2011年11月19日

ギリシャ問題のまとめ

ギリシャ問題のこれまでを振り返ってまとめておきたいと思います。

問題は全く解決していませんし、出口も見えていませんが、キリがいいところなんてありませんからね。この辺で一度まとめてみようと思いまして。借金まみれの男の例え話も散り散りになってしまってますしね。


1932年、ギリシャにとって20世紀に入ってはじめてのデフォルト・・・ここから始めると古すぎるか・・・でもヨーロッパの人たちしてみればギリシャのデフォルトは「また?」という感覚があるということをお伝えしたいなと思いまして。

1968年、軍事独裁政権の誕生
1974年、軍事独裁政権の崩壊
1981年、EC加盟
1999年1月、ユーロが誕生
2001年1月、ギリシャがユーロ導入(加盟条件の財政赤字3%以内をクリアするためにこのころから粉飾してたんじゃないかって話)
2004年、アテネオリンピック開催(借金の増大)
2009年10月、パパンドレウ政権誕生、旧政権が財政状態を粉飾していたことを公表、対GDPで3.7%と発表されていた財政赤字が実は12.5%の財政赤字でしたと発表(その後さらに訂正されて、実は13.6%の赤字でした)。
【この頃のギリシャのI年債利回り:4.7%、D年債:3.3%、A年債:1.3%、@年債:0.9%】以下同様の書式で
2009年10月、フィッチがAからA-に格下げ、ムーディーズがA1を格下げ方向で見直し
2009年12月、フィッチがA-からBBB+に格下げ(その時の記事
http://jovivi.seesaa.net/article/135400010.html
)ムーディーズがA1からA2に格下げ、S&PがA-からBBB+に格下げ
(この間にもギリシャ国債は価格下落、利回り上昇、CDSもグングン上がっていく)
【I:5.9%、D:5.2%、A:3.5%、@:2.3%】
2010年1月、ギリシャがラッキーかつハッピーな将来が前提の財政赤字削減策を発表(脱税の取締り強化、公務員賃金凍結、年金受給開始年齢引き上げ、防衛費削減など)
2010年1月、EUが財政再建努力を前提にギリシャ支援を示唆
2010年3月3日、新たな緊縮財政策を発表(消費税・燃料税・酒税・たばこ税などの引き上げ、高額所得者増税、公務員ボーナス削減、年金削減など)
(この頃、ギリシャは借金を返す金がないならエーゲ海の島を売れ、なんて声がドイツから出てました)
【I:6.3%(99.6)、D:5.8%(88.7)、A:5.4%(95.7)、@:3.8%(97.7)】()内は債券価格、以下同様
2010年3月18日、首相「今後もこのまま借入コストが高止まりするなら財政赤字削減できないからIMFに支援要請するかも」
(この時ギリシャはまだ正式な支援要請はまだしてない。ユーロ圏諸国も、支援しないともう無理だろっていう見通しを基に話し合いをしているが、具体策はまだなし)
2010年3月25日、ユーロ圏首脳、サルコジとメルケルの間の妥協案を他のユーロ加盟国が同意する形で、2国間支援とIMF支援の組み合わせでの支援で合意。
【I:6.3%(99.7)、D:5.7%(89.1)、A:5.4%(95.8)、@:4.4%(98.1)】
(所詮、根本的な問題の解決策ではなく、この後もギリシャ国債の利回り上昇止まらず
2010年4月11日、13日に控えるギリシャの国債入札を前にフィッチがギリシャを2ノッチ格下げたことでユーロ圏首脳の緊急電話会議。ここでギリシャ支援策合意、IMFが150億ユーロ、ユーロ圏各国が300億ユーロの合計450億ユーロの貸し出しを決定。3年融資で金利は5%。
【I:6.7%(96.9)、D:6.5%(85.4)、A:6.4%(93.1)、@:5.1%(95.5)】4/12
【I:7.1%(94.1)、D:7.1%(82.7)、A:7.1%(91.2)、@:4.9%(93.9)】4/14
【I:7.6%(90.5)、D:7.5%(81.2)、A:7.6%(89.7)、@:5.1%(93.2)】4/19
【I:8.1%(87.5)、D:8.1%(78.7)、A:8.0%(88.7)、@:5.4%(91.7)】4/21
2010年4月22日、ユーロスタットがギリシャの財政赤字を13.6%に修正(さっきの粉飾のところで書いたやつね)
2010年4月23日、ギリシャ首相がEUとIMFに450億ユーロの支援を正式要請
【I:8.7%(84.1)、D:9.3%(74.1)、A9.8%(84.2)、@:6.5%(87.9)】4/23
【I:10.0%(76.9)、D:11.0%(68.0)、A:13.5%(75.9)、@:8.2%(79.1)】4/28
2010年5月2日、EUがIMFと協調してギリシャに対し3年間1,100億ユーロの融資をすることで合意。内訳はIMFが300億ユーロ、EUが800億でうち220億がドイツ。金利5.5%、当初3年返済猶予、その後5年で返済。以後、四半期ごとにギリシャの財政再建をチェックし、融資継続の可否を判断することを決定。ギリシャは民間部門の給与凍結、消費税・燃料税の引き上げ、年金カットや受給年齢引き上げなどの財政削減案を発表。
【I:8.5%(85.1)、D:9.7%(72.6)、A:11.1%(81.1)、@:N/A】5/3
2010年5月、2月ごろからたびたび発生していたストライキやデモがこのころから大規模化。5/5には銀行に投げ入れられた火炎瓶で3名が死亡
2010年5月9日、ECBが方針転換してギリシャ、スペイン、ポルトガルの国債を買い入れ。EUとIMFが7,500億ユーロの欧州安定化機構設立を発表(EUが600億ユーロ、IMFが2,500億ユーロ、EFSFが4,400億ユーロ)。
【I:12.4%(65.3)、D:13.7%(59.6)、A:16.5%(70.1)、@:N/A】5/7
【I:7.8%(89.6)、D:7.8%(80.0)、A:7.7%(89.6)、@:6.2%(92.2)】5/9
(この頃の記事)
http://jovivi.seesaa.net/article/147681773.html
http://jovivi.seesaa.net/article/149024659.html
http://jovivi.seesaa.net/article/149356412.html
このあたりではじめて書いたギリシャ問題のまとめの記事がこれ(
http://jovivi.seesaa.net/article/149598923.html
)。この時に例の例え話の第一話が誕生しました。

