2011年09月13日

ギリシャ国債の現在の利回りは何%でしょう?期間の短い債券の利回りのほうが高くなってる理由も。

なんだか、これの続報を楽しみにしていらっしゃる方が結構いらっしゃるみたいなので・・・アップデートです。あと、前回までの記事を読んで「なんで2年物より1年物の利回りのほうが高いの?」「1年物の利回りが一番安くなるはずじゃない?」という疑問を持たれた方が結構いらっしゃるようなのでその説明もさせていただきます。


10年物が25.0%、5年物が29.0%、2年物が76.3%、





では1年物は。





どのくらいだと思いますか?





正解は・・・





・・・ゴクリ






136.6%!!!

凄いですねー。



「国債の利回りが100%を超えるなんてあり得るの?」

「なんで2年物より1年物の利回りのほうが高いの?」

「1年物の利回りが一番安くなるはずじゃない?」


こういう疑問を持つ方もいらっしゃると思います。



その答えはこういうわけです。

これは債券の利回りが最終利回り(終利、YTM)で表示されるためです(日本では直接利回り(直利)も結構使われますが、市場では終利を使うのが普通です。直利と終利の違いは、計算の仕方・考え方の違いだけです。どう違うかと言うと、償還時の債券のキャピタルゲイン・ロスまで含めて利回りを計算するのが終利、単にインカムゲインの利回りだけを計算するのが直利です。例えば120で買った債券が100で償還される、クーポンは5、だとすると120で買ったものに5のインカムが来るので直利は5÷120=約4.17%、となります。でも、この債券は満期には100で償還され、120で買ったものが100で償還されて20の損が出ます。もし1年後が満期だとすると、クーポンは1年分の5しかもらえず、20のキャピタルロスが出ますから、損益はマイナス、もちろん利回りはマイナス表示になりますね。この、満期日のキャピタルゲイン・ロスまで含めて計算するには、{(1年当たりのインカムゲイン)+(1年当たりのキャピタルゲイン・ロス)}÷購入価格、で計算できます。

今、市場には来年8月20に満期を迎えるギリシャ国債があります。だいたい1年物です。クーポンは100に対して4.1払われ、満期には100で償還されます(ギリシャ政府が借りている債券ですから、ギリシャ国債が約束を破らなければ、ですが。)。

この債券は現在40台で取引されています。計算を楽にするために、41でこの債券を買う人の利回りを考えてみましょう。41で買った債券に4.1のクーポンが支払われますから、単純に直利を計算すれば10%です。実際には1年未満で4.1のインカムゲインを得るので、1年当たりのインカムゲインにするともう少し多くなります。話を簡単にするために4.1ちょっとだと思っておきましょう。

一方、41で買った債券が1年弱を経過後に100で償還されますから差し引き59のキャピタルゲインが得られます。これも1年当たりにすると59ちょっと、ということになります。この4.1ちょっとと59ちょっとの合計63.1ちょっとの利益が購入価格の41に対して入ってきますから、63.1ちょっと÷41=153.9%ちょっと、ということになります。これがこの債券の最終利回りです。国債の利回りが100%を超えるというのはこういうわけです。

2年債の利回りのほうが1年債よりも低くなるのは、1年当たりのキャピタルゲインが1年物より小さくなるからです。もしこの債券の満期が2年後だとしたら、2年後満期に59ちょっと得られるキャピタルゲインは1年当たり30以下になってしまいます。6年ものなら10以下です。これを1年あたりのインカムゲインと足して購入金額の41で割るわけですから、期間が長くなるほど1年当たりのキャピタルゲインは薄まってしまい、利回りが低くなります。通常は国債の価格はそんなに大きく動きませんから、こんな風にはなりませんが、ギリシャ国債のようにめちゃくちゃな値段で投げ売りされるようになるとこういうことが起こります。

というわけでギリシャ国債が市場でどういう扱いになっているかお分かりいただけましたでしょうか。1年後にギリシャの政府が100の元本を払うと約束している国債が40台でしか買ってもらえない、それが今の状態です。

またアップデートしますね。



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posted by ジョン太郎 at 23:20| Comment(3) | TrackBack(0) | ジョン太郎のマメ知識 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
ご無沙汰しております。投稿はひさしぶりですが、毎日、チェックしています。

Q1.万が一(この表現は不適切か?)デフォルトになった場合、1・2・10年物はすべてデフォルトになるのでしょうか?たとえば、1年物がデフォルトになり、10年以内に財政が正常化した場合に、10年物は通常通りに償還されるということはないのでしょうか?

Q2.その場合、償還差損を1・2・10年のどれで割るのかで、キャピタルゲインが激変し、最終利回りが変わるのは下記の数式が示すとおりですが、こうは、考えられませんか?
⇒デフォルトの可能性(リスク)は、短期のほうが長期よりも高いので、最終利回りを反映した1年物44・2年物43・10年物40という値段がついている。

記事中の最終利回りから逆算(クーポン利率4.1)
01年物44・・・{4.1+(100-44)/01}/44*100⇒約137%
02年物43・・・{4.1+(100-43)/02}/43*100⇒約076%
10年物40・・・{4.1+(100-40)/10}/40*100⇒約025%

債権の門外漢(株だって素人ですが)の質問ですが、よろしくお願いします。
Posted by 菱沼聖 at 2011年09月18日 13:43
菱沼聖さんへ
こんにちは。コメントありがとうございます。

Q1.そういうことはありません。そんな優先・劣後構造があればそれこそ問題です。

Q2.Q1の答えの通りです。

あまりこういう細かい話に突っ込んでいくのはこのブログのコンセプトに合わないので、申し訳ありませんが、このくらいにさせていただきます。素っ気ない回答ですみません。このブログはあくまで大枠をつかんでいただくためのものです。大枠を理解していただくための細かい話をすることは必要に応じてありますが、細かいところをどんどん深堀りしていくというのはこのブログのコンセプトに反します。ご理解いただければ幸いです。

これからもよろしくお願いします。
Posted by ジョン太郎 at 2011年09月19日 20:44
回答をありがとうございます。

その回答を読んだ瞬間に思ったのですが、何年物だろうが、定期的に利払いがあるのだから、デフォルトの際は、それこそ優先・劣後構造がない限り、どれもデフォルトになるのですね。元本償還のことしか頭になかったので。

あさはかさを世間に大公開してしまったっちゃ、きゃは、きゃはは。
Posted by 菱沼聖 at 2011年09月20日 12:56
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