2012年05月26日

豪ドルのブラジルレアルの金利見通し

今日は豪ドルとブラジルレアルのお話。

豪ドルとレアル、日本人が大好きな2つの通貨であり、買いの多くを日本人が占めてしまうような通貨ですが、ここんところ軟調です。こないだこの記事(http://jovivi.seesaa.net/article/268286040.html)でもお話ししましたように、ここにきて日本人の買い支えが甘くなり、世界的に見てもリスクオフ傾向が強く出てきているので当然と言えば当然です。

日本の投信のうち一般的なオープン型のファンドは43兆円ほどありますがそのうち4兆5,000億円が豪ドルのファンド、5兆8,000億円がレアルのファンドです。つまり1/4が豪ドルかレアルの一点張りファンド。凄い国です。ちなみに昨年5月から7月くらいの記事を見るとピークにあった日本人の豪ドル買い、レアル買いの様子が分かります。懐かしいです。ご興味ある方は昨年5月から7月くらいのk字を読んでみてください。5月のこの記事(http://jovivi.seesaa.net/article/201078447.html
の時にはレアルファンドの残高が10兆円って書いてありますので、そこから1年で6兆円割れまで来たってことですね。値段が2割くらいは下がってるはずなのでそれで2兆円くらい減少しているでしょうし、レアルのファンドは狂ったように分配金を吐き出してますからその分でも5千億とか1兆円くらいは減ってると思いますので、正味の解約はせいぜい5千億円とか1兆円くらなんじゃないかなと思います。まぁとんでもない数字ですけどね。先ほどリンクした昨年5月の記事に各通貨市場の大きさを載せてありましたが、あれで見ていただくとレアル市場の小ささが分かります。ちょっとまとまった売りがあればそりゃ下がるよね。



で、そんな豪ドルとレアルですが、豪ドルは3月の88円台から77円台まで落ちてきました。12%くらいの下落です。もちろん3月の83円台から79円台まで落ちてきているドル円の影響もありますが、豪ドル自体の強さを表す対ドルレートでも1.06から0.97まで落ちて8%の下落となっています。

リーマンショックの時の豪ドルは104円50銭から55円13銭まで一気に落ちたのでその時に比べれば全然小さな下落ですが、それでも2ヵ月で10%の下落ですからそれなりです。

レアルも3月の47円から40円割れをし、一時38円台をつけるまで落ちてきました。こちらは17%程度下落。リーマンショックの時の最安値が36円台だったのでその時に迫る数字です。ただ、リーマン・ショックの時は対ドルレートでは2.50程度までいっています。今は対ドルでは2.00前後での動きなので対ドルで見ればリーマンショックの時の安値まではまだ距離があります。


というわけで豪ドルとレアルともに軟調で、モヤモヤ気分の方も多くいらっしゃると思います。
こうした豪ドルとレアルの下落の背景には、先ほど申し上げた日本人の買い細りやリスクマネーがOFF方向に向いていることはもちろん大きな要因としてありますが、金利低下路線を辿っているのも1つの要因であり、前者の要因ともなっています。



市場には金利スワップなどの、将来の金利の取引をするものがあります。こうした取引は基本的に機関投資家の間で行われているもので、そこには個人投資家はいません。外為市場にはいますけどね。そうした取引の中で現在取引されているレートには当然ながら取引をしている機関投資家たちの金利の見通しが反映されています。たまに、「25bps程度の利下げが織り込まれている」なんて言われるアレです(為替レートが利下げを見越して下げている、って話ではありません。あくまで金利だけの話。)。

例えばAとBが今後1年間の豪ドルの金利を変動金利と固定金利で交換する取引をしたとします。AはBに対して豪ドルの変動金利を支払い、BはAに対して豪ドルの固定金利を支払う。変動金利のほうは当然ながら今の金利は分かっていても将来の金利は分からないわけで、将来の金利を予想して、じゃあそれと交換する固定金利は●%ね、と決めます。

もう少し言うと、今、オーストラリアの政策金利は3.75%ですが、これから1年間AがBに対してこの政策金利を払って反対にBはAに対して固定金利を払う約束をするとします。AもBも今後1年間政策金利は変わらないと考えていれば、BがAに対して支払う固定金利は3.75%ということになります。AもBも今後どんどん政策金利が下がっていっていくと考えるなら、AがBに払う政策金利と同じ金利はどんどん下がっていき、それに対してBはずっと3.75%の固定金利を払うのでBは大損です。AとBが75bpsくらい下がるかな?と考えていればBがAに払う金利は3%前後になるはずです。

こうした取引をするペアが市場に10組あったとします。うち3組のペアは3.5%の固定金利を払う約束をし、5組のペアは3.25%の固定金利を払う約束をし、2組は3.0%の固定金利を払う約束をしたとすると、この10組のペアが考えている金利の見通しは25bpsの利下げが30%、50bpsの利下げが50%、75bpsの利下げが20%、という具合になります。この30%、50%、20%という数字は利下げの「確率」ではなくて、この人たちが考えている見込みの分布です。

前置きが長くなりましたが、市場にはこういう取引があります。で、今、成立している金利スワップのレートを元にこうした取引をしている機関投資家たちがどのくらいの利下げを織り込んでいるか、どの程度の利下げを見込んでいるのか、というのを見てみるとオーストラリアが利上げするという見込みの取引はまずありません。

では、どういう見込みの分布になっているかと言いますと、次回6月5日のオーストラリアの政策金利決定会合では25bpsの利下げが15%、50bpsの利下げが85%、据え置きと利上げが0%となっています。その次の7月3日だと25bpsの利下げが2%、50bpsの利下げが27%、75bpsの利下げが71%です。8月分だと100bpsの利下げが50%、75bps利下げが40%となっていますので、8月には現在3.75%の金利が3%以下になると見ている人たちが90%ということになります。

ちなみに半年先の11月だと、2%にまで落ちる175bpsの利下げですら3%程度あり、150bps利下げの2.25%でも20%、125bps利下げの2.50%が40%、100bp利下げの2.75%が30%、75bps利下げの3.00%が5%、と98%が3%を予想、93%が2.75%を予想、63%が2.50%を予想していることになります。金利の取引をしているプロの人たちは豪ドルの金利が2%前半で今年の年末を迎える見通しをもっているわけですね。

くれぐれもご注意いただきたいのですが、これは「確率」ではありません。機関投資家たちの「見込みの分布」です。

ちなみにブラジルだとここまで詳しくは出せないんですが7月ごろに50bpsから75bpsの利下げ、8月ごろだと75bpsから100bpsの利下げ、10月だと100bpsから125bpsの利下げ見込む取引が多くなっています。

オーストラリアもインフレ率がだいぶ落ちてきてリーマンショック後くらいの水準にありますし、ブラジルのほうもかなりインフレ率が低下してきているのでまぁこういう具合になってしまいます。



タイトルをご覧になって金利の「見通し」みたいなタイトルの記事を書くなんて珍しい、と思われて方もいらっしゃるかと思いますが、市場の取引が示唆する市場参加者たちの金利見通しの分布、の話でございました。まぁ私の個人的な見通しも、幅は違えど方向は同じです。利下げ幅がそれぞれ25bpsくらい広いなぁと感じるくらいです。たまにはこういう話もいいんじゃないかと思いまして今日はこんな感じで。



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posted by ジョン太郎 at 12:57| Comment(0) | TrackBack(0) | ジョン太郎のマメ知識 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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