2012年12月22日

2012年と2013年

早いもので間もなく2012年も終わりですね。

今年はブログ更新のペースが思い切り落ちてしまいました。ブログをお読みくださっている方々には本当に申し訳ないと思っております。すみません。

実はちょっとしたご報告がありまして、私は初老を前にして初めて人の親になりました。本人が一番驚いています。この歳になって初めて人の親になってみて、こんなにも人間の価値観というものは変わるものかとこれまた大変驚いています。私の物事の考え方や時間の使い方、優先順位などは親になったことで一気に大きく変わりました。これをブログ更新頻度の低下の言い訳にするつもりはないのですが、その影響が少なからずあることも事実だと思います。

この国の将来や世界の行く末についての見方もこれまでと変わり、「自分の子がこれから生きていく国」「自分の子がこれから生きていく世界」だと思うと、全くの別物として見えてきます。もちろん、子供は日本に住み続ける必要はなく、本人の意思でどこでも好きなところで健やかに生きていってくれればいいのですが、もし自分が生まれ育った日本で暮らしていくことを本人が選んだ場合のことを考えると、相当なたくましさを身につける必要があるだろうなと強く思います。我が子がこれからの時代を生きて抜いていくために、これからの世界を生きていくために、この国に住み続けることを選んだ場合に備え、親として何を伝えなくてはいけないのか、何を与えなくてはいけないのか、そんなことをよく考えるようになりました。

今後はこのブログでもそんなことも交えながらお話ししていきたいなと考えているのですが、いかんせんなかなか時間がとれず・・・2012年も年の瀬となってしまいました。

2012年の私の印象は「先送り」といったところでしょうか。

予定通りのものも予定外のものもありましたが、世界の三大経済大国である日米中で政権交代がありました。いろいろな見方があると思いますが、私の印象としては米中の今回の政権交代はあまり大きな変革期待の持てるものとしては映りませんでした。少なくとも、新政権で一気に・・・という感じではなかったです。連載中のマネックスのコラムではそのことを書きましたのでよろしければご参考まで(http://lounge.monex.co.jp/advance/sodan/2012/12/07.html)。

日本でも選挙がありましたが、まぁ予想通りと言えば予想通り、相変わらずと言えば相変わらず。「どこがやっても同じ」と言う人もいると思いますし、「どこにも入れたくない」という人もいると思いますが、@「とにかく今のままは嫌」「今の人たちを引きずり下ろしたい」という意味で与党以外に投票する、というのも1つの選挙への参加意義だと思いますし、A以前お話しした王様のずるっこ作戦を阻止するために選挙に行く、というのも1つの参加意義だと思います。王様のずるっこ作戦というのは、こんな話です。

あるところに国民が100人の国があり、選挙をやって過半数を得た人が王様になれる、選挙は国民のうちの半分以上の人が投票していれば有効、とする。この国では長らく、100人から税金として集めたお金を100人みんなのために使い、100人みんなに平等な利益のために使う、という運営をしていた。

ある時の王様が凄いことに気付いた。この国の投票率はいつも50%を少し上回る程度、みんな平和な世の中に安心し、「別に今のままでも何も困ってないし選挙に行かなくてもいいや」、「100人のうちの私1人くらいじゃ結果は変わらないしいいや」、「王様は誰がなっても一緒だからいいや」と考える人たちが増えたから。この時の王様は30人の人たちのためだけにお金を使うことを思いついた。選ばれた30人の人たちは超ハッピー、今まで100人のために使われていたお金が30人のところに集中するのだから。もちろんその30人は「次もこの王様に王様をやってほしい」と考える。今の王様が次回も王様になった時に、自分がまたその30人に入れるように、ちょっと王様に選挙資金をあげたり、「今の王様に次もやってもらいましょうよ!」とみんなに言ってまわったりする。

そしていざ選挙。選挙に行くのは100人のうち50人ちょっと。これで選挙は成立。選挙に行った50人のうちの30人は王様がお金の使い道を集中している30人。この30人の人達は当然ながら絶対に選挙に行く。それ以外の20人の中の数人は、お金を使ってもらっている30人の人たちに「あの王様はいい人だよ。みんなの幸せを考えてくれるいい王様だよ。」と言われて選挙に来た人たち。結果、選挙で投票された50票のうち過半数の35票をとった今の王様が次回も王様をやることになる。

