2012年01月07日

今年の株式市場の見通し

今日はそういうお話です。

いつもこのブログを読んでくださっている方は今日の記事のタイトルを見て「おや?」と思われたかもしれませんね。大丈夫です。いつも通りの私です。

ひでさんからこんなご質問を頂戴しました。
http://jovivi.seesaa.net/article/243647726.html#comment
ひでさん、コメントとご質問をいただきありがとうございます。スペースの都合上、こちらで回答させていたただきます。


さて、ひでさんからいただいたご質問。

今年の日本株についてどう思うか。





わかりません。

以上です。





まぁ、いつもの私のお約束ですね。
ただ今回は、ご質問をいただいた記事の本文中に2012年も「円高圧力は引き続き強いと思う」と書いてますんで、そのこともあって、ちょっと一言書かせていただきます。

私は年末の新聞とかマネー雑誌とかでよく見る、来年末の日経平均株価とかドル円とかの予想をしません。もちろん本業のほうでも。本業のほうでもこの手の質問を受けることはすごく多いですが、私の答えはいつも「わかりません。そういうのは他の人に聞いてください。」です。

私がお話しできることというのはせいぜい、
◆北海道と沖縄では沖縄のほうが平均気温が高い
◆あたたかいところで暮らしたい人は北海道よりも沖縄に住んだほうがいい
◆日本の冬は西高東低の気圧配置になりやすい
◆今の気圧配置だと来週天気が崩れる可能性がある
くらいの話です。

今年の10月10日に日光に行くつもりなんだけど気温何度だと思う?とか、1か月後に1週間夏休みを取る予定だけど、その時に国内で一番あったかい場所教えてとか、来月のゴルフコンペの日に絶対雨の降らない都市教えてとか、そういうの聞かれても無理です。年末の日経平均の予想ってこういう類のものだと私は考えています(「いやそうじゃない」っていう方、このブログは議論をする場ではなく、私がこう思うってのをお話しするためだけのものですので、私はここでは議論はしません。ご了承ください。)。

2010年末に2011年末の日経平均株価を予想した人のうち、3月11日の大震災の発生を知っていた人、前提にしていた人ってどのくらいいるんでしょうね。今聞けばそりゃあ何人かは知ってた、予想してたって言うんでしょうけど、それ以外の多くの人があの震災の発生を2010年末時点では知らなかったはずです。でも、あの震災の発生は間違いなく2011年末の日経平均株価に影響を与えたはずです。

あんなもん例外中の例外だ、と言われるかもしれません。でも、そういう例外って毎年あるんじゃないですかね。自然災害だけじゃないです。人の手によるテロもそうです。他国での暴動の発生もそうです。北の将軍の死去による軍事バランスの変化もそうです。資金繰りに苦しくなったヘッジファンドの動きの変化もそうです。スイス政府のブチ切れユーロペッグもそうです。そういう「例外」が全く何もない平穏無事な1年ってあるんでしょうか。私にはそうは思えません。私が考えている株式市場、為替市場というのは、そういうのに反応して動くものです。私には何も例外的なことがない平穏無事な1年だったらこういう水準で年末の取引を終える、という予想ができません。



一方で、私はこのブログでも本の中でも「短期と長期は別」というお話をよくしています。短期と長期の境は3年くらいかなと私は考えています。3年よりも短ければ短いほど短期の特徴がよく出て、3年よりも長ければ長いほど長期の特徴がよく出る、という意味です。


