2007年01月18日

運用・投信でよくある疑問B〜投信はダメなのか?<3>〜

運用とか投資信託について、よくある疑問やよくある間違いについてのお話の第3回目です。今回は第1回(http://jovivi.seesaa.net/article/31332132.html)第2回(http://jovivi.seesaa.net/article/31426007.html)の続きです。
第1回の記事の、投信がダメだと言う人や雑誌などの記事で言われている「ダメ」な理由について、のBについてです。
@手数料が高い
A販売している銀行や証券会社だけが儲かる
B損をする・元本割れをする
C投信のファンドマネージャーは運用がヘタだ
D毎月分配型は悪だ・無駄だ

B損をする・元本割れをする
よく、投資信託は損するからダメ、手数料ばっかりとられてダメ、絶対に損する、という話を聞きます。そんなこたぁないです。投信は絶対に儲かるってことはあり得ませんが、絶対に損をするってこともあり得ません。かといって儲かるかどうかわからないバクチみたいなものかって言うとそんなこともありません。じゃあ何なのさ、って言うと投信には基本的なコンセプトってのがあって、本当はこれを説明資料とかに書けばいいんじゃないかと思うですが、なかなか難しいでしょうね・・・

下の図を見てください。

BASE.jpg

まず図1。投信を買う時にこういうグラフになることを期待して、あるいはこういうグラフになると思って投信を買うのは間違いです。自覚の有無は別として、投信は必ず損をする、と言う人の多くがこのグラフを頭の中に持っています。私の周りでそう言う人の頭の中には必ずありました。意識してない人が多いですが。投信でこのグラフは原則としてあり得ません。原則として・・・ってのがいかにも金融チックですが、投信に絶対はないのです。ひょっとすると、そういう設計でなくっても結果的にこんなグラフになっちゃうこともあるかもしれませんから。あとはMMFとかね・・・傾きがこんなではありませんが・・・

これって、投資信託ではないんです。日本で日本円を持ってる人このグラフを期待した場合に期待できるリターンは何%かっていうと、期間にもよりますが、1年だったら0.3%くらい、10年だったら0.8%くらいです。銀行の定期預金ですね。国債は?って言われるかもしれますが、国債の値段は変動します。満期まで持ったら額面の金額を返してくれますが、途中で換金する場合価格は一定ではありません(一般的には金利が上がると下がり、金利が下がると上がります。)。つまり右肩上がりでいつ換金しても決して下ブレしない図1のようなグラフにはなりません。この場合、ちょっとリスクをとることになり、現在そのリスクをとった場合リターンは銀行の10年定期と比べて高くなり、1.7%くらいになります。リスクをとればとった分、期待できるリターンは上がる傾向にあります。ローリスク・ローリターン、ハイリスク・ハイリターンというやつですね。そしてこの原則とはうまく付き合う方法があります。ここで詳しい説明は省きますが、長期投資と分散投資です(詳しくはこちらhttp://jovivi.seesaa.net/article/17902378.html)。

投資信託というのは図2のようなグラフを期待して、あるいは想定して、設計されています。ただし、図1のようにならない、ということは理解していてせっかく図2のようなものを頭に思い浮かべている人の中にも、どうも現実とギャップが生まれてしまう人がいます。それはなぜかというと、時間です。上のグラフは2つとも横軸に時間(つまり時間の経過とともに右へ)、縦軸にリターン(上に行くほど儲かっている)をとっています。ところがこの横幅を1年で考えるか10年で考えるかでだいぶ感覚がかわってきます。もし仮に自分の買った投資信託のグラフを書いたら図2みたいになって、このグラフの横幅が1年くらいだったら、そこそこ満足のいく1年でしょう。ところがこのグラフの幅が10年だったとしたら最初の1年はすごくつらい1年だったことでしょう。買っていきなり、ガンガン下落。つらいですね。投資信託ってのは中長期での運用を前提に作られています。最低でも横幅は3年以上で考えなくてはいけませんし、できれば5年以上で考えるべきです。途中で上げ下げはあっても、5年10年15年と運用していくことで、図2の青い点線のように全体的な傾きが右上方向へ向かうことに期待して投資信託は設計されています。当然その期間より短い1ヶ月とか1年であれば、下がりっぱなし、なんてこともあります。買ったとたんにずーっと下がって・・・という人は横軸の幅を短く考えすぎです。もちろん、2000年前後に日本株を買ってスタートした人とか、5年以上下がりっぱなしの人とかもいると思いますが、中長期で見れば、期間を長くすれば長くするだけ実際のリターンは過去の平均リターン、投信を設計する時に前提になっているリターンに近づきます(という話について詳しくはこちらhttp://jovivi.seesaa.net/article/21683836.htmlとこちらhttp://jovivi.seesaa.net/article/22452954.html)。私は30年以上で考えてます。せっかく手数料払って人任せにするんだから、10年でも20年でも30年でもお金が必要になるまでずっと、と思ってます。