2010年5月18日、EU・IMFによる融資第1回決定(1,100億のうち200億、累計融資額200億)
2010年6月、ムーディーズがA3から投機的格付のBa1まで格下げ
【I:9.1%(81.8)、D:9.2%(74.7)、A:9.4%(85.8)、@:6.0%(90.6)】6/15
【I:9.3%(80.3)、D:9.2%(74.7)、A:9.6%(85.4)、@:6.0%(90.3)】6/16
2010年6月、7月に欧州の銀行のストレステストの結果を発表すると表明
【I:10.6%(74.0)、D:10.2%(71.1)、A:11.2%(81.7)、@:7.4%(87.5)】6/28
2010年7月23日、ストレステストの結果発表
【I10.4:%(75.1)、D:10.4%(10.7)、A:11.2%(82.1)、@:6.4%(88.2)】7/23
【I10.4:%(75.1)、D:10.4%(10.8)、A:11.2%(82.2)、@:6.4%(88.1)】7/26
(この頃の記事)
http://jovivi.seesaa.net/article/156941628.html
http://jovivi.seesaa.net/article/157529740.html
2010年8月5日、EU・IMFによる融資第2回決定(1,100億のうち90億、累計融資額290億)
【I:10.2%(76.1)、D:10.3%(71.4)、A:10.9%(83.0)、@:6.2%(89.4)】8/5
【I:11.8%(68.5)、D:12.0%(66.1)、A:12.4%(80.3)、@:5.7%(88.0)】9/8
2010年11月21日、アイルランドがEUとIMFに支援要請
2010年11月23日、EU・IMFによる融資第3回決定(1,100億のうち90億、累計融資額380億)
【I:11.9%(68.7)、D:12.6%(65.1)、A:13.1%(80.1)、@:N/A】11/23
2010年11月28日、EU・IMFがアイルランド支援を決定(850億ユーロ)
【I:12.5%(66.4)、D:13.5%(62.9)、A:13.7%(79.6)、@:N/A】12/30
2011年2月11日、EU・IMFによる融資第4回決定(1,100億のうち150億、累計融資額530億)
【I:11.4%(71.3)、D:12.5%(66.5)、A:13.3%(81.1)、@:N/A】2/11
(この頃の記事)
http://jovivi.seesaa.net/article/163748739.html
http://jovivi.seesaa.net/article/167293605.html
http://jovivi.seesaa.net/article/170684840.html
http://jovivi.seesaa.net/article/172261134.html
http://jovivi.seesaa.net/article/173825458.html
http://jovivi.seesaa.net/article/186815844.html
2011年3月11日、ユーロ圏首脳会議にて、ギリシャ向け融資の返済開始時期の後ずらしと融資期間延長が決定
【I:12.7%(66.0)、D:14.6%(61.1)、A:17.2%(75.4)、@:N/A】3/11
2011年4月6日、ポルトガルがEU・IMFに支援要請
(この頃の記事)
http://jovivi.seesaa.net/article/194989212.html
2011年4月26日、ギリシャの2010年の財政赤字削減計画未達が発表される
【I:15.2%(57.3)、D:17.1%(55.7)、A:24.0%(67.2)、@:N/A】4/26
【I:16.0%(54.7)、D:17.7%(54.3)、A:25.2%(65.9)、@:N/A】4/27
2011年5月3日、EUとIMFがポルトガル支援決定(780億ユーロ)
2011年5月21日、フィッチがB+に格下げ
【I:16.8%(52.5)、D:17.3%(55.5)、A:26.5%(65.2)、@:N/A】5/23