短期の特徴というのは
◆株価や為替などは何にでもどんなニュースにでも反応する(自然災害でもテロでも要人発言でも変な噂でも動く)
◆決算発表がなくても、業績見通しが変わらなくても株価は動く(毎秒決算発表があるわけじゃないのに株価は毎秒動く)
◆ファンダメンタルズはごまんとある材料のうちの一部でしかない(どうしようもない国の通貨が前日比で上昇する、吹っ飛んだ会社の株価が500円から10円になった後で20円になって倍になる。)
◆スイッチバック電車のように行ったり来たりするリスクマネーのリスクONとリスクOFFの行き来に大きく左右される
◆インカムゲインがあまりパフォーマンスに影響しない(インカムゲインは短期間では積み上がる暇がない、外債投資の場合などは為替でパフォーマンスがほぼ決まる、信用リスクを結構とってても顕在化しなかったり、しょうもない国の高金利通貨を買っててもしっぺ返しをくらわなかったりもする)
◆過去の長期データがあまり役に立たない/まぐれや偶然が起こりやすくその影響が大きい(沖縄に日帰り旅行すれば寒い日に当たることもある、北海道が暑い日だってある、10年のデータならそれなりに良いイベントも悪いイベントも含まれている、サイコロを3回しかふらなければ6が3回出ることもある、隣のおばちゃんの真似をしてリーチのかかったパチンコ台を叩いたら大当たりをひいた、宝くじを10人で一万円ずつ共同購入したら百万円当たって90万円を山分けした)


長期の特徴というのは
◆株価や為替などがファンダメンタルズを反映しやすくなる(株価は利益の伸びを反映しやすくなる、為替は2国間の国力の伸びの違いを反映しやすくなる)
◆利益や国力が大きく変わることができる(1年で利益100倍は難しくても30年あれば利益100倍も可能、利益100倍になった会社の株が全く上がっていなければPERは100分の1に低下、配当性向100%なら配当利回りは100倍に上昇、たまたま当たりクジを引いて調子にのっていた経営者の会社が潰れるのに十分な時間がある、ギリシャのウソと無茶苦茶な国の運営が明るみに出るのに十分な時間がある。)
◆インカムゲインがパフォーマンスに結構影響する(インカムゲインが積み上がる時間が十分ある、外債投資でもインカムゲインが為替の影響を上回ることが可能になる、でもとっている信用リスクとかしょうもない国の為替リスクも顕在化しやすくなる)
◆過去の長期データが結構参考になる/長期のデータにはまぐれや偶然や「例外」的な自然災害やら何やらのイベントがそれなりに含まれている(沖縄で5年過ごした人と北海道で5年過ごした人ではその間の平均気温は沖縄のほうが高くなる可能性が高い、サイコロを一万回振って6だけしか出ないことはまずない、リーチがかかるたびにパチンコ台をぶったたき続けたら当たったのはリーチの期待率通りだった、宝くじをたくさんの人で共同購入して全部買い占めたら46%しか返ってこなかった)


といったところだと思います。3年よりも期間が短ければ短いほど株価は利益に関係なく動き、毎秒業績が変わらなくても動き、外債ファンドの日々の基準価額は為替でほぼ決まり、とってる信用リスクや為替リスクが表面化しなくてウマイ話になったりします。3年よりも期間が長ければ長いほど株価は利益を反映しやすくなり、外債ファンドのパフォーマンスはインカムゲインが大きなウェイトを占めるようになり、とってた信用リスクのお勘定がキッチリまわってきたり、しょうもない国の高金利通貨に投資してたリスクがガッツリ表面化したりします。



というのが短期と長期の違いのお話。2012年の相場見通しということになりますと、期間は1年ですから、私の中では短期ということになります。ファンダメンタルズの影響が小さくて、リスクマネーのON/OFFに振り回され、偶然やまぐれや例外の影響が大きく・・・ということになります。



そしてもう1つ。

株価が上がるときのことを次の2パターンに分けて考えてみましょう。
@【PERが上がらずに株価が上がる】
A【PERが上がって株価が上がる】


@の【PERが上がらずに株価が上がる】というのは利益額が増えた分だけ株価が上がっている状態です。利益10%増、株価10%増、ならPERはそのまま株価が10%上がります。
Aの【PERが上がって株価が上がる】というのは利益は増えずに株価が上がる状態です。利益はそのまま、株価だけ10%増、ならPERが上昇しながら株価が上がります。

