2012年05月20日

ギリシャがユーロ離脱するとどうなるか

ヨーロッパのアップデートです。

新聞等でも報じられていますように、ギリシャでは預金流出が始まっておりますが、今始まったというわけではないです。日本のメディアが最近知ったので最近報じられたというだけのことで、カイガイメディアではギリシャの預金流出の話は去年から報じられています。ボリュームとしては、2009年末比で3割くらいの預金減少です。預金封鎖、引き出し停止、となる可能性は十分にあります。そうなったらジェットコースターは一気に加速するでしょうね。

本職のほうでも、「ギリシャのユーロ離脱の確率はどのくらいですか?」と聞かれることが多いんですが、答えに困ってしまいますよね。「確率」ではなくて、「可能性はどのくらいあると思うか」でしたら、私の感覚だと60〜70%くらいでしょうか。

ユーロ離脱するとどうなるか、もよく聞かれますが、とりあえず新通貨が元のドラクマという単位を使うかどうかはわかりませんが、とりあえずドラクマということにしましょうか。ドラクマの価値が対ユーロ、というか対ドルで急低下すると思われます。そうなると、ドラクマ建ての資産や預金の価値は大幅に低下することになります。「ユーロ」の預金に今のうちに換えておきたいと考えるのは当然のことですね。

金を貸してる側からすると債権という資産を持っていることになりますが、債権を無理矢理ドラクマ転換させられれば当然ながら価値は一気に下がります。まぁデフォルトですうよね。ドラクマ転換をしなかった場合は、つまりユーロ建てで貸した金はユーロで返せという当たり前の状態ですが、この場合はドラクマしか印刷できないギリシャの債務返済能力が大幅に落ちます。民間企業もドラクマをいくら稼いでも、ドラクマをユーロに換えてもいくらにもならないのでユーロ建ての借金を返すことが難しくなり、民間のデフォルトもかなり増えると思います。

こないだギリシャに金を貸していた民間の債権は無理矢理ヘアカットをされましたが、ECBなどの公的機関が買っている債権はヘアカットされていません。つまり、ギリシャに貸した10億ユーロは10億ユーロの価値のある資産として彼らのバランスシートに載っているわけですね。それがゴミになると。ここも影響がありますね。一応ECBは一部のギリシャ銀行向け融資を一時的に停止すると発表してますが、これまでに貸しちゃった分もかなりあるわけで、そこに対しては引き当てをしないといけないですが結構な金額ですからね。どうするんでしょうね。

今までに一生懸命働いて貯めてきたお金の価値が一気に吹っ飛んでしまうかもしれないとなれば預金を守ろうと国外へお金を逃がそうとするのはごくごく当然の発想です。で、どこかのタイミングで、ブラジルやアルゼンチンで見られたようなモラトリアム宣言(預金の一時封鎖、払い出し停止)が行われてぐちゃぐちゃに、というのが今考えられる今後の展開じゃないかと思います。

イギリスの紙幣印刷会社がドラクマの印刷の準備を始めた、なんてのも海外メディアでは報じられています。

とりあえず6月17日にまたしても総選挙があるので、それを待ってということになりますが、繰り返しお話ししているようにこの問題の結末はいくつかのシナリオが考えられますが、たぶんハッピーエンドは1つもないと思いますよ。「最悪期は脱した」報道が懐かしいですね。私は以前にこの記事(http://jovivi.seesaa.net/article/255582498.html)でお話ししたように、日本の不良債権問題の中で育ちました。繰り返しになりますが、私がこの問題を楽観的に見たり軽めに見積もることはありません。

スペインのほうでも預金流出の話が出ています。銀行の不良債権問題も深刻で引き当て不足額は10兆円規模と見られています。まだまだヨーロッパの問題が解決するには時間がかかると思います。





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posted by ジョン太郎 at 08:56| Comment(2) | TrackBack(0) | ジョン太郎のマメ知識 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
こんにちは、ご無沙汰してます。

ユーロ離脱「60〜70%」ってすごい話ですよね。
「緊縮財政絶対拒否!」「でも離脱はしない」っていうあの人たちの理屈も今イチよく分かりませんが・・・。

「預金流出がはじまっている」という報道にはすごく不思議な感覚になってしまいます。
逆に今まだ預金を口座に残している人がいる、っていうのが信じられないっていうか。
そういう状況を身をもって体験したことがないんですが、どういう状況で、どういう考えでまだとりつけ騒ぎに至っていないのか、その辺がよく分かりません。
私だったら「給料日は有休とって朝からATM間に並んで即全額引出!!」くらいやってそうです。

おっしゃる通り、ハッピーエンドはなさそうに思えます。
むしろドラクマに戻って、一度堕ちるとこまで堕ちてしまうのが結果的にはギリシャにとって一番ハッピーだったりして。
その場合のドミノ倒しがどこまでいくのか、は考えるのも怖いですけど。

とりあえず株のバーゲンセールは当分続きそうですね。
Posted by くあむ at 2012年05月24日 02:24
くあむさん、
こんにちは。ご無沙汰しております。
コメントありがとうございました。

ヨーロッパの人に言わせるとギリシャのこういうのは、いつものこと、またかよ、という感覚だそうです。数十年に一度こうなるのがギリシャだそうで。

やはり日本人の感覚とは違いますね。
これからもよろしくお願いします。
Posted by ジョン太郎 at 2012年05月26日 21:11
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