あと、図2で、もう1つ。今もしCの地点にいるとしたら、Aの時に買った人とBの時に買った人では全然状況がちがいます。Bの人は損してますし、Aの人は儲かっています。投信はこれが普通ですし、これが公平な状態です。じゃあ今が高いのか安いのか、しっかり判断しなきゃいけないかって言うとそんなことはなくって、Bの人もAの人と同じくらいの時間をかければ、Aの人と同じくらいの青色線のような傾きを期待できます。だから、本当はあまり投資するタイミングを考える必要はありません。思い立ったが吉日で始めたらいいと思います。そんないい加減な!って思うかもしれませんが、じゃあベストなタイミングを選ぶことが簡単にできるかって言うと、めちゃくちゃ難しいです。少なくとも私には無理ですね。くだらないかもしれませんし、馬鹿馬鹿しく聞こえるかもしれませんが、実はこれは投資の大原則ですし、絶対に忘れてはいけないことです。

BASE2.jpg

そうは言っても、私は図1でいいや、と思うかもしれませんが、もし仮にスタート地点を100万円として、横幅が5年として、仮に110万円になったとしましょう。図3を見てください。スタート地点で、100万円で投信を買うか車を買うかで迷っていた車の価格が緑の線だったとして、これでも元本割れしなかったことになるでしょうか?あの時買おうと思ってた車の値段はインフレの影響で130万円になっている、その時に元本とお利息で110万円です!元本割れなくってよかったですね!って言われたらちょっとムカっときませんか?私が子供の頃は100円でジュースが買えましたが、その時ジュースをガマンして、庭に100円玉を埋めていて、今取り出したら残念ながらジュースを買うことはできません。貯金をしていた場合はいくらになっていたんでしょう?これまでずっとデフレが続いていたのでみんなインフレの怖さを忘れてしまいますが、インフレほど怖いものはありません。資産運用が必要なのはただ単に儲けようとか、資産を増やそうとかってことだけではなくって、今使わないお金の価値を目減りさせない、今のお金の価値を失わせない、というインフレ対策の意味もあります。(インフレの話はこの記事とかhttp://jovivi.seesaa.net/article/11504874.html、この記事http://jovivi.seesaa.net/article/12664637.html、で。)

日本のインフレ率は今後高くなっていくと私は思います。また、地球上の様々な国の相互関係や相互作用がますます強まっていく今後の世界では、他国のインフレに引きずられる形でのインフレも増えていくと思います。(そのあたりの話はこちらで。http://jovivi.seesaa.net/article/28229562.html)インフレ対策、自分のお金を減らさないための運用、今使わないお金の価値を減らさずに将来にとっておくための運用、の必要性は今後ますます大きくなっていくでしょう。

日本株への投資は国内のインフレ対策として有効ですし、新興国の成長が日本の現在の地位を下げて私たちのお金の価値を減らすことに備えるには新興国株に投資しておくことが有効です。その際、ローソク足やチャートを覚えなくっても、銘柄選びを必死にしなくっても、株の知識を必死に身につけなくっても、買った後にも血眼になって何十年も市場を見続けなくっても、日本株や新興国株への投資を気軽に始められる投資信託の存在は大変価値のあるものです。投資信託は中長期的にインフレに勝てる資産への投資や、日本人のお金の価値を減らさないための海外への投資、をカンタンに安心してできるように設計されています。ただ、それは短期的に、買って1ヶ月とか3ヶ月で儲けがでるように設計されているわけではなく、あくまで5年10年15年と運用していくことを前提に設計されているのです。

投資信託は、過去のいろいろな市場の実績をたくさん研究して、その平均リターンなどを基に設計されます。この平均リターンの通りの実績を期待するには、実際の運用も過去の平均に近づけるためには、どうすればいいか。それは時間を長くとることが大切なのです。サイコロを3回しか振らないのであれば6が連続3回出続けることもあるかもしれません。しかし、サイコロを200億回振ったのなら、6の出る確率は限りなく1/6に近くなります。平均とはそういうものです。過去の平均に、現実を近づけるためには、充分に長い期間をとることです。短い期間で、投資信託で損をした、買っていきなり損をした、と言うのはサイコロを3回しか振っていないのに、1/6の確率のはずの1が2回連続で出たぞ!どういうことだ!と文句を言うのと同じことです。

一部の例外を除いて投資信託というのは短期売買のために設計されているものではありません。短期売買で連勝を続けた場合の資産の増えるスピードは凄まじいですが、運用の基本中の基本である中長期投資と、こうした短期売買はコンセプトも根底にある考え方も全く違います。短期売買は一般に「投機」と呼ばれ、「機会に乗じて資産を増やす」という意味であり、投資というのは「放っておいて資産を増やす」ものです。投機の場合、例えば30歳の人が70歳まで生きるとしたら、40年間運用をしていくことになりますが、その間に短期の売買を繰り返して利益を積み上げていくことになり、1年に1回の売買でも40回、半年に1回であれば80回、の売買を行うことになります。30回連続で勝ち続けたとしても31回目の負けでそれまでの勝ち分全てが吹き飛ぶこともあります。

一方の投資というのは、過去の平均から見て中長期的に成長の見込める資産にお金を投じて10年、20年、30年、40年という長い期間をかけて育てていくものです。また、中長期投資をすることで過去の平均値に近い運用実績を期待できるようになるのです。投資信託はこうしたコンセプトに基づいて設計されています。充分な時間をあげればあげるほど、投資信託は設計段階の想定に近づいていってくれます。

投資信託は投機のためのものではなく、投資のためのものです。中長期運用が基本です。


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posted by ジョン太郎 at 23:28| Comment(0) | TrackBack(0) | ジョン太郎のマメ知識 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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