@は割高にならずに利益が伸びた分だけ上がる、Aは割高になりながら利益は伸びずに上がる、ということです。下がるときも同様です。



今の日本株の予想PERは16倍程度です。別に高くも安くもないかなといった水準。もし1年後の年末にPERが32倍になっているなら、日本株は利益が全く伸びなくても倍になっていることになります。もし、1年後の利益が倍になっているなら、PERが16倍のままでも株価は倍になっていますし、株価がもし今のままだとしたらPERが8倍まで低下していることになります。

このPERを変化させながら利益とは関係なく株価を動かす一番大きな要因は投資家のリスクON/OFFだと思います。利益は全く変わってないのに、強気になって買って株価を上げればPERは上がり、弱気になって売って株価を下げればPERは下がります。1年間で利益が大きく動くこともありますが、たかが知れてます。やっぱり1年だとリスクON/OFFによってPERが変化しながら動くほうが影響は大きいと思います。



以上を踏まえて私が言えることは、
◆年末の日経平均株価はわかりません
◆年末の終着点がどの辺になるかはもちろんわかりませんが、1年間の推移というのはさらに短期間の変化の積み重ねですからどういう並びになっているのか見当もつきません。
◆一方、今の情勢や環境を考えると、投資家をリスクOFFモードにしそうな材料がいっぱいあります。もちろん自然災害とかテロとか以外でね。短期間だとそれらの影響が大きいはずです。なので、それらが顕在化するかどうかによりますが、顕在化すればリスクOFFモードになりそうな材料がいっぱいあるということは日本株に限らず世界の株式市場全体にとってあんまり良いことではないと思います。

こんなところです。これと同様のトーンで書いたのが前回の記事
http://jovivi.seesaa.net/article/243647726.html
の2012年も「円高圧力は引き続き強いと思う」というものです。2012年の為替市場がどういう推移をしていくか、どういう+−の並びになっていくのか見当もつきませんし、その積み重ねであり終着点である来年末のドル円の予想なんて大それたものは私にはできません。ただ、短期間の市場はリスクON/OFFの影響が大きくて、私は投資家がリスクOFFになりそうな材料がたくさん控えていると思いますし、リスクOFFになった時はやはり円が買われやすい展開が続くと考えているので、円高圧力が引き続き強い、と考えています。

これが私の見通しとか相場観とかそういったものです。
期待外れという方もいらっしゃるかもしれません。
すいません。私はこういう考えの人間です。



私は短期間の売買を繰り返して利益を積み上げていく「投機」は基本的にやらない主義です(よっぽどおいしい話が転がっていれば別ですが・・・)。このブログでも投機のための話は基本的に扱っていません。さきほどの天気と天候の話で言えば、北海道の気候はこうだとか、沖縄の平均気温は高いとか、日本の冬は西高東低の気圧配置になりやすい、夏場はあたたかい空気の上昇で雷が起こりやすいので注意が必要、とかそういう話をメインにしたいと考えています。なので、短期の話とか足元の話をするときは、ゲリラ豪雨に注意とか、大気が不安定で突風が起こりやすいので注意とか、そういう話がどうしても多くなります。なので、こいつ悲観的すぎじゃねーか?と思われるかもしれませんが、それはそれでしょうがないかなと思ってます。

それでも、年末の日経平均株価の予想を広い範囲でずらっと並べた「誰かの予想は当たるが同じ人が当たり続けるわけではない予想一覧」とか「自然災害やテロなどは全部【例外】扱いであくまでも【平穏無事で何事もなかったら】という前提の予想」を載せてお金をとってる雑誌ばっかりの世の中なので、こういうのが1つくらいあってもいいんじゃないかなと思ってこのブログをやってます。そういうのに限って足元までの短期間のデータを見せて「短期間でこんなに上がってる注目の●●」みたいなのを載せて、後付けの講釈をつけてさも合理的な根拠があって上がってるみたいに見せるんですよね。

