2006年07月15日

分散投資と相関係数

なんだかすげえカタイ題名ですが、あんまり気にしないでください。意味わかんなくってOKです。あとできっと分かるようになりますから。
さて、RSTSさん、コメントありがとうございました。
http://jovivi.seesaa.net/article/20503556.html#comment
毎月3万円ずつ積み立てる場合、同じものを3万円ずつ買っていくのがいいのか、3本ちがうものを1万円ずつ買っていくのがいいのか、というご質問ですが、これは非常ーーーにおもしろい質問です!
3本別々なファンドを買うとしたら、欲張りとか優柔不断とかそういう問題はおいといて、投資の観点から3つの理由が考えられると思います。
@甲乙つけ難い、どれも非常に魅力的な3つの市場に投資をして、収益機会を逃さないようにする
A3つの市場に自分のお金を投資することで、3つの市場にアンテナを立てて、1つの市場でなく、3つの市場に注目できるようにアンテナを張る
Bリスクを分散する

@もしくはAの理由で3つのファンドに投資するなら、これはこれでOKなんだと思います。ただし、難しいのはBの場合です。
まず、この記事読んでない方は、この記事をとりあえず読んでみてください。
http://jovivi.seesaa.net/article/17902378.html
「分散投資の効果、長期投資の効果」(2006年05月16日)

リスクというのはブレ幅のことであり、波の大きさです。そして、逆方向に動く性格を持つ2つの銘柄を組み合わせることで、お互いの波が打ち消しあって、合わせた波が穏やかに(=リスクが小さく)なります。この、逆方向に動くのか、同じ方向に動くのか、というのを表す便利なものが「相関係数」(そうかんけいすう)と呼ばれるものです。これはA君とB君のテストの点を3年間ずっと比べていったときに、A君のテストの点がいいとB君のテストの点もいい、A君のテストの点が悪いとB君のテストも悪い、という風に全く同じような動きをするとき、相関性が高いといいます。相関係数は-1から1の間で表され、相関係数が1の場合は2つの数字が全く同じ動きをするという意味であり、-1というのは「逆相関」とも言い、2つの数字が全く正反対の動きをするということを意味します。

とりあえず、下の表を見てみてください。これは1996年4月から2006年3月までの10年間の各資産の値動きについて、それぞれ別の資産との相関係数を計算して、表にまとめたものです。たとえば、一番左上の紺色に塗りつぶしたところの1つ下のマスにある0.96という数字は日本国債と世界国債の相関係数を表しています。日本国債と世界国際はほぼ同じ動きをしていた、と言えます。そのまま下のほうへズズズっと見ていっていただきますと、「日本株」って書いてあるところの右の数字、-0.79ってなってます。これは日本株と世界国債の相関係数が-0.79、つまりほぼ全く逆の動きをする関係にあったということがわかります。

CORR1.jpg


先ほどの3つの理由のうちの3番目の理由、「リスクを分散する」ということであれば、相関係数の低いもの同士を組み合わせて、合わせて持つことで単独で持つよりもリスクが下がる、波が穏やかになるような組み合わせを考えないといけないのです。これが大変です。さっきの表は私の計算違いだってあり得ます。また、あくまで過去の数字であり、「これから先の未来」では、これまでずっと反対の動きをしていた2つの資産が全く同じような動きをしていくようなことだってあり得るのです。もちろん、経済のメカニズムとして、ある国の株式はその国の債券の値動きと逆になる、というような性質は持っています。ただ、株と債券を組み合わせる、くらいの基本はわかっても、ちゃんと分散の効果が出るような組み合わせを考えて、分散効果が出るように組み合わせること、分散の効果が最大限発揮できるように組み合わせること、はとても難しいのです。ダカラナンダヨって言われるとつらいですが、日本株とインド株の組み合わせはどうですか?と聞かれて、その理由がBだったとしたら、正しい組み合わせかどうか答えるのは非常に難しいところです。一応上の表だと-0.01になってるので、この10年について言えば、相関の関係は弱かったみたいですがね。

ところで、ジッサイに相関係数の低いもの同士を組み合わせた場合を見てみましょう。

CORR2.jpg

上の表のまず赤いところを見てみてください。同じ96年4月から06年3月までの10年間について、いつもの1年リターン(今日までの1年、昨日までの1年っていう風にいっぱい算出して、その平均とかを出す)を計算してみたものです。フランス株とドイツ株はそれぞれ平均リターンが11%くらい、リスク(標準偏差)26%と30%くらいです。で、2つを組み合わせたのが赤い部分の一番右の「仏国株+独国株」って列です。一番下の行には相関係数をのせてます。フランス株とドイツ株の相関係数は・・・0.96!高っ!ってあたりまえか。そういうわけで、組み合わせてもリスク度合いは大して変わってません。分散の効果があんまり出てないってことですね。

次は黄色。アメリカの債券とイギリスの債券。相関係数は0.67で、フランス株とドイツ株の組み合わせよりちょっと低くなってますね。組み合わせたときのリスク・リターンのバランスも良い感じです。次、青いところ。問題の日本株です。この10年間の日本株の平均年間リターンは-2.2%でした。つらい時代でしたねぇ。そんなときに、日本株と香港株を組み合わせてたらどうなったか。相関係数0.37の香港株との組み合わせでは、リターンはちょっと改善しましたが、これは日本株の平均リターンが低すぎたってだけで、分散投資によるリスク低減の効果はあんまり出てないですね。ところが、世界国債との組み合わせはどうでしょう。相関係数-0.79の世界国債と組み合わせると日本株単独だった場合に比べて、大幅にリスクが小さくなっています。これが分散投資の効果です。でっきるだけ相関係数の低いもの同士を組み合わせることでリスクを小さくすることができるのです。ただ、忘れちゃいけないのは、リスクは収益の源泉でもあり、リスクをひたすら小さくすればいいってもんじゃないってことです。あとね、青いところ見てると何か気付きませんか?「だったら、日本株なんか混ぜずに世界国債だけ持ってたほうがよかったじゃん!」って思う方もいらっしゃるかもしれませんが、これはたまたまこの期間はそうだった、くらいに思った方がいいです。「今回のデータ期間の1996年4月から2006年3月までの10年間は日本株を混ぜるより世界国債だけを持ってたほうがよかった」ことは確かですが、「2003年4月から2013年3月までの10年間は世界国債なんか混ぜるより日本株だけ持ってたほうがよかった」となるかもしれません。既に最初の3年で日本株は倍になってますしね。

私は、RSTSさんくらい若い方だったら日本株だけ3万円でもいいんじゃないかって思いますが、もし2銘柄にしたいってことなら、日本株とヨーロッパ株の組み合わせってのはどうでしょうか。あんまりリスク低減効果は期待できませんが、結構おもしろい組み合わせだと思います。あとは順当に日本株と世界国債の組み合わせ・・・でも世界中のあちこちの国でこれから金利が上がっていくって局面で債券買うのもなぁ・・・って思うかもしれませんね。そういうことなら、グローバルREITやグローバル転換社債あたりを使うといいと思います。日本株+グローバル転換社債とか、日本株+グローバルREITってシブイですね。

RSTSさんこんなんでいかがでしょうか?


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posted by ジョン太郎 at 13:11| Comment(1) | TrackBack(0) | ジョン太郎のマメ知識 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
ありがとうございます。参考になります。最近村上ファンドとか、さわかみファンドとかありますが、こういうのはどうなんでしょうか?
Posted by RSTS at 2006年07月15日 21:17
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