大きく乖離しないものです。既に1人年間500万円稼げるようになった日本人が600万円、700万円と稼げるようになるような素晴らしいプランが出てこなければ、日本の1人当たりGDPが増えなければ、人口が減っていく以上、GDP成長率はマイナスになってしまいます。もちろん、中国は全然位置が違います。日本と米国と中国の位置はこんな感じです。

【日本】GDP:5.96兆ドル、1人当たりGDP:46,707ドル、人口1.28億人
【米国】GDP:16.24兆ドル、1人当たりGDP:51,704ドル、人口3.14億人
【中国】GDP:8.22兆ドル、1人当たりGDP:6,071ドル、人口13.54億人

日本人は1人500万円稼いで1億人だから500兆円のGDP、アメリカ人は1人500万円稼いで3億人だから1,500兆円のGDP、中国人は1人60万円しか稼げないけど13億人800兆円のGDP。こんな感じです。この関係がわかるとオーストラリアやカナダが経済大国になれない理由がわかると思います。人口が少ないからね。カナダが3千万人ちょっと、オーストラリアも2千万人ちょっとですから、1人あたり年間1千万円稼いでもGDPは200兆円とか300兆円にしかなりません。人口が多くないと経済大国=経済規模の大きな国=GDP額の大きな国、にはなれません。シンガポールもそう。500万人くらいしかいないから、経済大国にはなれない。でも、1人当たりGDPを高くして、国を経済的に豊かにすることはできる。1人当たりGDPは国の経済的豊かさを表します。経済効率の高さを表すとも言えます。

シンガポールの1人当たりGDPは52,052ドルで日本や米国よりも既に上です。一方、1人当たりGDPが低い国はちょっとしたことで一気に国のGDP成長率を高くできます。年間500万円の稼ぎを2倍の1,000万円にするのはとても難しいけど、年間5万円しか稼いでいないのを2倍の10万円にすることはそんなに難しくない。GDPの変化率がGDP成長率ですから、1人当たりGDPが低い新興国は成長率が高くなりやすいというわけです。

経済が成長するということはGDPが増えるということ。今100兆円のGDPが1年後に105兆円になれば年間5%のGDP成長率、5%の経済成長率ということになります。ただしこれはあくまでも名目成長率。世の中の物価全体が上がれば、企業の損益計算書の数字が上から下までかさ上げされて、企業の売上と利益、つまり付加価値がかさ上げされます。これによってGDPが増えますが、これは何も豊かになっていませんし、付加価値が実質的に増えたわけではないので、名目成長率からインフレ率を差し引いたものが実質成長率ということになります。

つまり、来年の日本の成長率を予想するには、今年の日本のGDPを持って、来年1年間に日本で生み出される付加価値合計を予想し、その変化率を出してまずは名目成長率を予想します。今年500兆円で来年505兆円なら1%の名目成長率、という具合です。そこから更に日本の物価全体の上昇率を予想し、それが0.3%ならば1%の名目成長率から03%のインフレ率を差し引いて0.7%の実質成長率、という具合になるわけです。「日本が1%くらいの成長だからオーストラリアは●%くらいの成長率」だろうというような予想が成り立つようなものではありませんし、今のその国のGDP額がどのくらいかを知らずに、あるいはその国のインフレ率を予想できずに、経済成長率を予想するなんてことはできないのです。

というわけで、人口があんまり増えず、1人当たりGDPもそこそこの金額に達している先進国は実質成長率を高くすることが難しいのです。実質成長率が低いからどんどん経済政策を打ちたいけど、先進国政府は財政が悪いから財政政策を打てない。財政政策は国がやる経済政策で主には減税と公共事業です。日本なんか増税路線まっしぐらですからね。財政政策がとれないから金融政策に頼らざるを得ない。金融政策は中央銀行がやる経済政策で代表は金利の上げ下げ。ところが日本、米国、ユーロ圏は金利調節もできないので非伝統的な金融政策、量的緩和をやるしかないと。