(この頃の記事)
http://jovivi.seesaa.net/article/202802461.html
2011年6月20日、EU・IMFによる融資第5回分の実行合意できず、融資先送り
2011年7月3日、EU・IMFによる融資第5回(1,100億のうち120億、累計融資額650億)
【I:16.1%(54.9)、D:18.3%(54.0)、A:26.8%(66.3)、@:N/A】7/4
(この頃の記事)
http://jovivi.seesaa.net/article/208009370.html
http://jovivi.seesaa.net/article/210431145.html
http://jovivi.seesaa.net/article/210651405.html
2011年7月5日、ムーディーズがポルトガルをBa2に格下げ、ポルトガルもジャンク債の仲間入り。
2011年7月15日、ストレステスト第2回発表
(ストレステストの記事)
http://jovivi.seesaa.net/article/214874357.html
http://jovivi.seesaa.net/article/215090266.html
【I:17.7%(50.5)、D:20.8%(49.5)、A:37.0%(57.1)、@:N/A】7/18
2011年7月21日、ユーロ圏首脳会議にてEFSF機能拡充(セカンダリー市場での国債買い入れを可能に、金融機関への資本注入可能に、融資可能額を4400億ユーロまで可能に)とギリシャに対する二次支援策(1,090億ユーロ、15〜30年で返済、当初10年返済猶予、EFSF分の金利は3.5%程度)がまとまる→17ヶ国すべての国の議会での承認が必要(→10月13日まで続く)。この4,400億ユーロはEFSF設立当初のユーロ圏各国の保証枠合計で4,400億ユーロ、うち2,554億ユーロ、の4,400億ユーロではない。当初の4,400億ユーロのうち2,554億ユーロが融資可能、というのを今回の案では7,798億ユーロのうち4,400億ユーロを融資可能、という風に拡充するもの。4,400億ユーロの融資可能額のうちギリシャ、アイルランド、ポルトガル分だけで約1,000億ユーロ、国債買い入れには3,000〜3,500億ユーロ、銀行への資本注入額が1,000〜3,000億ユーロ、スペイン救済には3,500億ユーロ、イタリア救済には5,100億ユーロ、が必要と言われていて、拡充したところで融資額が4,400億ユーロじゃスペインやイタリアまでは全然足りないっていう話→直接お金を突っ込むんじゃなくて、みんなにお金を突っ込んでもらって「みんなが買って損した分の一部」をこの4,400億ユーロで払おうじゃないかっていうプランへと向かう。
(この頃の記事)
http://jovivi.seesaa.net/article/212974519.html
http://jovivi.seesaa.net/article/216330358.html
【I:14.2%(61.2)、D:15.5%(60.6)、A:25.6%(68.3)、@:N/A】7/22
2011年7月25日、ムーディーズがCaに格下げ
【I:14.3%(60.7)、D:16.0%(59.4)、A:27.6%(66.2)、@:38.1%(75.8)】7/26
2011年8月8日、ECBがスペインとイタリアの国債買い入れをスタート
2011年8月〜9月、ギリシャ国債の利回りが急上昇、1年国債利回りが100%を突破。
【I:15.2%(57.9)、D:17.6%(56.3)、A:32.9%(61.8)、@:46.5%(72.3)】8/11
【I:16.2%(55.0)、D:18.6%(54.3)、A:36.1%(59.3)、@:48.8%(71.5)】8/19
【I:17.5%(51.2)、D:21.2%(49.4)、A:41.7%(55.0)、@:57.4%(68.1)】8/24
【I:19.1%(47.2)、D:23.2%(46.2)、A:51.1%(49.2)、@:97.0%(56.5)】9/7
