2011年11月02日

MFの話とヨーロッパの話を取り急ぎ

あんまり時間がないのでいつも以上に走り書きになってしまうと思いますが、これは書いておかないとということで。

MFグローバルという金融機関が破綻しました。主にブローカー業務と投資銀行業務をやっている、日本式に言えば証券会社。22社しかないアメリカのプライマリーディーラーのうちの1社です。

大口株主はピラミスが8.44%、RSインベストメンツ(ベイビューのほうが知られてるかも)が7.81%、ファイン・キャピタルが7.37%、など。また、JCフラワーズという金融専門のプライベート・エクイティの会社が優先株を大量に持っていました。で、そのJCフラワーズ、このMFの優先株で4,780万ドルの損を出したって話がニュースで出てます。額面1億5,000万ドルの優先株を8,740万ドルで買って4,780万ドルの損と。ちなみにJCフラワーズは新生銀行の筆頭株主です。当のフラワーズ氏も新生銀行の社外取締役をやってる人(今もそのはず)。昨年初には、フラワーズの投資ファンドが破産法申請をしてちょっとニュースになってました。優先株とか優先出資証券が個人投資家の間でもよく話題になってますが、こういうニュースは心に刻んでおいたほうがいいです。優先株とか優先出資証券というのは「優先」という言葉はついてますがあくまでもエクイティで、「エクイティの中では」優先されるってだけの他ならぬ「エクイティ」です。債券なんかと同じ感覚で投資したらエライことになります。プライマリーディラーをやるような大きな金融機関の優先株を買って半値になった話があった、というのは是非心に留めておきましょう。

さて、MFに話を戻して、この会社、自己勘定投資で63億ドルものお金をこの状態の欧州の国債に突っ込んで大損したのがトドメになった模様です。利回りは確かに高いけどね。

ここ最近の動きとしては、同社の身売り話のウワサが市場ではずっと出ていたところに、24日、ムーディーズがMFグローバルの決算が目標(通期で2〜3億ドルの黒字)未達となる見込みとリスク管理に対する懸念から同社を格下げ。25日発表の同社の7-9月決算は過去最大の四半期損失となる1億9,160万ドルの赤字。27日には回転信用枠を使い果たし、お金を引っ張れない状態に(25日には13億ドルの信用枠がまだ残っていると発表していたようですが)。そして昨日、31日、チャプター11(連邦破産法11条)を申請。債務総額は397億ドル。31日から今日にかけて各取引所が同社との取引を停止。同社株も取引停止。

同社はNY証券取引所をはじめとする各国の証券取引所、ばかりでなくLME(ロンドン)やCME(シカゴ)などの先物取引所の会員でもあり、先物取引のクリアリングハウス(平たく言えば、お客さんの注文をまとめてとって代表して取引所に投げる。1人1人のお客さんとのお金のやり取りをやってあげる)でもありました。このクリアリングハウスになっているという点で、リーマン・ブラザーズのような連鎖が懸念されるという報道もありますが、リーマンは相対の取引をめちゃくちゃな額でもっていたという点と、MFは先物の取り扱いが多かった、という点が異なります(もちろん今はMF経由の取引は解約・清算に限られています。)。

先物について詳しく説明することは避けますが、先物取引と言うのは基本的にカウンターパーティーリスクの極めて低い取引で、かなり限定的であると言っていい取引です。ただ、ゼロではないリスクが残る部分が取引所自体のリスクとこのクリアリングハウスのリスクです。もちろん、クリアリングハウスが吹っ飛んだ場合でも、自己勘定とは分別されているはずなので、基本的には影響がないはずです。一時的に清算のために、清算内容が確定するまで凍結されるとかはあってもちゃんと返ってくるケースがほとんどだと思います。

ただし、です。分別されている「はず」であって、実は分別してなくて使っちゃってた、なんていう話が飛び出してくる可能性もゼロではないです。そこは分かりません。31日にはMFは「一部顧客勘定に欠損が生じる可能性があると当局に伝えていた」と報じられていますし、「行方不明」の資金の額が7億ドルなんて話も流れて来てます。なので、クリアリングハウスってだけだし、先物は基本的にカウンターパーティーリスクのない取引だから大丈夫、となんてことは私にはとても断言できません。この後、何が飛び出してくるかわかりませんから。相対のデリバティブ取引と、取引所の先物取引の性質は確かに違います。それは言えると思いますけどね。

影響は限定的かもしれませんが、なくはないはずです。JCは5,000万ドル近い損をしているみたいですし、負債総額も400億ドル規模なわけですからね。今後の動きに注目です。



・・・もうちょい時間あるな。他の話もついでに。

日銀が史上最大規模の介入をやりました。やった瞬間は本当に火柱が立ったみたいになりました。75円57銭あたりから一気に79円54銭までいきましたからね。でも私の見方は変わりません。このくらいでは「方向性」を変えるには至らないと思います。介入しましたか、そうですか、という感じです。実際、政治の臭いばかりがする介入ですし、意外と本人たちも効果はそんなに期待してなかったりして。

オーストラリアが市場予想通り利下げ。インフレは高まってきてますが、水準としてはそんなに高くないしコントロールできてるってことなんでしょう。それでも私には豪ドルに一点張りする勇気はありませんが・・・
いっぱい分配金がもらえてAAAで安心、コアラもいるよ、カンガルーもいるよ、の豪ドル債ファンドには毎週500億円の資金が流入しております。そういう人たちなんだからしょうがないよね。

週末に欧州債務危機対策合意について書きましたが(http://jovivi.seesaa.net/article/232600830.html)、知人たちからは最近で一番反応が多かったです。借金取りの話の続き聞かせてくれという声も多かったです(笑)
私が作ってる話じゃないからその先の話が出てこないと書けないのよ、と。

その欧州債務危機対策合意についての記事でも書きましたが、今回は別の箱も用意して日本や中国にお金を出してもらうプランがあるんですが、ノルウェーはアッサリNO。知らんがな、というのをキッパリと言いました。さすがと言えばさすが。一方の日本はEFSF債の購入を継続する旨を表明。別の箱の話は「まだ何も約束していない」ということらしいですが。中国は最大級の被害者になる可能性もありますから、もちろんお金は出すんでしょうけど、めちゃくちゃな要求突きつけるんでしょうね。

イタリア国債の価格、週明けも下げてます。包括対策合意で、やっと一安心、ならなんでイタリア国債の利回り上がるのよと。イタリア国債の利回りは10年国債が6.30%と6%以下に戻せるかどうかどころかグングン上がってます。5年債も6%突破で6.15%、2年債も5.42%まできてます。これはきついですよ。慎重に見ておいて損はないと思います。

取り急ぎこんな感じで。

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posted by ジョン太郎 at 00:15| Comment(0) | TrackBack(0) | ジョン太郎のマメ知識 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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