小さなベトナム株市場にマネートレインが停車してベトナム株上昇
→ベトナムはもともと人口が多くて若年層が多くて勤勉な国民性で地理的にも有利でどっかの研究所の今後有望な●ヶ国の中にも入っててと後講釈。強気な見通しを語ってくれる人を探してコメントをとって載せる。
→なぜかその裏付けとしてマネートレインの停車で直近短期間で上昇してる株価を使用する「ほら、実際にベトナム株はこの半年で●%も上がってます!」「株のパフォーマンスが証明!この半年のリターンは日本株や米国株とは比較にならないほど高い!」「早くしないと乗り遅れちゃいますよ。実際にベトナムの実力に早くから注目してた人はこの1年で●%も既に儲かってることになりますから。」みたいな
→マネートレインが次の駅に向けて発車し、株価は急落
→知らんぷり
→人口も減ってない、若年層も減ってない、勤勉なまま、国の場所も変わってない、のに下がった理由には触れない。ベトナム株のその後のパフォーマンスは載せない。どころかその後ベトナムのベの字も出さない。
→マネートレインがどっかの駅に停車して株価が急上昇する
→後から追っかけてって取材、その市場に対して適当に詳しそうな人、強気な見通し語ってくれる人を探して取材
→「今注目の中東市場!」「これからはアフリカの時代だ!」「実際にこの1カ月でこんなに株価が上がってるんです!これが事実です!」
(以下繰り返し)


くれぐれもこういうのに振り回されませぬように。マネートレインとバブルの話はこちら。
http://jovivi.seesaa.net/article/218970323.html

あとついでに、株の話ですから言っておきますが、マネー雑誌によくある「株主優待で選ぶ注目株!」「この株主優待を狙え!」「株主優待だけでもこんなにお得ランキング」ね。ふざけんなと。そういうの見てJALの株買った人もいるんでしょうね。200円で買ったJAL株が1円になりました。でも株主優待券がもらえてお得!って思える人がいるんですかね。株をなんだと思ってんだと。まぁ株のこと知らない人が書いてるんでしょうから何だとも思ってないんでしょうね。


古い記事ばっかりですが、株を買う人には一度この辺の記事を読んでみていただきたいです。
http://jovivi.seesaa.net/article/116019044.html
http://jovivi.seesaa.net/article/138447108.html
http://jovivi.seesaa.net/article/90452269.html
http://jovivi.seesaa.net/article/112106300.html
http://jovivi.seesaa.net/article/101708179.html


割と悲観的な話ばっかりしてますし、最近株の話をあんまり書いてないですが、私の株好きは変わりませんし、実際私のポートフォリオは株100%のままですし・・・あ・・・そういえば私のポートフォリオ公開って最近やってないな・・・そのうちまたやりますね。大して変わってませんが。

あ、これ新年1発目の記事だった・・・みなさん、明けましておめでとうございます。本年もどうぞよろしくお願いいたします。


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posted by ジョン太郎 at 11:45| Comment(3) | TrackBack(0) | ジョン太郎のマメ知識 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
いやいや・・・
いつも参考になります。
私の場合、短期の投機ばっかりで、
3年以上の長期投資はもう随分長いことしていなかったんですが、
先日久しぶりに長期保有前提の債券を買いました。(^^)


Posted by mushoku2006 at 2012年01月07日 16:04
あけましておめでとうございます。
今年もいろいろと勉強させていただきます。

昨年はアラブの春から大震災・原発・タイ洪水・ギリシャからイタリアまで、と本当に激動の1年でした。
今年はいい年になるといいですね。
・・・っていうか、たぶん全然別の意味で「いい年」になりそうですけど。
(暴落&低迷で安くいっぱい買えたいい年、とか)

株主優待の件は耳が痛いです(汗)。
趣味で1単位ずつ20銘柄ほどコレクションしてますので。。。

まぁさすがに業績も財務も株価水準も見ずに優待だけで銘柄を選ぶ、ってことはないですけど。

こんな出来の悪い弟子(?)ですけど、今年もよろしくお願いします。
Posted by くあむ at 2012年01月08日 02:18
mushoku2006さん、くあむさん、
こんにちは。コメントありがとうございました。
お返事遅くなってしまってすみません・・・
今年もどうぞよろしくお願いいたします。
Posted by ジョン太郎 at 2012年01月15日 12:35
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