【I:20.2%(38.3)、D:26.0%(41.9)、A:63.4%(42.6)、@:117.2%(52.2)】9/12
【I:21.1%(36.6)、D:27.9%(39.3)、A:69.4%(39.8)、@:134.6%(49.0)】9/13
【I:23.1%(33.0)、D:28.1%(39.1)、A:68.2%(40.5)、@:141.8%(47.6)】9/14
(この頃の記事)
http://jovivi.seesaa.net/article/224224423.html
http://jovivi.seesaa.net/article/224617358.html
http://jovivi.seesaa.net/article/225356687.html
http://jovivi.seesaa.net/article/225805786.html
2011年10月4日、スト、デモが大規模化・深刻化。公務員がアテネで官公庁を封鎖。空港閉鎖、2万人が議会へ行進。
2011年10月10日、7月のストレステストで合格のお墨付きをもらっていたデクシアが破綻。
【I:24.0%(31.6)、D:28.5%(39.0)、A:69.3%(41.2)、@:151.2%(47.0)】10/10
2011年10月11日、EU・IMFによる融資第5回(1,100億のうち80億、累計融資額730億)<一時支援策分、7月21日にまとまった二次支援策分ではない>
2011年10月13日、スロバキア議会が2回目の採決でEFSF拡充策を可決し、7月21日の案が17か国すべての国の議会で承認される。
【I:24.8%(30.5)、D:28.9%(38.6)、A:72.3%(40.3)、@:180.0%(43.1)】10/18
【I:24.5%(31.0)、D:29.1%(38.5)、A:74.1%(39.3)、@:185.1%(43.2)】10/24
2011年10月27日、欧州首脳会議で債務危機に対する包括対策が合意される。
【I:22.4%(34.3)、D:26.7%(41.8)、A:72.8%(40.7)、@:160.6%(47.2)】10/27
(合意内容についての記事)
http://jovivi.seesaa.net/article/232600830.html
【I:23.4%(32.7)、D:28.8%(39.0)、A:78.2%(38.6)、@:203.7%(41.9)】11/1
【I:24.3%(31.2)、D:32.8%(34.3)、A:89.8%(34.7)、@:224.8%(39.8)】11/2
【I:25.2%(29.9)、D:34.9%(32.2)、A:94.7%(33.2)、@:231.4%(38.8)】11/3
2011年11月6日、パパンドレウ首相が辞任を表明
【I:26.3%(28.4)、D:35.8%(31.3)、A:97.2%(32.6)、@:237.0%(38.9)】11/7
2011年11月9日、イタリア国債利回りが初の7%突破
2011年11月10日、LCHクリアネットがイタリア国債のマージン率を引き上げ
2011年11月11日、ルーカス・パパデモス前ECB副総裁を首相とする連立内閣が発足。
(この頃の記事)
http://jovivi.seesaa.net/article/233157533.html
http://jovivi.seesaa.net/article/233299687.html
http://jovivi.seesaa.net/article/234562318.html
2011年11月16日、パパデモス首相が議会で賛成255反対38で信任される、市場ではECBがイタリア・スペイン・ポルトガルの国債を必死に買い支え
【I:26.4%(28.3)、D:41.7%(26.5)、A:102.5%(31.7)、@:271.5%(36.2)】11/16
2011年11月17日、フランス国債のドイツ国債に対するスプレッドが初めて200bpsを超える、スペイン10年国債36億ユーロ分の入札で平均落札利回りが6.975%となり7%突破にリーチ。



