2006年11月07日

フジテレビ「スタ☆メン」のつっこみにつっこみ

えっとですね、昨日フジテレビの「スタメン」という番組、正式には「スタ☆メン」という番組名らしいですが、を見てたんですが、だいぶおかしなことを言ってましたので、今日はその件について。「なぜATMの手終了0円にならない?メガバンクにつっこみ」というコーナーがありました。「銀行は稼ぎすぎ、儲け過ぎ、顧客に還元すべき」という話です。この番組結構好きなんですけどね。爆笑問題おもしろいですしね。太田さんの視点もすごく面白いですし、アツイですよね。ナイスですよね。私も感情むき出しで見てるんですが、昨日の内容はどうしようもないくらいムカつきました。2006年05月30日に「
で、実はこれを言いたかったという話」http://jovivi.seesaa.net/article/18582135.html
という記事を書いたんですが、覚えてらっしゃいますか?まだ読んでない方、読んだけど忘れちゃったって人は是非どうぞ。簿記がわかんない人、決算書ってなにさ?って人向けの解説もありますんで。
番組の内容は、「こないだの3月の決算(発表されたのは5月でずいぶん前の話ですが)で、銀行は巨額の利益を計上した。三菱東京UFJ銀行にいたっては1兆円を超える利益をあげた。苦しい時には公的資金、つまり国民の税金を投入して、儲かったので返しました、それで終わりかい!1兆円も利益をあげてるんだからもっと預金者に利益を還元しろ!誰のおかげで今まで生き延びてると思ってるんだ。金利低すぎるぞ!ATMの引き出し手数料だって高すぎだ!」っていうもの。以前、銀行の3月決算の発表時に週刊誌やスポーツ新聞などが異口同音に叫んでいた内容と同じレベルです。あの銀行の決算内容を見て「銀行は儲け過ぎだ」って・・・とても社会派の番組だとは思えません。あまりにお粗末過ぎます。この番組は普段見落とされるような視点、報道番組が突っ込んでいかないような切り口で社会の問題や情勢について伝えていく番組だと思っていたのに、大衆受けする、銀行は悪だ!という論調でウケが取れればいい、的な感じで非常に残念でした。

メガバンク各行の決算内容を一読もしていないのだと思います。他のスポーツ新聞や週刊誌の見出しを見ただけで作ったかのような番組内容には見識を疑います。今期の銀行の利益のうち、「不良債権に対する貸倒引当金の戻り益」がどれほどあったか、は決算書を見ればすぐにわかります。いや、そんなの言い訳だって言う人もいるかもしれませんが、こんな例え話はいかがでしょうか。

AZテレビの決算書に記載されている有形固定資産のうち、土地建物で現在1,150億円の資産が計上されています。これは本社ビルなどの会社所有の不動産、つまり会社の資産です。これが仮に行政の指導により、突然「資産ではない。この不動産には1円の価値もないから資産のところから除外しなさい」とされた場合、この金額1,150億円が資産の部から消えてしまうため、今期の利益から1,150億円が差し引かれます。この場合、350億円あった経常利益は吹き飛び、赤字に転落します。経常利益のあとの特別損失で1,150億円ですから、他に何もなければ税引前利益は350-1,150で800億円の赤字となります。社会的影響の強い報道機関が赤字経営を続けていくわけにもいかず、報道機関の経営が不健全であることは国民の不安を煽る事にもなるため、監督官庁から早期の経営改善と財務体質の急速な改善を要求されますが、突然そのようなことが実現できるはずもなく、AZテレビはやむなく、不本意ながらインターネット事情でバリバリ稼いで飛ぶ鳥を落とす勢いのお金持ち企業BYとの合併を決めます。ところが、合併して間もなく、監督官庁の方針が変わり、やはり1,150億円の不動産は資産として計上してよいとの方針が発表されます。すると、急に1150億円の資産が計上されることになり、つまり、1,150億円分の資産をいきなり手に入れたことになり、これに伴って損益計算書上に、1,150億円の特別利益が計上されることになります。前年度800億円の赤字だったAZBYグループの中のAZテレビの決算ではなんと前年度並みの350億円程度の経常利益にもかかわらず、1,150億円もの特別利益のおかげで、1500億円もの税引前利益をあげることになります。800億円の赤字から1,500億円の黒字へと一気に利益額が2,300億円も増えた、1,500億円もの巨額の利益を上げた、AZテレビに対し、他局や週刊誌は一斉に、「AZテレビだけが稼ぎすぎだ!」「自分だけ儲ければいいのか!?」「もっと利益を社会に還元すべきだ!」とまくしたてます。絶対に許せないぞ!と煽ります。知性派タレントを起用した、社会的にもプレゼンスの高い社会派番組で、司会の後ろに150000000000という数字を大きく書き、「みなさんこの数字の羅列が何かわかりますか?」「これは1,500億円、今期AZテレビが荒稼ぎした金額です!」と報じます。

