2007年01月13日

運用・投信でよくある疑問@〜投信はダメなのか?<1>〜

今回からしばらく、運用とか投資信託について、よくある疑問やよくある間違いについてお話ししたいと思います。第1回目の今日は、「投信はダメなものなのか?」です。「投信はダメだ!」「投信なんか買ってはいけない」と言う人は結構います。また、ビジネス誌とかでも、騙されるな!とかって特集が組まれてたりします(中身は見識を疑うような記事がとても多いですが・・・)。でも、私はそうは思いません。投資信託はとても優れた仕組みを持つ商品だと思っています。(そもそも投資信託って何?どういう仕組み?って方はこちらの記事をどうぞ。http://jovivi.seesaa.net/article/11660204.html

投信がダメだと言う人や雑誌などの記事で言われている「ダメ」な理由は大体次のようなものです。
@手数料が高い
A販売している銀行や証券会社だけが儲かる
B損をする・元本割れをする
C投信のファンドマネージャーは運用がヘタだ
D毎月分配型は悪だ・無駄だ
個人が掲示板とかブログとかで投信がダメな理由としてあげてるもの、雑誌や解説サイトでとかでFPの人とか記者が言ってること、はこんな感じです。投信にも欠点がありますし、今世の中に存在しているファンドが良いファンドばかりではなかったり、すごく昔に作った現在の事情に合わない商品が売られていたり、というようなことはありますが、投信というのはそんなにダメなものじゃありません。

「投信は買ったらダメなの?」という疑問にお答えします。
私は買っていいと思いますし、私も買っています。なぜならとても良い仕組みだと思うから。投信は次のような点で優れています。(さっきの@〜Dについては次回お話しします。まずは私が投信は優れていると思う点を。)

◆少額から投資できる、少額でも分散投資できる
これは大事なことです。10万円で世界中のいろんな資産に分散しようとしたって普通は無理です。国内の株式で何銘柄か買う程度しかできないです。でも、投資信託なら10万円で、なんなら1万円でも、日本株の50銘柄、アメリカの債券の10銘柄、イギリスの債券の5銘柄、フランスの株の20銘柄、オーストラリアのREITに3銘柄・・・に分散投資することも可能です。もちろんそこまで分散しなくてもいいですが、それはどのファンドを選ぶかで、いくらでも選択肢があります。

◆プロが運用する・自分の代わりに他の人がやってくれる
下手なプロも多い!とか言う人も多いですが、そうなのかもしれません。でも、私は金融の世界で長いこと仕事をしてますし、それなりにマーケットのことも知ってるつもりですし、毎日いろんな市場を見ていますが、プロに任せてます。一からローソク足の見方を覚えて、いろんな言葉を覚えて、各市場のことを調べて、良い銘柄を見つけて、買ったあともずーっとその銘柄のことを見守り続けて、売るタイミングを市場が開いている時間見続けて・・・ちょっと忙しくて見てない時とか旅行に行ってる間とか病気で寝てる間に悪いニュースが出て暴落して売り時逃したらどうしようって心配して・・・って大変なことです。投資信託ならそれをプロがやってくれます。日本株なら私も自分で運用できるかもしれませんが、とても30年とか40年間毎日見続ける気力はありません。また、日本株以外の選択肢も容易に選べます。BRICsの株に投資してみようとか、ヨーロッパの債券にしてみようとか、オーストラリアのREITにしてみようとか、を簡単に実現できます。その市場の仕組みを勉強して、売買できるルートを探して確保して、良い銘柄を見つけて、情報の取りにくいマーケットのことを一生懸命調べて、それを毎日続けて、それを長い間やっていく・・・なんてことをしなくても、例えばBRICsの株に投資する投資信託を買っておけば、その国のマーケットをよく知っていて、毎日市場を見ているプロがそれを代わりにやってくれます。自分でやる場合、実際の選択肢は日本株・アメリカ株・中国株・先進国の債券、くらいじゃないでしょうか。私は日本、アメリカ、イギリス、フランス、ドイツ、スペイン、イタリア、スイス、ベルギー、ノルウェー、スウェーデン、フィンランド、ギリシャ、ロシア、インド、タイ、インドネシア、マレーシア、シンガポール、香港、中国、台湾、韓国、オーストラリア、ブラジル、の株式市場に投資してますし、今後30年とか40年運用をしていきますが、全然大変じゃありません。それらの市場の良い銘柄をほとんど知りませんし、普段見ようとも思っていません。人まかせじゃないと長期間の運用って大変ですしね・・・どこの国のどの市場に投資するかって大事な大枠の判断だけ自分でして、個々の銘柄のどれを買ってどれを売るかとかそういうのは人任せにしたほうが長期の運用は楽です。