・・・書き始める時に想像してたよりだいぶ大変だった・・・途中何度後悔したことか・・・なんとか書き終えることができて満足♪



で、このままの勢いで例の借金男の例え話もここまでのお話をまとめておきたいなと。


あるところに、ちゃんと働きもせず、稼ぎがないのに遊んでばかりで浪費癖のある男がいました。この男、借金をしては浪費をし、浪費をしてはまた借金をし・・・とどんどん借金は積み上がり、ついには物凄い額の借金を背負いました。

それでもこの男、職に就こうともしない、出費を減らそうともしない。最初は銀行からお金を借りていましたが、銀行はすぐに貸してくれなくなり、むしろ早く返せと迫ってきます。そんな折、ひょんなことから、この男がお金を借りている銀行に説明していた収支が大嘘であることがバレてしまいました。本当のことなんて言ったら銀行はとてもお金を貸してくれませんから、嘘の収支を伝えていたのです。それまではこの男、なんと、大手企業に勤務していて年収800万円で金融資産2,000万円、借金はたいした金額なし、と大嘘を言っていたのです。もちろんこの男は無職、金融資産などなく、借金まみれというのが実態です。本当のことを知った銀行は怒り狂って、借金を返せ返せと気合を入れて回収にやってきます。

もちろん返せと言われてもこの男に返せる金なんぞありません。そして、この借金まみれの男は目先の返済に充てるために、今度は銀行ではないまぁまぁ名の知れた会社からお金を借り、次には有名なサラ金から借り、そのうちシャレにならないところからも金を借りるようになっていき、支払金利はどんどん上がり、借金はもの凄い額に膨れ上がっていきました。毎月の借金の返済額と金利の支払い額は天文学的な数字になり、もちろんこの男に稼ぎはありませんからそんなものを払う余裕はなく、とにかく借りられるところから借りてきてはとりあえず目先の毎月の返済と金利の支払いに充て、なんとかその日その日を乗り切るという日々が続いていました。

そしてついには、シャレにならない高金利のところからもお金を借りることができなくなり、他から借りてきたお金で目先の金利と返済に充てることすらできなくなりました。それでもこの男はただ居直るだけ。「だって世の中不景気なんだからしょうがないじゃん。」「働こうにも楽で給料の高いところないし。」「必要なものに使えばお金は出ていくし。遊びにだって行きたいし。」「付き合いだってあるしさ。」・・・話になりません。挙句の果てには「僕がばっくれたらみんな困るでしょ?借金取り立てることができなくなったら困るでしょ?だったらお金貸してよ。」こんなことまで言い出す始末。

