2007年02月18日

運用・投信でよくある疑問H〜いつ利益確定する?いつ売ればいいの?短期売買と中長期投資のどちら?〜

運用とか投資信託について、よくある疑問やよくある間違いについてのお話の第8回目です。今回は、投資信託っていつ利益確定すればいいの?いつ売ればいいの?安いところで買って高いところで売る、を繰り返して儲けるもの?短期売買と中長期投資のどちら?あたりの話をしたいと思います。


まず、投資信託というものは売ったり買ったりして、資産を増やすためのものではなく、売ったり買ったりをせずにほったらかしておいて資産を増やすための商品です。

投資信託の商品設計自体も運用も、この前提に基づいています。こちらの記事(http://jovivi.seesaa.net/article/31662362.html)でも投資信託の基本的なコンセプトについてお話ししましたが、このコンセプトを誤解していらっしゃる方が非常に多いです。

投信を売却するタイミングというのは
@今現在の資産配分が適切でない場合に、保有している投資信託を売却して他の投資信託を買う時
Aあるいは、市場環境が変化してその市場から資金を引き上げるべきだと判断して投資信託を売却する時
B投資していたお金を使うことになり、投資信託を売却する時
くらいです。

投資信託を使って投資する場合、自分がどこの国のどの資産に投資するのか、あるいはどういう組み合わせにするのか、いくら投資するのか、は自分で決める必要がありますが、適切なマーケットタイミングで買って適切なタイミングで売る、必要のあるものではありません。上記の3つにあてはまった時に売却を考えればよろしいかと思います。

投資信託は値動きがあるものですから、谷から買うか山から買うか、でその後の損益は変わってきます。また、ある程度の利益が出ていると「利益確定」をしたくなるというのもわかります。しかし、今が山なのか谷なのか、の判断は非常に難しく、多くの人にとってこの判断をしていくことはかなり困難なものです。マーケットが下げている時にここから反転して上昇していくのか、更に下げるのか、あるいはマーケットが上昇している時にここから更に上げるのか、反転して下げ始めるのか、を正確に判断するには相当な労力と時間が必要です。また、常に現在が山なのか谷なのかを考え続ける必要があるのでは、せっかく手数料を払って人任せにしているのに、人任せにできていません。投資信託の最大のメリットの1つは長期間にわたって運用していかないといけない大変さを人任せにできる、ということです(http://jovivi.seesaa.net/article/31332132.html)。

安いところで買って、高いところで売る、を短期間で繰り返せば、もの凄いスピードで資産が増えます。しかし、必ずしもそれができるわけではないのです。今が底だ!とは思えないような、なだらかな底からの反転だったり、ゆるーいカーブでじわじわ上がっていったときなど、タイミングを逃すような動き方をすることはよくあります。また、波と波の間隔が物凄く広くて、全然売買を繰り返せないなんてこともあり得ます。短期売買で儲けていくためには、市場がそこそこいいタイミングでテンポよく上下してくれないといけませんし、それが短期間のうちにおこってもらわないといけなくって、目に付き易いハッキリとした波でないといけなくって、しかも自分がそれを正確に読みきる必要があり、しかもきちんとそのタイミングで売買をする必要がある・・・なんてこの全てを整えるのって物凄く大変です。

以前ヤフーの株のお話をしましたが(http://jovivi.seesaa.net/article/18161545.html)、ヤフーの株は結構値動きが激しいことで有名ですが、10年前に上場した時の株価は200万円でした。当時、高すぎる!狂っている!との声も多く聞かれましたが、その時に200万円で買って、今までずーっと持ちっぱなしにしてた人は2006年1月にはなんと7億8,000万円になってます。その後下がり続けて現在では3億7,000万円ほどになってますが・・・上場以来10年くらいのこの間にヤフー株の売買をし続け、安いところで買って高いところで売る、を繰り返した人で3億円を超えた人はどのくらいいるんでしょうね。


儲かってるところで売却する、一旦利益を確定する、短期の売買を繰り返す、安いところで買って高いところで売却というのを繰り返して儲けようとすると、2つのデメリットにぶつかることになります。

まずマイナーなほうのデメリットからいきますが、「再投資リスク」です。あまり気にしない方が多いかもしれませんが、プロの投資家である機関投資家は必ずこれを考えますし、結構重視します。これは何かというと、ある投資をする時にその投資の終了後に上手に同じくらい魅力的なものに乗り換えることができるかどうかのリスク、です。例えば、機関投資家が5年間ものの商品を検討する場合、例えば利率確定型の5%くらいの米ドル建て商品だったとしましょう。5年後にこの商品が償還されて、資金が手元に戻ってきた時、そこからまた新たな投資を行わなくてはなりません。この時、アメリカの金利が下がってしまっていれば、例えば金利が3%くらいまで落ちていた場合、そこから先の投資は利回りがぐっと下がります。そこで、もし現在、10年物で4.5%のものがあれば、そちらにしようかというようなことを考えます。将来のあるタイミングで投資した商品の運用が終わり、そこから新たなものに乗り換える場合に、良い商品が手に入るかどうかわからないリスクを機関投資家は結構重視して運用判断を行います。儲かってるところで売却する、一旦利益を確定する、短期の売買を繰り返す、安いところで買って高いところで売却というのを繰り返して儲けようとする、こうしたことをする人の多くが、この再投資リスクの影響を軽視していますが、実は結構大きなリスクです。短期売買を繰り返す場合、こうしたリスクをたくさんとっていることになります。