◆海外市場にもカンタンに投資できる
アメリカや中国の株式市場にはいくつかの証券会社から投資可能です。でも人気のインドの株式市場などはそもそも外国人に株式市場を開放していませんし、私たちがアクセスできない市場は世界中にたくさんあります。債券は、オーストラリアの国債を買えるし、アメリカの社債を買ったりもできる、のは確かですが、ごくごく限られた一部の銘柄しか選択肢にありません。しかも情報は限られています。少ない金額では分散もままなりません。インド株ファンドの申し込み用紙を書くだけでいきなりインド株に投資ができるようになって、インドの企業を1社も知らなくってもプロが選んだ銘柄50社とかに1万円でも分散投資ができて、しかもほったらかしといてもある銘柄を売る必要があればちゃんと売っておいてくれて、それをずっと自分の代わりにやっておいてくれる、のが投信です。投資信託ならカンタンに海外の市場に投資できます。とても幅広い選択肢を持つことができます。日本だけで充分と思うかもしれません。私は結構以前から海外市場にも投資してましたが、結構抵抗ある人が多いし、友達に聞かれてもとりあえず日本株から始めたら?と言ってました。このブログでもとりあえず日本株、と言ってきました。でも、私も考え方を変えつつあります。日本だけでは充分ではないと今は考えています。特に先日イギリスに出張に行った時に衝撃を味わってから(その時の衝撃の記事はこちらhttp://jovivi.seesaa.net/article/28229562.html)は強くそう思います。海外にも投資する、という選択を取るかどうかはもちろん人それぞれですが、投資信託という仕組みのおかげで選択肢を持つこと可能になっています。投資しようと思えば投資できるわけです。投信がなくなってしまったら手軽に海外に投資する手段がなくなってしまいますし、投資できる国や市場の数が極端に少なくなってしまいます。