これっておかしいですよね。ただ単に不動産を資産に計上するかどうか、の違い、会計処理の違い、だけで発生した利益を、数字だけを丸呑みにして騒ぎ立てるのってどうかしてます。昨日放送された番組内でも、「金融腐食列島」などの著書で知られる作家の高杉良さんはきちんとその点を指摘していました。また、「この問題は金融行政の失敗によるものであり、銀行は不要な合併をすることになってしまった。銀行は金融行政の犠牲者だ」とも言っていました。が、高杉さんの説明は途中で打ち切られました。

バブル期の銀行の過剰な融資や、審査の甘さ、は批判されてしかるべきです。また、公的資金を注入されたことも事実であり、銀行はその事実と、銀行の公共性と影響度の大きさを考慮されて公的資金が注入されたということ、を忘れてはいけないと思います。ただ、今回の利益額は明らかに金融行政のミスによるものであり、会計処理の問題で膨れ上がってしまった帳簿上の利益に過ぎません。実際に1兆円以上の利益があがっているわけではありません。また、必要以上の引当金を積むことを行政から求められなければ、多くの銀行が合併せずに済んでいた可能性もあります。

そして、低金利。銀行の金利って低いですよね。確かに低い、明らかに低すぎます。でもこれは銀行のせいではありません。銀行にはどうしようもないです。銀行預金の金利は日銀が金利を上げない限り上がりません。日銀が金利を引き上げて、日本の金利がアメリカ並みになればアメリカの銀行金利並みの金利で預金できるようになります。どうしても金利を上げてほしければ日銀に嘆願書を出すなり、署名活動をするなりして日銀に持ち込んでみるくらいしかないと思います。でも、日銀が金利を上げるには、国内の景気がもっと良くなって、多少金利が上がっても借金をしている企業が倒産しない確信が持てるようになる、あるいは国内のインフレが進む、必要があります。今の状態で日本の金利を5%とかに引き上げたら大変なことになります。銀行預金が5%とかになって嬉しいかもしれませんが、企業の借入金の金利負担が跳ね上がって倒産する企業がたくさん出てきて、失業者も増えます。また、消費も冷え込みます。国内の景気は一気に冷え込みます。だから日銀は一気に5%に引き上げるなんてことはしませんし、皆さんの預金金利が5%に急に跳ね上がることもありません。また、以前の記事に書いてある通り、トヨタがどんなに儲かったとしても、トヨタに車の原材料費や人件費等のコスト以下の車を販売しろというは無茶ですよね。それと同じです、と言いたいところですが、預金保険料のために実は銀行は赤字の金利を既に提供してたりします。

ATMの手数料、これは何とかなるかもしれませんね・・・実際無料の銀行もありますしね。無料の銀行にはだいたい最低預け入れ金額というのがあって、1000円の残高で・・・ってわけにはいかなかったりするわけですが・・・


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posted by ジョン太郎 at 00:16| Comment(0) | TrackBack(0) | ジョン太郎のマメ知識 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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