もし100人のうちの90人が選挙に行ったのなら、王様の「少ない人数にお金を集めて強力なサポーターを作っちゃう作戦」は成立しない。お金をばらまいた30人とその人達が呼び込んだ+5人程度では過半数ラインの45人に届かないから。かと言ってばら撒く人数を30人以上に増やすとメリットが薄くなってしまいインセンティブが弱くなるし、絶対に次も今の王様が王様になるという自信がないと王様に選挙資金をあげたり、王様からもらった一部の利益を還元したり、サポーターを増やす活動なんてできない。

つまり、この王様の作戦は「半分近くの人は選挙に行かない」という前提と、「この作戦で次の選挙もちゃんと今の王様が勝ってまたおいしい思いができる」と30人の人たちに確信させること、で成立する作戦。

という話です。みんなが選挙に行くだけでこの王様のずるっこ作戦は通用しなくなります。

今回の選挙では自民党が大勝したわけですが、自民党も民主党もイヤだという人でも、少なくとも民主党にNOを突き付けたと考えると、だいぶ違った印象に見えるのではないでしょうか。

もちろん、成長戦略なしにインフレ目標だけ抱えるような政党がいいとは私も思いません。インフレは本来、経済が成長する過程で発生するものであり、成長もしないのにインフレ率だけ上がっても良いことはないでしょう。日本も今回の政権交代で大きな変革を期待するのは難しいかなと。日米中とも、「先送り」感の強い政権交代というのが私の印象です。

ヨーロッパの財政問題は「先送りに成功した」と言える年なんじゃないかなと思います。やっぱり2012年の私の印象は「先送り」です。

マーケットのほうは終わりよければ全て良し、ですかね。年の前半は割安にいろんな買い物ができたでしょうし、年の後半は円安に株高で日本の投資家にとっては良い感じの年末になりましたね。なのに2012年の投資信託の売れ筋は為替ヘッジものだったという相変わらずっぷり。77円に向かって円高になっていく過程では為替ヘッジをかけず、77円から84円になっていく時に為替ヘッジ付きのファンドがめちゃくちゃ売れるという様式美のようなお決まりのパターンです。77円から84円に向かっていく時に一番のブームになったのが為替ヘッジ付きファンド、というのは不思議な日本の投資家の歴史に新たな印象的な1ページを刻んだと言えるでしょう。なにせ今の45兆円程度の投信市場のうちの11兆円が豪ドルとレアル、11兆円がREITとHY債、そういう国ですから。

2013年も先進国では金融緩和が続き、そこで溢れたマネーが流れ込むところが好パフォーマンスを記録するのではないでしょうか。見方が大きく変わらない限り、2012年にパフォーマンスが良かったところが2013年も好パフォーマンスを記録する、みたいな感じですかね。いいと思われてるところにお金は流れ込み続けるのでしょうし。

となると、当然ながらスイス国債のように、お金が流れ込み過ぎて超割高水準で取引されるようなものも出てくるでしょうから、ここらへんには気を付けたいですね。今、お金が流れ込んでいる市場・国の多くが小さなところです。大きな市場・国がダメになっているわけですから。小さな市場に大きなお金が流れ込めば需給バランスが崩れ、価格はどんどん上がっていきます。もちろん割高になりながら。そして、最高に割高になる直前あたりでマネー雑誌などが特集を始めます。「今熱いのは●●」「急上昇している●●」「人気の●●」みたいなやつですね。ベトナムの時もそうでした。中東の時もそうでした。アフリカの時もそうでした。ロシアの時もそうでした。ブラジルの時もそうでした。マネートレインが小さな市場に停車して需給バランスが崩れて上がっているだけなのに、その価格上昇グラフを見せて「これからはベトナムの時代。ホラこのグラフ見て、実際に既にこんなに上がってきてます。早くしないと乗り遅れちゃうよ。」と言い、後付け理由を考えて「ベトナムは実はこんな国で成長要素がこんなにたくさんある。だからこんなに上がってる!」みたいなやつです。彼らの常套手段です。毎度毎度、その後マネートレインが次の駅に向けて出発し、市場は一気に下落し、マネー雑誌はその国の特集どころかその国の話題に触れることすら避け、次のマネートレイン停車駅の特集をやると。ずっとその繰り返しです。需給バランスが崩れて価格が上昇してるグラフを見せてホラホラこんなに上がってますよ、なんて言う人の話を信用してはいけません。そんな人たちに責任なんてとってもらえないですからね。