◆金融機関の破綻に強い
預金というのは元本保証ですが、あくまで1金融機関あたり1000万円までです。私にはそれでも充分ですが、もし宝くじで同時に3億円が3本あたって9億円もいきなり私のフトコロに入ってきちゃったら(妄想です。スイマセン。)、90の金融機関に分けるのは大変なことです。投資信託は預金と違って元本保証はありません。でも金融機関の破綻には強いです。例えばある銀行に5000万円預金していた場合に、その銀行が潰れたら1000万円は必ず返ってきますが、残りの4000万円分は返って来る保証はありません。ペイオフって言葉を聞いたことがあると思いますが、例えばA銀行が10人の人から1億円ずつ預金を預かっていたとします。銀行から見ればこれは借金ですから、簿記で言うとBSの右っかわに当たります(簿記がわかんなくっても大丈夫です。要は借金だということです。簿記についてちょっと知りたいと思ったらこちらの記事で簿記の基礎を解説してます。http://jovivi.seesaa.net/article/18484924.html)。この10億円を銀行は融資をしたりして運用します。全部まるまる融資したとして10億円の価値のある借金の証書ができました。ところが貸した会社のほとんどが潰れてしまい、10億円が100万円になり、この銀行はつぶれました。この時、どうするか、まず100万円を10人の人に返します。一人10万です。1億預けたのに。このとき、預金保険機構に加盟している銀行であれば、1000万円に足りない残りの990万円を預金保険機構が補ってくれて1000万円が返って来ます。もちろん残りの9000万円は失います。銀行が破綻する時というのは普通、手元にあるお金より借金のほうが多くなって破綻するわけですから、手元にあるだけ全部返してそれが1000万円に届いてなければ預金保険機構が補ってそれで終わり、です。投資信託は@銀行などの販売会社、A運用会社、B信託銀行などの受託会社、の3社によって作られていますが、仮にこの3社が一斉に潰れてしまっても資産は守られます。もちろん元本保証ではなく、資産の価値は時価で毎日変動しますが、その時の時価で資産はちゃんと返ってきます。預金は銀行が自分のおサイフに入れてよいことになっていて、このおサイフからお金を取り出して融資をします。倒産した時におサイフのお金がすっからだったらゴメンナサイ。お返しするのは1000万円だけ。でも、投信は銀行で買ったとしても、銀行のおサイフには入りません。銀行から運用会社に飛んで行ってそのままスルーして受託会社である信託銀行に飛んでいって、そこでも信託銀行のおサイフには入りません。信託銀行というのは信託勘定という自分のおサイフとは別のおサイフを持っていますので、自分のおサイフじゃないほうのサイフに投資信託のお金を入れます。だから信託銀行が破綻した場合でも守られます。

◆ルールがきちんと整備されている・情報開示のレベルが高い
これは実は当たり前のことではなく、とても大事なことです。投資信託はすごく厳しい法律で細かいところまで規定されており、それをはみ出すことはできません。情報の開示も大変厳しく求められています。今いくらになっているのか、は毎日公開されています(ヘッジファンドなどでは1ヶ月に1回とか数ヶ月に1回なんてのも普通です)。ファンドの中身を決算して監査を受けてその状態を説明書にして投資家に送ることも義務付けられています。1週間に1回あるいは1ヶ月に1回運用レポートを作って発表するのが普通になっているほどです。ファンドの設計についても自由に作れるわけではなく、投資家を守るために定められたルールの中でしか商品を作ることができない。おまけに勧誘方法や広告の方法などまで物凄く細かく規定されていて、それらはただひたすらに投資家保護のためのものばかりです。

ビジネス雑誌とかインテリぶってる雑誌とかが、投信なんてろくでもない、みんな騙されんな!と言ってる記事の内容にはただ単に勘違いをしてるだけのものや批判として妥当なものもごちゃまぜに含まれています。でも、私が問題だなと思うのは、投信はダメだ!って記事をやっておきながら、ゲームファンドとかホテルファンドの実態!こんなひっそりやってる隠れたファンドがこんなに高い実績出してるんだよ!って記事を出すことです。普通に定期的に読んでる人は、投信はダメだ、ホテルファンドはいい、と続けて読んで、じゃあホテルにすっかとなってしまいかねません。これは比べられるようなものじゃありません。ホテルファンドやREIT以外の不動産ファンド、商品ファンド、ゲームファンド、映画ファンド、アイドルファンド、の類はほぼ全て商法や民法にある「匿名組合」か「任意組合」の形で作られています(もちろんこれらにも当てはまらない非合法なものや出資法違反なものまで存在してます)。

現在国内には5000本くらいの投資信託が存在していますが、それらは全て同じルールに基づいた商品です。ところが、先程あげたようなものは、割とちゃんとしたものから、商品によっては非合法なものまで含まれており、ちゃんとしたものかどうか調べることすら難しかったり、自分が投資しようとする商品がどう規定されているのかすら、わからなかったりします。判断がとても難しいのです。ジョン太郎も匿名組合型とか任意組合型の商品を作ったことがあります。でもそれはジョン太郎が勤めてた会社といくつかのパートナー企業が何社かで一緒に投資するための仕組みで、各社の代表で話し合って合意して最初から作ったものです。だから1社が持ち逃げしたり、ズルしたりしないように厳しいルールを自分達で作りますし、情報開示のレベルや頻度も自分達にとって必要な程度やるように規定して作ります。でも世の中に存在している匿名組合や任意組合はみなさんの要求を満たすように作られたわけではありません。だってそんなルールないですし、そんな義務もないですから。