で、アメリカの場合は景気が回復し始め、財政状態が悪い状態が続き、大幅な金融緩和を行い・・・という状態で、これらはいずれも国債の利回りを上昇させる要因となります。が、アメリカの場合、金融緩和というのが非伝統的な量的緩和によって行われていたため、国債の利回りが上昇せずに逆に低下し、低位安定してきました。量的緩和というのは中央銀行が国債を買い入れて、お金をばらまく政策ですから、量的緩和をするということは中央銀行が大量に国債を買い入れ、国債の価格が上がり、それによって国債の利回りが低くなってしまうことになります。米国で量的緩和の出口戦略が議論され始め、量的緩和が終了ということになると、米国国債の最大の買い手が買わなくなるわけですから、国債の価格が下がり、国債の利回りが上昇するのは当然のことです。今年5月から8月の間に米国債利回りは1%以上上昇し、米国債価格は10ドル以上下落しました。昨年7月に過去200年の最低利回り1.38%を記録した米国債の利回りはついに3%を超えました(年末にはぎりぎり3%を割り込みましたが)。一方、日本はまだまだこれから本格的に量的緩和をしていくわけですから、しばらく日本国債の利回りは低位安定する可能性が高いのではないでしょうか。

日本は2%のインフレの実現のためならどんな手でも使うと宣言しています。量的緩和はもちろん金融緩和というのはインフレ率を高める効果がありますし、通貨安(円安)もインフレ率を引き上げます(一方でインフレも通貨安を招きます)。1ドル=80円から100円になれば、100ドルのものを買ってくるのに8,000円から10,000円になりますからね。インフレ率が低いと国の借金がどんどん増えていってしまいますし、逆にインフレ率を高めに保てば国の借金は目減りします。100円のジュースでもらえる消費税は5円(まもなく8円になりますが)ですが、インフレを起こして0を1個足してジュース1本を1,000円にしてしまえば消費税も50円に増えます。モノの値段が上がってお金の価値が下がっても借金は増えませんから、1,000兆円を借りたなら、1,000兆円の価値がどれほど下がっても1,000兆円を返せばOKです。つまり、インフレを起こせば国は簡単に莫大な借金を減らしていけますし、インフレによってかさ上げされたGDP比の政府債務を引き下げることができます。

というような状態は以前と全く変わらず、引き続きこれらの話が土台になったような事象が今年も起きましたよという話です。もちろん、来年以降も引き続き、ということだと考えるべきでしょう。これから先5年、10年とこの路線を走っていくと考えるべきでしょう。来年はこうした路線の上で、米国は金融緩和を縮小、日本は金融緩和を本格化、米国債の利回りが上昇を始め・・・ということになるかと思います。日本株のパフォーマンスを下支えするのは日本の金融緩和ということになろうかと思います。業績がついていってくれるのに越したことはないですが。

金融緩和を本格化させる日本円と緩和を縮小する米ドルでは円安ドル高を予想するのが無難というものでしょう。1981年の16%近くから昨年の1.4%まで30年間低下し続けてきた米国債利回り低下の恩恵を受けてきた米ドル建て債券のパフォーマンスが大きく反転し、過去30年のデータが役に立たなくなるような、過去にうまくいっていたやり方がうまくいかなくなるような状況も覚悟しておいたほうがいいと思います。米国債利回り上昇による長期金利の上昇で、住宅ローンの金利が上昇して米国住宅市場が足踏み状態になっていますが、ハイイールド債やREITも相対的な利回り魅力の低下以外に、利払い額の増加による減益というインパクトも考慮しておくべきではないでしょうか。今年、日本で一番大きな海外REITファンドの残高が1兆円を超えました。また、米国REITの時価総額は50兆円程度、売買高は1,000〜2,000億円程度です。また、日本の投信市場の残高上位ファンドの半分を海外REITファンドが占めるという状況にもなりました。こうしたことは記憶にとどめておくと良いと思います。

こんなところでしょうか。書き始めたら意外と時間がかかってしまってこんな時間になってしまいました。昨日、「明日必ず」と書いた手前0時をまわるわけにもいかず、尻切れトンボにもしたくなく・・・結構焦りましたが間に合ってよかったです。急いで書いているので読みにくいところもあるでしょうし、読み直しもせずにこのままアップするので誤字脱字も結構あるかもしれませんが、ご容赦ください。

というわけで、皆様間もなく新年です。今年もお世話になりました。来年もよろしくお願いいたします。良いお年を。

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posted by ジョン太郎 at 20:24| Comment(0) | TrackBack(0) | ジョン太郎のマメ知識 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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