2007年02月10日

運用・投信でよくある疑問F〜基準価額が高い投信を買うのはもう遅い?BRICsはもう上がりすぎ?次はベトナム株ファンド?<2>

運用とか投資信託について、よくある疑問やよくある間違いについてのお話の第7回目です。今回は前回の記事(http://jovivi.seesaa.net/article/32807342.html)の続きです。
このブログを始めたころの私のポートフォリオは7割が日本株でした。以前お話ししたんですが、私は1999年に社会人になって、2002年に最初に入った会社を退職するタイミングで結婚して、結婚の費用やら車を買ったりで、それまでに運用してた投信を全部解約して貯金がスッカラになりました。で、2002年から、稼いだお金の中で余裕のあるお金は全部投資にまわしてきました。と言っても私は金遣いがかなり荒いので、大した金額にはなってませんが・・・Orz ともかく2002年からこれまでの4年間、日本株中心のポートフォリオを組んできました。この間、日本株は10年に一度の上げ相場で、TOPIXはこの4年間でちょうど倍になりました。だったので、結果的には日本株を多めにポートフォリオを組んでいて正解でした。で、今。私は徐々に日本株の比率を下げて、BRICsの比率を上げています。

こないだのイギリスの出張の時の衝撃的な体験(詳しくはこちらhttp://jovivi.seesaa.net/article/28229562.html)もそうなんですが、日本の失われた10年、15年を痛感させられることが多くて、こりゃいかんな・・・と思って少しずつ比率を変えてきてます。みなさん、今、日本はどういう状態にあると思いますか?ちょっと下のヘンテコな図を見てみてください。

JP1.jpg

これは財務省のHP(http://www.mof.go.jp/)から拾ってきた「財政収支の国際比較(対GDP比)」の図の一部です。財政収支というのは国と地方自治体のお金の出入りの合計で、国や自治体の予算の合計だと思ってください。税金として入ってきたお金で、社会保障をしたり、ろくでもない公共工事をしてみたり、いらないものを作ったり、1月から3月の間東京の渋滞を発生させる予算消化のための道路ほじくり返し工事をしてみたり、豪華な公務員住宅を作ったりして、お金を使う、その収支です。多くの先進国で、現在、この財政収支が赤字、つまり税金で入ってくるお金よりも、支出するお金の方が多くなって、「財政赤字」となっています。この赤字の金額が、その国のGDPと比べてどのくらいの大きさか、を比較したのがさきほどのヘンテコな図です。日本は先進国の中でも国の赤字の幅が小さく、イタリアは非常に悪い状態、になってます。イタリアって財政状態の悪い国の代名詞・・・と、実はこのヘンテコな図は下の図の一部です。

JP2.jpg

これは1992年から現在までの推移を示したグラフです。みなさんの頭の中の日本のイメージ、1992年くらいで止まっていませんか?日本はまぁまぁイケてて、イタリアの財政状態が悪い、その後日本の状態はちょっと悪くなってる、くらいの理解の方が多いのではないでしょうか。日本はこの10年ちょっとの間に、とんでもない失敗を繰り返し、国と地方の財政状態は、財務省がグラフの上の四角囲みの中でも明言しているように(あんたらのせいじゃないのか?)、「先進国の中でも最悪の水準」」に落ち込み、改善したイタリアよりもずっと下の水準にあります。まず、日本はみなさんがイメージしている状態よりずっと悪い状態にある、この10年ちょっとの間に日本の財政状態は物凄く悪化した、ということをここで覚えておいてください。

ちなみに他の先進国はどこも必死に財政収支改善のための取り組みをしています(各国の取り組みについてはこちらhttp://www.mof.go.jp/jouhou/syukei/sy014/sy014u.htm)。毎年、税金による収入よりも多くのお金を使ってしまい、赤字を垂れ流し、それが借金として積みあがる。その積みあがった借金の残高を先進国の中で比較してみますと、こんな感じ(同じく財務省のHPhttp://www.mof.go.jp/より)。

JP3.jpg

財務省がグラフを掲示して、わざわざ「日本は急速に悪化しており、主要先進国中最悪」と言ってくださってるように(ホントになんでこんなに他人事のように言えるのか不思議・・・)、最悪です。これは借金の金額がGDPの何%くらいに当たるか、というのを比べたものです。日本の政府の債務残高はGDPの160%以上、ひどい水準です。先程の図で、財政収支の赤字幅が日本と同じくらいひどい水準にあった、アメリカですら、借金の残高はGDPの65%以下です。日本のGDPは500兆円くらいです。GDPというのは、国内で生み出された付加価値の総額、というのが教科書の定義です。わかりにくいですよね・・・これって市場で取引された財やサービスの合計金額です。なので、日本の国内にいるみんなが企業活動や個人事業活動を通じて稼いだ金額の合計、って置き換えて考えるとイメージしやすいです。この金額が500兆円でこの中から、国は税金を取り、お金を使います。一般会計だけでも国の支出は80兆円、そのうち国の税収額は50兆円で、残りの30兆円は新たに借りる借金でまかなっています(この30兆円というのが新聞とかに出てる30兆円の赤字国債、ってやつです)。500兆円の中から50兆円もらってるのに、80兆円使って、毎年30兆円の借金を増やしてる、ってことです。この借金が積み上がって、600兆円くらいになっていて、これが国の借金。これに地方自治体(県とか府とかね)の借金を加えると800兆円・・・800÷500で1.6。これがGDP比160%を超える日本の借金です。

