2006年05月29日

カニでもわかる簿記と決算書の読み方C【キャッシュフロー計算書って何さ】

カニでも分かる簿記と決算書の読み方@ABの続きです。@からBを読んでからじゃないとわかんないと思うので、まだの人は@〜Bを先に読んでください。

カニでもわかる簿記と決算書の読み方@【簿記って何さ/なんで決算書なんか作るのさ】
http://jovivi.seesaa.net/article/18412361.html
カニでもわかる簿記と決算書の読み方A【損益計算書って何さ】
http://jovivi.seesaa.net/article/18426637.html
カニでもわかる簿記と決算書の読み方B【貸借対照表って何さ】
http://jovivi.seesaa.net/article/18484924.html
今回はいよいよカニでもわかる簿記シリーズの最終回!キャッシュフロー計算書の巻です。キャッシュフロー!なんかよく耳にしますねぇ。なんなんでしょうねぇ。よくわかんないけど、オサレなバーで高そうなシャツを着て「だからさぁ、結局、キャッシュフローが大事なんだよ」とか言ってるお兄さんはなんかインテリに見えたりします。実際どんな話をしてるのかは分かったもんじゃないですが・・・横にいるオネーサンも、それを耳にして、オオッ!なんかインテリな男前がいる!って振り返ったりね。よく分からずに使っちゃって、「いやー、こないだキャッシュフローに当たっちゃって3日寝込んだよ!」とか「今日さー目の下にクマできちゃったからキャッシュフロー厚めに塗り過ぎちゃっ(略)」とかは間違った使い方です。注意しましょう。よく分かりませんが・・・気にしないでください。中年の戯言です。

さて、そのよく分からないキャッシュフロー、ってなんなんでしょう。一言で言えば・・・と言いたいところですが、実は結構いろんな使い方をされているので、一言で言えなかったりします。キャッシュフローってのは一般的には、現金の出入りのことを言います。あとは資金の増減とか、実際のお金の流れとか、どっかから生まれてくる現金のこととかを指して使われたりするので厄介ですが、普通はキャッシュフローってのは現金の出入りのことです。

今、手元に1万円しかなくって、給料日まであと4日あるお兄さんが、今月の電話代の引き落としが2日後に4,000円あるから銀行に4,000円いれないといけなくって、こないだの飲み会の立替えの回収があと1万円まだ回収できてなくって、明日は前から楽しみにしてた合コンがあって・・・というような状態をキャシュフローがタイトだとかキャシュフローがキツイ状態と言います。企業でも一緒。貸してるお金とか、売れば現金になるお金とか、化ければすごい金になる投資とか、見栄で建てちゃって建設費は200億円かかってる立派な本社ビルだとか、スポンサーで2億出しててそれがいつかは、とかそういうものは置いておいて、今手元に現金はいくらあるのさ?ちゃんと日々の商売の現金は回ってるの?ってのが気になるところです。それを表すのがキャシュフロー計算書。さっき言ったようなよくわからない換金性の乏しいものにばっかりお金を使ってると、手元の現金が苦しくなって、いきなりパタンと倒れちゃったりします。アキナイの基本はゼニでございます。手元の現金がちゃんとあるのか、当面の資金繰りには困んないのか、来月100万払うためのお金は、今月のバイト代20万円と、先輩に貸してる30万円の回収と、来週のパチンコの勝ちの20万円と、ナンバーズで当てる10万円と・・・オイオイそれでもまだ足りてないよ・・・こういう風にならないように、企業でも個人でもキャシュフローをマジメに考える必要があるわけです。ハイ。

じゃあいつものヴィヴィ子インターナショナル株式会社の今期のキャッシュフロー計算書を見てみましょう。キャッシュフロー計算書も、損益計算書と同じく期間中のをズラーッと表すビデオみたいな表です。期末時点をカメラで撮った写真のような貸借対照表とは違います。これはすごく便利な表です。