もう1つは、投資の成否が何によって変わってくるか、何によって儲かるのか、何に収益を期待するのか、というのが変わってくるということです。中長期投資の場合、市場が上げ下げを繰り返しながら、途中に小さな波はあっても、中長期で見れば少しずつレベルが上がって大きな波によって成長していくことに期待します。過去の平均リターンから将来の期待リターンを考えることが可能で、運用期間を長くとればとるほど実際のリターンは平均値に近くなっていきます。しょっちゅうお話している、サイコロの話です。サイコロを3回しか振らなければ6が3回連続で出るようなこともあるでしょうが、100回振れば6の出る確率は1/6に近くなりますし、1億回振ればもっと1/6に近くなります。長く運用すれば長く運用するだけ、実際のリターンが過去の平均リターンに近くなる、これが中長期投資の良いところです。今30歳くらいの人であれば平均寿命どおりでもあと40年以上運用していくことになります。その間、ずっと同じ運用をしていたら、その間のリターンは過去の平均リターンにかなり近くなることが期待できます。

一方、短期売買の場合、ある程度の利益が出たところで利益確定をしてまたそのうち投資をする、安いところで買って高いところで売る、を繰り返す場合、だいぶ事情が変わってきます。先程のように40年運用をする人が、短期間の間に、10%のプラスがあったので解約をしたとしましょう。仮にそれが1年の間に達成した運用成果だとします。1年に1回の売買をするとしても、40年の間に、40回の投資をすることになり、結局最終的にどれだけ増えたか、というのは終わってみないとわからないことになってしまいます。勝負の回数が多くなればなるだけ、連勝を続けることは難しくなり、また、仮に最初の30回の投資で連続で勝っていたとしても、31回目の投資で大きく負ければそれまでの勝ち分が全部吹き飛んでしまう、というようなこともあり得ます。短期間の勝負で連勝を続けていって、トータルでもプラスにする自信があるというような場合でなければ、短期売買を繰り返したり、利益を確定するのはおすすめできません。利益を確定するというのを適切なタイミングで行うこと、は実は物凄く難しいことなのです。10%とか20%の利益をあげたとしても、それは10年以上の運用期間を考えれば、充分な数字ではありません。その後もまた運用を行う必要があります。とりあえず、今回の利益を確保したと思っても、その後の投資がうまくいくかどうかはわかりませんし、良いものを買えるかどうか、そこで買った良いものをまた良いタイミングで売れるかどうかはわかりません。

何度もこのブログでお話していますが、短期売買は一般に「投機」と呼ばれ「機会に乗じて資産を増やす」という意味で、投資というのは「放っておいて資産を増やす」ものです。投機の場合、短期の売買を繰り返して利益を積み上げていくことになり、その成否は自分の腕にかかってきます。手数料を払って中身の運用を人任せにしておいても、資産が増えていくかどうかは売買のタイミングを決める自分の腕にかかってきてしまいます。そして運用期間が長期になればなるほど、連勝を続けることが難しくなり、資産が増えれば増えるほど投資判断を冷静に行うことが難しくなり、金額が小さいときのようにフットワークの軽い売買を行うことが難しくなり、運用規模が大きくなることで商品の選択の幅も狭くなっていきます。株の売買でも、最初のうちは連勝をしていた人が連勝によって資産規模が大きくなったとたんに勝てなくなるというのはよくあることです。一方の投資というのは、過去の平均から見て中長期的に成長の見込める資産にお金を投じて10年、20年、30年、40年という長い期間をかけて育てていくものであり、また、長い期間をかければかけるほど、実績が平均に近づくことが期待できます。

自分の投資判断が連続して正解し、10年、20年、30年、40年と勝ち続け、資産が増えてきた後半戦になってもまだ冷静で適切な判断をして連勝ペースを落とさない自信のある方はどのくらいいらっしゃるのでしょう。ある程度のところで利益確定したほうがいい、安い時に買って高いところで売ったほうがいい、とアドバイスをする人が結構いますが、そのアドバイスをもらって成功する人の比率がそのアドバイスをもらって失敗する人の比率よりも高いとは到底思えません。中長期投資の場合は運用期間が長くなれば長くなるほど有利、短期売買は運用期間が長くなれば長くなるほどトータルで勝つのが困難になる、ものです。

中長期投資の効果について詳しく知りたい方はこちらの記事をどうぞ。
http://jovivi.seesaa.net/article/17902378.html
http://jovivi.seesaa.net/article/22879164.html
http://jovivi.seesaa.net/article/21683836.html


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posted by ジョン太郎 at 13:41| Comment(0) | TrackBack(0) | ジョン太郎のマメ知識 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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