2011年01月25日

こういう本は買わなくていいと思いますよ

今日はそんなお話。


こないだ、飛行機が大幅に遅れて携帯からブログ更新しましたよね。ブラジルの利上げの話。
あの後も、飛行機が飛ぶまで時間がだいぶあったので、本屋に行って投資とかマネー系とかの雑誌や本をパラパラと立ち読みしていたんですが、まぁー凄い数の本がありますね。空港の本屋でもこんなにあるのかっていうくらいあります。雑誌なんて毎月よくもそんなに書くことがあるなぁと思いますが、あれこれ流し読みしてると内容がまた、まぁーひどいです。

皆さんに読んでいただきたいもの、おすすめしたいもの、は1冊もありませんでした。むしろ、誤解を与えたり、間違った知識を与えてしまったりするほうがずっと多いと思うので、読まないでいただきたいくらい。以前にも、おすすめの本はありますか?って聞かれて同じような話を書いたことがありますし、投信の本を書くことを決めた大きな理由でもあるんですが(投信本のまえがきに書かせていただいた通り)、よくもまぁこんなにウソや間違った知識に基づく情報を偉そうに書けるなぁ、こんな勘違いしてて専門家っぽい肩書きつけた文章書いてて恥ずかしくないのかなぁ、というものばっかり。本当にゲンナリしちゃいます。

こんな本買うくらいなら、投信の販売手数料払ったほうがマシ、それどころか宝くじ買うなり、パチンコでもしちゃったほうが、なんて思うくらいです。



例を挙げたらキリがないんですが、1つ。高分配が狙えるファンド、みたいなのを書いてるのがあって、その特集自体まぁひどいんですが、その中に「リーマンショック直後とか2009年ごろに設定されたファンドが狙い目」的なことが書いてあって、「どういうこと?」と思いながら読んでみると、「割安な時に組み入れができているから。超割安なときに買った銘柄をもっているから。割安なところで買えたおかげで今の相場で基準価額が上がって分配原資がたっぷりたまっているから。」的なことが書いてあるんですね。

話にならんですね。投信のことをちゃんと理解できてない人が書いているとすぐわかります。投信は時価会計してるんだからそんなわけないだろうと。昔、時価会計してなかった頃の公社債投信か何かと勘違いしてるんでしょうか・・・でもそのころからやってたならこんな初歩的な勘違いするはずもないし・・・どういうことなんでしょうね。そもそも自分が購入する前のリターンや分配原資は関係ないだろうと。これまでにこんだけ上がってきましたら分配金1,000円出します、じゃあ買うか、で買ってすぐ1,000円の分配金もらったらそれは特別分配でしょう。儲かってないから税金かからないのに。こんなんばっかなんですよね。こんなものにお金を払い、誤った知識を身につけてしまったらどうするんでしょうね。



で、結構な数の雑誌や本を流し読みしてて、気づいたことがあります。以前、「ちゃんとした本とちゃんとしてない本を見分けるにはどうしたらいいですか?」と聞かれたことがあって、なかなかうまい見分け方がその時は思いつかなかったんですが(専門家っぽい肩書きでメチャクチャなこと書いてる人がいたり、ちゃんとした会社の人っぽくても思い切りその人が働いている会社の商売のためのバイアスがかかってたり)、でも、「ちゃんとしてない本」を見分けるチェックポイントはあるんじゃないかと思いました。ちゃんとしてない本によくありがちな内容、をお伝えすれば見分けられるんじゃないかと。



というわけで、私が考える
「こういうのが載ってたら、その本・雑誌は買わなくていいと思いますよ」チェックポイント!
   