そもそも匿名組合や任意組合は、規定している法律の条文も数百文字程度しかありません。最初作る時に調べてびっくりしたのですが、え?これだけ?という感じです。投資信託は物凄い量の法律で規定されていて法律が何百条もあるのに、です。先程あげたような商品に投資することを考えていらっしゃる方のために言っておきますと、世の中にたくさんのファンドとか投資商品が存在していますが、まず投資するものが「有価証券」なのか有価証券でないのかを調べてみるのが手っ取り早いです。「有価証券」であれば、それは証券取引法に基づいていますので、その時点で証券取引法という厳しいルールに基づいて作られているということがわかります。そうでない場合、おそらくは匿名組合型か任意組合型のものだと思いますが、そのどちらかであるか、あるいはどちらでもないか、が分かったところではまだ何もわからないので、個別の商品の中身をよく調べる必要があります。割とカンタンなチェックポイントは、まず【元本保証】と言っているかどうか。元本保証と言っていたらいきなりアウトです。その商品は非合法商品です。預貯金以外の商品は【元本保証】を謳うことはできません。出資法違反の商品です。あとは、企画した人が持ち逃げできない仕組みになっていないかとか、ちゃんとした会社が企画した商品かとか、どの程度の頻度で解約できるのかとか、価格はどのくらいの頻度で発表されるのかとか、ちゃんと毎年決算をして鑑査を受けるのかとか、関係している会社の1社が倒産した場合にどうなるのか、とかを調べればよろしいかと思います。

投資信託がわりと安心して選べるのは、投資信託は証券取引法に基づいた有価証券だからです。私だったら投資信託であれば何も法律を調べずに買えますが、投資信託以外なら法律から契約書から何から何まで物凄く調べないと投資できません。また、普通の人は投資信託を買うときに証券取引法を調べたりはしません。そのとき調べなくても調べようと思えば簡単に調べられますしね。っていうような、割と投資家にとって信頼できる仕組みの投資信託の存在を否定しといて、ホテルファンドやゲームファンドは凄い!って言ってしまうビジネス誌とかって本当に見識を疑います。投資信託は全部同じルールに基づいてるから「投資信託」とひとくくりにできますが、ホテルファンドと言ったらちゃんとしたものから非合法なものまで存在してるわけですからひとくくりにできません。1つずつの商品で全然違います。ちゃんとしたものからちゃんとしてないものまで存在してます。投信はダメだ!と言われまくって運用会社が投信を作らなくなり、投信が無くなったら私はとても困ります。いちいち法律や個々の商品のルールを物凄い時間をかけて調べないといけなくなりますから。

投信はダメだと言うのはカンタンですが、投信より優れた仕組みの商品を探すのは大変です。少なくとも私は知りません。投信をより良いものにしようと批判しているビジネス誌は結構なことだと思いますが、投信はダメだと否定するのであれば、代わりになるものを教えてほしいものです。

投信はダメだ、あなたはダマされてる、あんなものはろくでもない、というような話を聞いたり、雑誌の記事を読んだり、した方の不安解消に今回の記事がなったらいいなと思います。投資信託は、少なくとも私にとっては非常に便利で優れた仕組みの商品です。

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posted by ジョン太郎 at 12:13| Comment(1) | TrackBack(0) | ジョン太郎のマメ知識 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
いつも参考にさせていただいております。分配型に否定的な事をいわれる方が多いですが私は気にいっております。日米リートを持っていますが、怖い位の分配金です。アメリカのリート市場はもうダメかもなんて言われているようですがどうなんでしょうか?無理して分配金を出しているのでしょうか?
Posted by みち at 2007年01月13日 19:51
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