ちなみに、日本はEU加盟の条件を満たしていません。当たり前じゃないか、ヨーロッパの国じゃないんだから・・・ということでなくって、今、東ヨーロッパの国々がEUに加盟しようと国の改革を進め、EU加盟のための条件を満たそうとがんばっています。一生懸命の経済を発展させて、なんとかEUに加盟のための条件を満たす、ガンバレーと応援したくなりますが、EU加盟のための条件というのは、マーストリヒト条約というので決まっていて、その条件の中に、政府の財政赤字がGDPの3%以下、政府の債務残高がGDPの60%以下、という条件があります。財政赤字がGDP比5.6%、債務残高がGDPの160.5%の日本はこの基準から大きく外れてます。そんな日本に暮らす私が東ヨーロッパの国の経済成長が順調にすすんで、はやくEUに加盟できますように!とか応援してる場合じゃないです。笑い話です・・・なんでこんな借金大国になっちゃったんでしょうね。GDP比160%の借金背負って、毎年GDPの5%以上の赤字出してる、にも関わらず全く改革が進まないのってどういうことなんでしょう。

それに、国と地方はGDP使って使って借金を返済できるわけじゃないですからね・・・GDPの中から一部を税金としてもらって、その税収よりも少ない金額の支出に抑えて、余ったお金で少しずつ返済するしかないんです。それなのに、毎年、税収よりも30兆円も多く使っている。何にそんなにお金を使ってるんでしょう?一般会計の内訳はこちら(http://www.mof.go.jp/zaisei/con_02_g01.html)をご覧いただければわかりますが、国の支出の25%は社会保障費、10%が公共事業費、18%が地方交付税交付金、23%が国債費、です。後ろの2つがピンとこないですよね。地方交付税交付金というのは、地方自治体の格差を調整するためのお金、つまり地方自治体にあげてるお金です。そして国債費というのは、「借金の利払い」です。是非わかりやすく「借金の利払い費」と呼び名を変えていただきたいですね。国と地方の借金を返すのは国でも地方でも公務員でもありません。私たち全員です。私たちは将来の負担として既に負ってしまっているのです。この負担率は世代毎に違います。1943年以前に生まれた方は生涯で4875万円のプラスですが、1975年生まれの私はマイナス1660万円、つまりこの金額を負担することになります(詳しくはこちらhttp://www.mof.go.jp/zaisei/con_05_g04.html)。これは現時点での話なので、この金額はもちろん今後も増えます。今の状態で減ることなど考えられませんから。どうすればいいかって支出を減らすのが一番の対策です。公共事業を減らすことと、人件費を減らすこと、で大分違ってくるんですけどね・・・公務員の給与の算出方法の異常さはこちらの記事(http://jovivi.seesaa.net/article/26325069.html)でも書きました。国税庁が調べた民間の平均給与が400万ちょっとなのに、公務員の給料を決める人事院の調査によると民間の平均給与は626万円で、公務員給与の平均が626万円になるように計算してくださってるそうです。ヴァッカじゃねぇの?そういうわけで年収900万円とかの給食のおばちゃんとか清掃員とかが生まれちゃうわけです。公務員の給与水準の高さの異常さもさることながら、カラ出張や身内の飲み会代などの馬鹿げた経費も凄まじいですし、公務員の数自体も異常です。この国には現在、地方公務員308万人、国家公務員94万人の400万人を超える公務員がいます。その内訳と人件費合計、一人当たり人件費は以下の通りです。

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・・・もうコメントのしようがないですね・・・人事院の平均給与基準の626万円ってどこに用いられてるんでしょうか・・・ひょっとして基本給だけ?あるいは人数で加重平均?100万歩譲って、優秀な人材を集めるために高水準の給与を払う必要があるとしても、せめて人数減らしなさいよ、って感じですね。ちなみにデータは財政制度審議会のデータによるものです。国家公務員だけで8兆円、公務員全体で77兆円ですよ・・・GDPで500兆円しかないのに。道路作るお金とか社会保障とかはまた別ですからね。で、こうした恩恵にあずかる官僚や国会議員が政策を決め、国を運営してるわけですから、早々に借金が返せるなどとは期待しにくいような気がします。

で、日本はこういう財政状態にあり、しかも少子高齢化が進む、これで今後大きな経済成長が進むとは到底思えないのです。

前回の記事(http://jovivi.seesaa.net/article/32807342.html)でも書きましたが、国が大きな経済成長を遂げるには、「現在の経済状態・経済規模」「国土の大きさ・資源の豊富さ」「人口の多さ」の3つの条件があります。日本は国土は狭いながらも、巨大な経済規模と人口の多さ、の2つの条件を具備していたこともあり、これまで大きな発展を遂げてきました。しかし、国土が狭く、鉱物資源・エネルギー資源・食料資源などのほとんどを輸入に頼らざるを得ない日本が、経済を活性化させるために充分な投資を国が行うための国の財源が非常に乏しく、むしろその財政状態は劣悪で、構造的な大きな問題を抱えている、おまけに世界第9位を誇り1億3000万近くいた人口がどんどん減少し、将来的には8,000万人なんて数字まで見えてきていて、その構成も超高齢化しており、労働人口の中心となる若年層が急激に少なくなっている、これではとても大きな経済成長を期待できません。というような理由で私は日本株の比率を少しずつ下げてきています。次回はその下げた分をBRICsなどの新興国にシフトさせた理由についてお話ししたいと思います。


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posted by ジョン太郎 at 14:14| Comment(0) | TrackBack(0) | ジョン太郎のマメ知識 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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