そこに突然、「よろしい。来月分のこの人の借金の支払いは私が用立てしましょう」という紳士が現れました。

果たしてこれでこの借金男の借金問題は、解決したのでしょうか。これは根本的な解決なのでしょうか。構造的には何も変わっていないように見えます。
でも、世の中の風潮は「これで一件落着、一安心・・・」という感じ。


それからしばらくの間は、この借金まみれの男の借金の返済日が近くなると紳士がやってきて、「しょうがないですね、今回の支払い分も私が立て替えておきましょう」と言って彼にお金を貸し、毎月の返済をしのいでいきます。

そんな日々がしばらく続き、この男は職探しをするようなことを言っては、実際には就職活動もせずに遊んでばかり。そんなある日のこと、この借金漬けの男の親戚を名乗る男が借金取り達の前にやってきました。

そして強面の親戚男は借金取り達を前に突然こう言います。
「オイ、お前らがこいつに貸してる金、半分にしてやってくれや」
当然、借金取り達は猛反発。あらゆる文句を親戚男に投げつけます。ところがこの親戚の男、かなり恐ろしい男で、鬼の形相で借金取り達を睨みつけて「俺はお前らと交渉に来たんじゃねーんだよ。最後通告に来たんだよ。お前らには借金半分にしてもらうことにした。俺がそう決めたことを伝えに来たんだよ。もちろん<自発的に借金を半分に>してくれるよな?でないとお前らを潰すぞ、この野郎。」と凄みました。借金取り達はしぶしぶ同意し、借金の額を半分にしました。

借金取り達は納得がいきませんが、まぁ万が一に備えて高い保険料を払って保険をかけておいたし、とりっぱぐれた分は保険屋からもらおうと、借金取り達が保険屋に保険金の請求に行くと、保険屋にはこう言われます。
「え?あなたがたが自発的に借金を半分にしたんですよね?だったら保険金はお支払いできません。」
保険屋にこう言われて借金取りたちは踏んだり蹴ったり。

さて、これは借金男の問題解決になったでしょうか?これで一安心でしょうか。はなはだ疑問ですが、でもニュース番組などは「ついに話がまとまった!これで一安心。ようやく決着!」みたいに報じています。


一方、借金まみれの男の今月分の支払いも立て替えてあげて、ピンチを救った紳士は、他にもこういう困った人がいるのでもう少しお金を用意しておく必要があるかなと思い、銀行にお金を引き出しに行きます。ところが紳士はATMにキャッシュカードを入れてびっくり。なんと残高は急減していて、とても他の人たちの借金の返済を立て替える分などありません。実はこの紳士のお金は最初から何人かの困ったちゃんの借金返済を面倒みてあげるほどの額はなかったのです。

この紳士のお金が底をつく日ももう見えています。困ったこの紳士は、頭を悩ませて、遂にいいアイデアを思いつきました。

今後は自分の財布に入っているお金を見せて、サラ金の人たちに「ほら、お金はちゃんとあります。もしあなたがたがこの人から借金を取りっぱぐれて、貸したお金を回収できなくなって損をしたら、損をした分の一部は、私がこのお金で負担してさしあげましょう。(あくまでも損した額の一部ですが・・・)」と伝えました。