◆分配率や分配利回りを載せている、さらにそれでランキングなんかやってたら鉄板

◆分配金額のランキングをやっている

◆今人気のファンド一覧を載せている

◆1ヶ月、3ヶ月、半年、1年といった短い期間のパフォーマンスで比較したり、凄いだのなんだの言っている

◆全然違うアセットクラスのファンドを一緒くたにして騰落率ランキングをしている(株と債券、ソブリンとハイイールド債)

もちろん、これらを注意喚起のために載せていたり、こういうのは意味ないよって書いてある場合は別ですが。



だいぶ目の粗いスクリーニングですが、とりあえずこの辺で既に引っかかってしまうようなものは、読まなくていいんじゃないかなと思います。これが絶対正しいとか私が正解だなんて言うつもりは毛頭ありません。あくまでも、私はそう思います、程度の話です。ご参考になれば幸いです。



あと、これはある程度知識がないと難しいんですが、私が「この本どうですか?」と聞かれた時に見てるところも考えてみたんで、これもご参考まで。

◆各アセットクラス(株・債券・通貨・コモディティ・REITなど)の投資特性の説明(株はこういう特徴があります、債券価格はこうやって動きます、こういう通貨を選びましょう、コモディティの難点はこういうところです、みたいな話)

◆アロケーションのやり方や例を書いている場合はその合理性とか妥当性とか説明の仕方

◆ファンド・オブ・ファンズ方式とか信託財産留保金とか分配原資みたいな、ちょっと知ってる人でも勘違いして覚えていることが多い項目の説明

◆投信の構造や実際の運営を知っていないとうまく説明できない部分の説明(ブラインドや決済サイクルや資金の流れ、基準価額算出方法、運用する市場への発注方法など)

◆書いてる人のキャリア(どういう会社でどういう仕事をしてきたか、投資や投信の本質的なところをちゃんと勉強する機会があったと思われるかどうかなど)



・・・これはキツイですよねぇ・・・書きながらこれはキツイわ・・・と思いましたが、一応載せておきます。参考にはならないかもしれませんが、私だったらこの辺をチェックしますよということで。

皆さん、おかしな本を読んで誤った知識をつけてしまわないようにくれぐれも注意してくださいね。誤った知識を正すのは大変ですから。


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ど素人がはじめる投資信託の本

ど素人が読める決算書の本

posted by ジョン太郎 at 18:23| Comment(5) | TrackBack(0) | ジョン太郎のマメ知識 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
初めまして。
半年ほど前にこちらのブログを知り、
2ヶ月かけて全部読みました。
こちらのブログに出会えたことに本当に感謝しています。
まだわからないことばかりですが、踏み出さなければ始まらないと思っているところです。

投資の手法について、以前インデックスファンドのバイ&ホールド、リレー投資について少し批判されていたと思うのですが、私もジョン太郎さんの記事を読んで「バイ&ホールド」というのは今の流行みたいなもので、必ずしもこれが正しいわけではないのだと思うようになりました。

最近、「レラティブ・ストレングス投資」という投資手法について書かれているブログを読み、
「バイ&ホールド」より説得力があると感じて
実行しようか悩んでいます。
投資の対象を11に分け、毎月その11の中で
12ヶ月移動平均が市場価格を上回っている
上位3つに投資する、というものです。

一度投資の方針を決めたらそれに忠実になることが一番大事なのではないかと思って、早く投資方針を決めなければと焦るばかりです。

このような質問をされてもお困りになるだろうと思ったのですが、誰に相談してよいかわからず
思い切って投稿させて頂きました。

失礼があったらお許しください。

Posted by サラダ at 2011年01月27日 20:21
サラダさんへ、
こんにちは!はじめまして!
コメントありがとうございました。
また、過去記事まで全部読んでいただけるとは・・・ビックリです。
大変だったでしょうね・・・お疲れ様でした。
本当にありがとうございます。

さてご質問いただいた件ですが、インデックスファンドのバイ&ホールドやリレー投資について批判したつもりはないんですよね(笑) いばるほどスマートじゃないし、やってることを威張るほど凄いことじゃないし、と思ってるフシはありますが・・・

実際、私はリレー投資はやっていませんが、買ったものは自分の見通しや前提条件(投資環境やその銘柄のファンダメンタルズ)が変わらない限り持ち続けてるので、そういう意味ではバイ&ホールドをやっているということになるんでしょう。