CF1.jpg

まず青と赤と黄色の部分。営業キャッシュフローと投資キャッシュフローと財務キャッシュフローです。企業の行動を営業活動、投資活動、財務活動という風に分類して、それぞれの活動にどういう風に現金を使ったのかがわかるようにまとめたものです。それぞれの3ブロックの数字が+か−になってるかで、その1年間のその会社の行動が結構見えてきます。+、つまりゼロ以上の数字なら現金を稼いだという意味で、−、つまり0以下の金額なら現金を減らしたということになります。ヴィヴィ子の営業キャッシュフローは+の数字です。つまり営業で現金を稼いだ。深く突っ込まずにフーンくらいでサーッと次へ。投資キャッシュフローが−なので、投資で現金を使った。んで、財務は+で財務活動により現金を集めた。営業で稼いだ現金と財務活動で集めた現金を投資に使ったってことです。しかも営業で稼いだ現金の額150万円と財務活動で集めた150万円の合計額300万円より、投資に使った現金500万円のほうが多い。つまり手元にある現金のおサイフからもお金を出してるってことです。それが緑の部分。で、オレンジは今期が始まる前の現金の額で、紫が今期終了時点の現金の額。ヴィヴィ子は今期が始まる前に手元に1,200万円ありましたが、今期中、営業で稼いだ150万円と財務活動で集めた150万円を投資に使い、500万円の投資をしました。足りない分は手元の現金を使ったため、手元の現金は200万円減り、今期終了時点で手元の現金は1,000万円になりました。ってことがここからわかるわけです。で、具体的に何に使ったのさ!ってのがグレーのとこでわかります。

落ち着いて営業活動のとこから見ていきましょう。儲けが150万円。これはわかりやすい。利益の150万円による現金収入です。ツケを増やして300万円の現金増加。これはどういうことかって、これまで現金で払ってたものをツケ払いにして現金出費を抑えたってことです。だから手元の現金が減ってない。現金を稼いだことになるんです。税金払った。現金で払いますから当然現金は減少。在庫が増えるってのも現金を減らすってのはわかりますよね。現金で仕入れて売れずに在庫で商品が手元に残れば現金だけ減りますから。ツケで支払われるものが増えたことによる現金の減少はわかりますか?現金で払ってもらってた分をツケにされたらその分の現金が入ってこないわけで、当然現金が減っちゃいます。これらが営業活動によるキャッシュフローです。トータルで150万円の+です。ツケ払いで増やした現金も在庫の増加と、文字どおりツケが回ってきたツケにされちゃった分の増加と、税金でチャラになってしまい、結局儲けの150万円分の現金しか稼ぐことができませんでした。

肝心の何に使ったのさってところ。投資によるキャッシュフローのところを見ると、どうやら工場を買ったみたいです。営業で稼いだお金と、財務活動で集めたお金と、手元の現金を足して工場を買ったんだねってことが分かります。悪いことじゃないですが、手元の現金が減っているのでヴィヴィ子はちゃんと分かってるのかなと心配になりますね。新しい工場を手に入れて浮かれてたら現金足りなくなってパタン。ではシャレになりません。

財務キャッシュフローを見ると、ちょっと借金返したみたいですね。借金を返すのに現金を使いますから、ちょっと借りてたお金の返済の分で現金が100万円使われてます。で、工場用に250万円の借金をして現金を集めてます。ただでさえ多い借金を更に増やしたんですねってことがわかります。この時、前回やった貸借対照表の左に資産、右上に負債っていう青と赤と黄色の図を使ってイメージできると非常に便利です。さらに、あっ!貸借対照表の右側で流動負債がちょっと減って固定負債が増えたんだな!ってことがカンタンにイメージできると凄いです。無敵です。ちなみに貸借対照表ってのはBSって言うと楽です。「うちの会社のビーエスがさー」とかオサレに言ってみましょう。・・・衛星放送の会社だったりして。・・・スイマセン。悪気は無いんです。BSってのはBalance Sheetの略で、貸借対照表ってのは発音も大変だし、書くのはもっと大変なので、BSって書くことが多いです。損益計算書はPL。Profit and Loss Statementの略です。今年のPLはピッチャーがさー(自粛