更にこう続けます。「また、私は私のこうした活動を拡充するために、中国と日本というお金持ちのところに、お金を出してくれと頼みに行ってきます。」

で、肝心の借金まみれの男は相変わらず職探しをしているのかと言えばしていないと・・・浪費もやめていない。相変わらず過ぎます。

借金男の親戚の怖い男は、保険での穴埋めもできなくなってしまった泣きっ面に蜂の借金取り達にこう言います。「まぁ、お前らには悪いことしたな。悪かったよ。でもよ、半分返ってくるだけでもいいじゃねーか。こいつが吹っ飛んだらそれこそ全額回収できなくなるかもしれねーんだからよ。その代りよ、こいつにはきちっと就職活動をさせて、これからは真面目に働かせて、バクチや浪費癖もやめさせて、なんとか少しずつでも返していけるようにさせるからよ。それでいーじゃねーかよ。」

借金取り達はこの親戚男が恐ろしくて何も言えませんが、心の中ではこう思っていました。「いや、アイツは働かないよ。浪費もやめない。アイツあいつは筋金入りだ。どうせ俺たちが貸したお金は返ってこないんだろ・・・」

さて、親戚男は借金男のところに行ってこう言います。
「俺が仕切って借金の額を減らしてやったんだ。いい加減働け!それと、稼ぎもねーくせにバクチだなんだと金ばっか使ってんじゃねえ!いいな、明日から働け!」

ところが、この借金漬け男は、親戚男に向かってこう言います。
「イヤだイヤだイヤだ!今だってもうずいぶんガマンしてるんだ!お金だって前より全然使ってないんだ!いっぱいガマンしてるんだ!これ以上ガマンするのなんてイヤだ!働くのもイヤだ!めんどくさいもん!遊んでたいもん!」

さすがの親戚男もこれを聞いてしまっては呆れてものが言えません。
物陰でこっそり借金男と親戚男の話を聞いていた借金取り達の表情も曇り、お互い目を合わせて絶望感を確認し合っています。そして、借金取りたちは恐る恐る物陰から出て行って、ゴクリと唾を飲み込んで勇気を出して親戚男にこう言います。
「すいません、こいつにきっちり返済させるためにこいつの借金を半分にするって話でしたが、こいつ、こんな調子で本当に半分にした借金返せるんですか?怪しいもんですね。申し訳ないけどうちはとりあえず半分にするって話はナシにしてもらいますわ。こんな調子じゃいつ吹っ飛ぶか分かりませんからね。少しでも多く回収させてもらいますわ。」「うちもそうさせてもらうわ」「うちも・・・」

これでは、せっかくまとまりかけていた借金棒引きの話が崩れてしまいそうです。果たして親戚の男の苦労はなんだったのか!?
親戚男は引きつった笑顔を見せながら借金取り達にこう言います。
「ちょっ・・・ちょっ・・・ちょっと待ってくれ。こいつには後できっちり話をつけるから。待っててくれよ。働かせるからよ。な、頼むよ。」
借金取り達は表情を曇らせたままです。

そんな時、借金男が突然口を開きます。何を言い出すかと思えば
「じゃあさ、とりあえずさ、その話?みんなに僕の借金を半分にしてもらって残りの半分の借金を返すって話?あと、、借金を半分にしてもらう代りに真面目に働いて無駄遣いもやめるって話?こんな話を飲んじゃっていいか、家に帰ってパパとママに聞いてみるよ。」

親戚男と借金取り達は耳を疑います。
「はぁ?お前、何言ってんだ?」「全っ然意味わかんねーよ!お前に何の権利があるんだよ!」「何の相談するってんだよ!」

借金男は平気な顔でこう続けます。
「だからさ、みんなに借金を減らしてもらっても、残った分の借金は返さないといけないんだよね?そんなのつらいじゃん。そんな約束しちゃっていいのかパパとママに相談してみるんだよ。あ!そうだ、あと、彼女にも聞いてみないと。僕が節約していろんなところに連れて行ったりプレゼントをあげられなくなっちゃうと、彼女怒っちゃうかもしれないし。彼女にもガマンしてもらわないといけないからね。そんな約束、彼女に聞かずにできないよ。」