こんな感じが私の2012年の振り返りと2013年に向けての話です。
今年中にもう一度くらい更新したいものですが・・・更新できなかった場合に備えて・・・皆様良いお年を。今年も1年お世話になりました。ありがとうございます。
そしてこのブログはこの12月で7周年を迎えました。皆様のおかげです。本当にありがとうございます。



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posted by ジョン太郎 at 20:00| Comment(5) | TrackBack(0) | ジョン太郎のマメ知識 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
ジョン太郎さん、新しい家族が出来たことは本当に良かったですね。今後日本は低成長、増税時代に突入し豊かになることを実感しづらくなるので、幼少期より海外(東南アジア、インドなど)で生活できるようスキルを身につけるのも選択肢としてありかなと個人的には思いますけどね。前置きはさておきジョン太郎さんに質問ですが安部新政権で国債を大量増発することで長期金利が上がってくる等の話が最近出てきていますがどう思われます?今の国債への資金需要を考えれば金利が少しでも上がればうまい金融商品としてさらに資金が流入し金利は簡単に上がらないはず。また大口投資家である生保業界がソルベンシーUの導入に伴い資産のデューレーションを伸ばさざるを得ないので長期債は必然的に買われて当面は長期金利が上がることはないはずですけどね。
教科書的には1000兆円を超える借金を抱える国がさらに借金をすれば市場から見放されるとういう構図は分かるのですが市中に資金需要がない中、中銀が資金を金融機関にバラ撒けば国債に資金が回っていくのに気付いていないのでしょうか?
現役金融マンとしてどうお考えでしょうか?
Posted by 下町の投資家 at 2012年12月23日 12:17
下町の投資家さんへ
こんにちは。コメントありがとうございます。
日本の財政破綻論とか国債暴落&利回り急騰説もありますが、今の状態だと100兆円くらいの国債発行なら一瞬で飲み込んでしまうでしょうね。金融機関の自己資金運用をやっている方たちも日本国債のリスクを意識し始めていることは確かですが、それほど大きな動きにはまだ至っていないと思います。いずれ国債が消化できない日が来るのかもしれませんが、まぁすぐにという話ではないと思います。

私はそれよりも、成長率を上げる方策もなしにインフレ率だけをあげようとするアプローチのほうが問題だと思います。インフレだけ上げてどうすんだって感じなんですけどね。デフレは悪いことですが、デフレを脱却するにはまず成長で、成長すればインフレ率はそれに伴って上がっていくもんだと思うんですが。

コメントとご質問ありがとうございました。
これからもよろしくお願いいたします。
Posted by ジョン太郎 at 2012年12月23日 17:35
政府が物価連動国債を発行するよう検討し始めたようですが、何か落とし穴がないかと疑ってしまいます。もしスタグフレーションにでもなれば、物価連動国債の購入もありとおもうのですが、このような商品は(個人ではファンドですね)どのような注意が必要でしょう。政府としては借金チャラにしたいのになぜ連動債を出すのか疑ってしまうのですが。
Posted by akohyama at 2013年01月28日 10:15
akohyamaさんへ、
こんばんは、コメントとご質問を頂き、ありがとうございます。ご質問のご回答は時間を見つけて改めてさせてください。お返事遅くなってすみません。
Posted by ジョン太郎 at 2013年01月29日 00:07
akohyamaさんへ、
遅くなりましたが、お返事を書いてみました。長いので本文のほうに書いてありますのでよろしければご参照ください。
http://jovivi.seesaa.net/article/316932620.html
Posted by ジョン太郎 at 2013年01月30日 00:15
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