レラティブなんとかってのは、全然知らんです。ハイ。でも私がやらない類のものであることはすぐにわかります。なぜかというと、書いていただいた内容を拝読する限り、要は移動平均でトレンドラインを出してそことの乖離幅で投資するものを選んでいくってことですよね。私は基本的にあんまりチャートから投資判断をするというのが好きではなくって、そういう意味では「ランダムウォーク」を支持していることになるんでしょうけれども、過去の推移グラフから投資判断をするってのがあんまり好きじゃないんですね。

私自身、テクニカル分析はほとんどやりませんし、テクニカル分析を使って解説されているものはまず読みません。そういう人間ですから、おそらくその手法がどんなに優れていると力説されようと、私は絶対にやりません。過去推移のグラフの形なり何かのサインとかそういった類のものを使って投資判断をするのは私の性に合わないもので。

もちろん、さきほどのリレー投資とかと同様、その手法を批判するつもりはありませんし、やることを引き留めたり、そういうのをやっている人のことをどうこう言ったりも、するつもりはないです。また、そういうのの議論に加わるつもりもありません。投資は自由ですし、人がとやかく言うものじゃないですから。各自が思い思いに、自分の考えるやり方でやったらいいんじゃないでしょうか、というのが私の考えです。

じゃあ私がどうやって投資をしているかと言うと、自分がいいと思ったものを、いいと思ったタイミングで適当に買う、以上でございますw

まったく参考にならなくて申し訳ないですが、以上私の思うところを書かせていただきました。
これからもよろしくお願いします。
Posted by ジョン太郎 at 2011年01月27日 22:55
お忙しい中、お返事ありがとうございました。

ジョン太郎さんからお返事いただけて嬉しいです。

いいと思ったものを、いいと思ったタイミングで買う、難しいことですね。
いいと思うけど本当にいいのかな?と思いながら観察するだけで、いつ買えばいいのかわからず悩みます。

ニュースも1週間前に言っていたことが今日は全く違う、という感じで、何が本当なのかと思います。

これからもジョン太郎さんのブログを楽しみにしています。
寒い日が続きますので、お体お大事になさってください。
Posted by サラダ at 2011年01月28日 11:02
こんにちは。ご無沙汰してます。

「分配金や分配利回りを載せている」「今人気のファンド一覧を載せている」だけでもほぼ全てのマネー誌がアウトになってしまいそうですがw。
下手したらTVの各種経済番組や日経新聞なんかもアウトかも(汗)。
(実際、時には「えっ?」って思うことありますよね)

私も職場の先輩に「俺の持ってる投信、基準価額が6500まで下がってきたんだけどそろそろ買いだと思う?」(銘柄名も言わず)と聞かれたことがあります。
「投信は基準価額が5000円を割ったら買い」と教えられて絶句した経験も。
世の中にはいろんな投資法(?)があるもんですね。

まぁそんなマネー誌も、1年とか2年くらいの期間で投資されている方なら裏目指標として意外に重宝するかもしれませんよ。

「各誌が一斉に特集を組み始めたら売り、その投資対象の記事を全く見かけなくなったらそろそろ仕込みを検討」みたいな。


とりあえずこれだけの雑誌が存在できるのはそれだけのニーズがある、ってことなんでしょうね。
自分で調べたり勉強したりする手間を省略して、てっとり早く儲けたい人。
「理屈はどーでもいいから、結論としてどの銘柄買えばいいのかだけ教えてくれればいい!!」
「要するに儲かればそれでいい!!」って人。

投資に限らず、池上さんとか「早分かり○○」とか「5分で学べる△△」とか、めちゃくちゃ増えてるようにも感じますし。。。


P.S.仮にも世界2位(3位?)の経済大国のトップが「(国債に)疎いので」ってどうなんでしょうね。。。
Posted by くあむ at 2011年01月28日 13:17
くあむさんへ、
こんにちは!コメントありがとうございます。
おっしゃるようように、「手っ取り早く」ニーズがすごくあるんでしょうね。

そういう人にとってはこのブログはまどろっこしくてしょうがないんでしょうね・・・

大事なお金のことなのに・・・
大事なお金のことをちゃんと考えたい人のお役に立てるようなブログにしていきたいなと改めて思う次第です。

これからもどうぞよろしくお願いします!
Posted by ジョン太郎 at 2011年01月28日 23:28
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