親戚男と借金取り達は一同揃って必死に止めます。
「やめろ!そんな相談してどうなるんだ!親父にそんなのダメだって言われたらお前どうするつもりなんだ!」「せっかくまとまりかけた話をお前はどうしてそうやってオシャカにしようとするんだ!」「彼女は今でもプレゼントが最近少ないとか文句言ってんだろ!そんな彼女にプレゼントやデートをもうちょっと我慢してくれなんて言って、うんわかったなんて言ってもらえるわけがねーだろ!」

借金男は口をとがらせて、ため息をつきながらこう言います。
「ちぇ・・・わかったよ。そんなに言うなら、パパとママと彼女に相談するのはやめるよ。相談もせずにそんな約束しちゃって大丈夫かなぁ・・・」

やれやれ・・・この先どうなることやら。
つづく。

というのがこれまでのお話。


ギリシャ問題というのはこんな感じでございます。
目先の借金を紳士が立て替えてあげても、親戚男が強引に借金を減らしても、根本的な問題解決にはなっていません。

↓ランキングです。ポチッと押して投票お願いします。
にほんブログ村 株ブログ 投資信託へランキング参加中!





ど素人がはじめる投資信託の本

ど素人が読める決算書の本

posted by ジョン太郎 at 13:53| Comment(5) | TrackBack(0) | ジョン太郎のマメ知識 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
すごい力作のまとめ、お疲れ様です。

今更ながら、こんな国をユーロ圏に加えた時点で、
今の状況が予定されていたような・・・><
Posted by mushoku2006 at 2011年11月20日 19:34
パパとママと彼女の一節は秀逸でした。
思わず吹きそうになりましたw

Posted by うっちー at 2011年11月26日 12:47
借金男、最高!
ジョン太郎さんの文才に、改めて感動です。

物語としては続きが楽しみです・・・が、実際は深刻ですよね。
国の破綻って、その国の国民に影響はないのですか??

Posted by oka at 2011年11月28日 01:13
記事には関係のない話なんですが、
勝手に私のブログでこちらを紹介してしまいました。
支障があれば訂正しますので、
遠慮なく、おっしゃってください。m(_ _)m

http://blog.livedoor.jp/mushoku2006/archives/51029932.html
Posted by mushoku2006 at 2011年12月03日 16:01
mushoku2006さんへ
こんにちは。コメントありがとうございました。
ヨーロッパの人に言わせると、ユーロに加盟するよりずっとずっとずーっと前から、ギリシャはああいう国だ、ということです。
まぁ、スペインだのイタリアだのも褒められたもんじゃないですが。

これからもよろしくお願いします。


うっちーさんへ
こんにちは。
コメントありがとうございました!
なんか借金男の話が私の知人の間でも妙に人気で自分でも驚いてます。ドラマ化されればいいのに、って言ってる人もいましたw 擬人化ドラマっておもしろそうですけどね。主人公がギリシャ、って。・・・あんまり笑えないか。

これからもよろしくお願いします。


okaさんへ
こんにちは。コメントありがとうございます。
文才なんてものは私にはないんですけどね。例え話をよく使うよね、というのはこのブログを読んでくださってる方からも、知人からもよく言われます。
国の破たんは国民にめちゃくちゃ影響ありますよ。アルゼンチンがデフォルトした時は物々交換市場ができてましたし、通貨価値が暴落すれば外国からモノが買えなくなりますし、海外へ行くことも難しくなります。資産も大幅に目減りしますしね。影響はメチャクチャ大きいです。


mushoku2006さんへ
mushokuさんのブログでご紹介いただいたとのことですが、全く支障ありません。このブログはTOP
ページに書いてあるように、リンクフリーです。有害サイトからのリンクだけはお断りしてますが、それ以外であればリンクしていただくことは全く問題ありません。

これからもよろしくお願いします。
Posted by ジョン太郎 at 2011年12月04日 16:17
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]

認証コード: [必須入力]


※画像の中の文字を半角で入力してください。
※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。

この記事へのトラックバック
×

この広告は1年以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。