ジョン太郎のとこのキャッシュフロー計算書も見てみましょう。

CF2.jpg

もうフーンな感じですか?このキャッシュフロー計算書を見てわかることはなんですか?今期ジョン太郎は現金をどういう風に使ったんでしょう。営業活動では儲け分で150万の現金増加、自分はツケ払いを増やし、人にはツケ払いを減らさせるというアコギなやり方で現金を増やしまくってますね。在庫もさばいて(レストランだったはず・・・冷凍肉一気に使った?)更に現金増加。営業活動で500万円の現金を増やしたようです。で、ヴィヴィ子と同じく工場を買ったみたいですが、それでも現金がまだ余っていたようで、それを借金の返済に充ててます。借金を200万円返済して、なお100万円余っていたため、前期末に比べて手元の現金が100万円増えてますね。

以上で4回にわたってお送りしたカニでもわかる簿記シリーズ完結です!いかがでしたか?思ったより難しくないでしょう?こんなもんでいいの?こんなんで大丈夫かよって思われるかもしれませんが、こんなもんで大丈夫です。むしろ、余計な難しい言葉ばっかり並べて苦手意識を持たせちゃったり、そもそもなんでこういうものが必要なんだとか、これを使って何がわかるのか、とかが分からなかったら、いくら難しい会計用語とか勘定科目とかを丸暗記で覚えても意味が無いです。車を会計上は何に分類するか。そんなに重要なことじゃないです。分類する先のバスケットのことを勘定科目(カンジョウカモク)って言うんですが、車は車両運搬具(シャリョウウンパング)っていう勘定科目に分類します。車は車両運搬具っていうバスケットにぶち込んどきなさいってことなんですが、車両運搬具っていう中国語かと思うような漢字だらけの言葉を覚えることは私はそんなに重要だとは思いません。みなさんが会計処理をする機会はあんまりないでしょうし、決算書ってのは作る人より読む人のほうが圧倒的に多いものなのです。読めればいいんです。見てわかればそれでいいんですよ。BS、PL、キャッシュフロー計算書の3つの書類の意味がわかって、どういうことがわかるのかイメージができて、フーンこんなもんかって思うことの方がずっとずっと大事です。興味があったらもっと詳しいちゃんとした本を買うなりして勉強してみてください。でも、ここで書いた内容くらいでも充分ですよ。マジで。ここに書いたことを体系的に理解できてないのに、勘定科目ばっかり覚えてる人もいますが、あんまり実用的じゃないです。

私は金融の世界にいて実際の仕事でもこのくらいのレベルで考えてますが、それでも企業の資産を流動化する仕事をしたり、SPCを作ってオフバラ化した債権資産を証券化した商品を考えたり、企業価値を計算したりするような仕事をした時も困ったことはありません。何言ってるかわかんないかと思いますが、そういう意味不明な言葉の飛び交う仕事をしたときも全然このレベルの理解で困りませんでしたよってことを言いたいだけです。全然大丈夫。ちゃんと体系的にわかってること、企業活動を数字ですぐイメージできること、数字からイメージできるようになることが大事。簿記って難しそうだなーって思ってた皆さんにアレルギーを持たせずに、このくらいのレベルのことでいいから、皆さんにフーンこの程度かって言ってもらえたら、私は充分すぎてお釣りが来ると思ってます。

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記事投稿からだいぶ時間が経った今でも人気のこのコーナー「カニでもわかる簿記と決算書の読み方」略してカニ簿記が本になりました!



posted by ジョン太郎 at 00:01| Comment(0) | TrackBack(0) | ジョン太郎のマメ知識 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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