2006年05月16日

分散投資の効果、長期投資の効果【超オススメ】

今日の話も、前にお話した考え方やその時にご説明した用語を使うので、まだ読んでない方は先にこちらをどうぞ。
2006年04月23日
「日本株ってどうよ?リスクとリターンの表わし方。」
http://jovivi.seesaa.net/article/16957322.html
では。


リスクってのは、ブレ幅だってのをここ何回かに渡ってお話ししてきました。ちょっと下のグラフを見てみてください。

AB1.jpg

すげえ値動き激しいですね。こういうブレ幅の大きいものをリスクが大きいと言います。この証券Aに100万円を投資したとするとその値動きはこのグラフのようになります。

それではもう1つの銘柄Bのグラフも載せてみます。

AB2.jpg

赤い線が証券Bです。これも値動き激しいですね。リスクが大きい証券と言えます。この証券Bに100万円を投資したとするとAに100%投資したときと同様にかなり激しい値動きをすることになります。

じゃあ次。100万円を50%ずつ、つまりAとBに50万円ずつ投資したとするとどうなるか。それが下のグラフの黄色い線です。

AB3.jpg

黄色い線だけを見ていただくと分かると思いますが、だいぶ波が穏やかになっていると思います。ちょっと下の表を見てみてください。

AB4.jpg

証券Aに100%、100万円をまるまる全部投資したときの平均リターンは117、標準偏差は24です。証券Bに100%、100万円をまるまる全部投資したときの平均リターンは116、標準偏差は25です。AとBに50%ずつ投資したときの平均リターンは117で、標準偏差は21です。

平均リターンは下がっていないのに、標準偏差は下がりました。リスクとリターンのリスクとは標準偏差であり、リターンとは平均リターンです。つまり、50%ずつにするとリターンは下がらずに、リスクが下がったことになります。これってすごいことです。なぜこんなことが起きるんでしょう?これが分散投資の効果です。2つ目のグラフをもう一度見直してみてください。Aの青い線とBの赤い線はほぼ逆の動きをしています。そうするとどうなるか。3つ目のグラフを見てください。半分半分で構成される黄色い線は、上下の波が打ち消しあって穏やかな動きになっています。

分散投資の効果とは、互いに違う動きをするものを組み合わせることにより得られます。リターンは平均になるのに、リスクは打ち消しあって小さくなる、これが分散投資の効果です。ですから、分散投資の効果を高くするには、できるだけ逆の動きをする銘柄を組み合わせればよいということになります。実際の投資でどのくらいの効果があるのかを見ていきましょう。

ALLOC.jpg

これは1985年の12月末から2006年3月末までの期間で、分散投資の効果について調べたものです。まず左上の表。これは1年間のリターンについて調べたものです。日本株100%という列を見てみてください。平均リターンは3%、つまり今日までの1年間の投資で何%儲かったか、昨日までの1年間の投資で何%儲かったか、一昨日までの1年間で何%儲かったか・・・っていうのを約20年分計測して、その平均を出すと3%でしたってことです。最大で76%のリターンがあり、最低のときは-44%、つまり1年間でお金が約半分になっちゃったってことです。+1標準偏差と-1標準偏差は、27%から-21%の間に全データの7割弱が含まれてますよ(正規分布してれば)という意味です。あんまりいろいろ見るとわけわかんなくなっちゃいますから、ここではリターンとリスク、つまり平均リターンと標準偏差だけを横に見ていきましょう。となりの列は全部を日本株に投資するのではなく、日本株に50%、日本の債券に50%という風に半分ずつ違うものに投資した場合です。リターンは下がらずにリスクは大きくさがっています。これは分散投資の効果が非常に高いということです。なぜならば、株と債券というのは逆の動きをすることが多く、株がダメなときは債券ががんばり、債券がダメなときは株ががんばり、とお互いに補完しあって波を打ち消しあうことができるからです。違う国の株と債券だとちょっと事情が変わってきますが、すんごいザックリと説明すると、景気がいいときは株があがり、景気がいいということはインフレがすすむから政府は金利を上げる、そうすると債券の価値は下がる。つまり、景気がいいと株が上がって債券が下がる。不景気の時は逆。すんごい大まかに言うとそういうメカニズムです。もっと他のものを見ていきましょう。更に右の緑の列は日本株50%に、日本以外の外国の株50%を加えたものです。これは100%全て株に投資していますから、半分が債券だった先ほどのパターンよりもリスクも高いですが、平均リターンもやはり高いですね。しかもリスクも結構下がっています。平均リターンが大きく上がったのは、この20年間の日本株のリターンがあまりにも低く、他の国の株はそこまで悪い状況はなかったので、外国株のリターンは非常に高かったためです。更に右の黄色い列は日本株を25%、外国の株を25%、で資産の50%で世界全体の株に分散投資して、残りの50%を反対の動きをする債券、しかも世界全体の債券に分散した場合です。緑の列と比べてもリターンが下がらず、リスクが大きく下がっています。これが分散投資の効果です。右にそれぞれのグラフを載せたのでそれを見ていただくとよくお分かりになると思います(色が揃ってなくてごめんなさい・・・揃えればよかったですね)。左下の表は、左上の表の一番右の黄色い列、つまり、日本株25%、外国株25%、世界債券50%、という資産構成の1年リターンを、もうちょっと期間を長くしてみて調べたものです。同じ資産構成で、1年後に売るのではなく、3年後、5年後、10年後、に売るというのをたくさんやってみた場合どうなるかって表です。これは別のグラフにしたほうがわかりやすいです。

ALLOC2.jpg

これを見てみてください。これは期間中のデータを全部並べて棒グラフにしたものです。左上のグラフの一番右側は、今日までの1年間の投資のリターン。10%ぐらいですかね、その左側には昨日までの1年間のリターンを、その右には・・・・・って並べた棒グラフです。これを1年、3年、5年、10年の投資についてグラフにしてみると・・・・期間が長くなるほど、0以下になることが少なくなり、5年の投資であれば、この資産構成をしておけば過去20年間いつから始めたとしても一度もマイナスのリターンになったことがなかったことが分かります。これが長期投資の効果です。この資産構成で10年投資をすれば過去20年間、いつ始めていたとしても、1.6倍以上にはなっていたことがわかります。これおもしろいですよね。

せっかくなので、分散投資の効果も同じようなグラフで見てみましょう。

ALLOC3.jpg

さっきの表でいくと今見たのが左下の表、つまり日本株25%、外国株25%、世界債券50%の構成を変えずに1年、3年、5年、10年、と投資期間を変えたものですが、今度はさっきの左上の表、1年投資で、日本株100%投資、日本株50%+日本債券50%、日本株50%+外国株50%、日本株25%+外国株25%+世界債券50%、という風にどんどん分散していった場合です。20年間毎日毎日その日までの1年間のリターンの1つずつのデータを棒にして横にをダァーーーーーーと並べた棒グラフです。分散投資の効果がよくおわかりになると思います。分散がすすむと1年間で大もうけをして日本株100%のグラフにあるような年間80%近いリターンを上げることもなくなる代わりに年間でマイナス50%近いマイナスになるようなこともなくなり、ブレがあまりなくなって、安定した結果を生み出していることが分かります。また、0%の横線に注目して4つの棒グラフを見ていただくと、0%以下のリターン、つまりマイナスのリターンになることがすごく少なくなっていることもわかりますね。すごいですよね。これが分散投資の効果です。

投資の基本は分散投資と長期投資。もちろん集中投資で大きなリターンを狙いにいくってのもアリですし、私もそういう運用をすることはあります。でもね、資産の多くの部分を占めるような大きな金額の投資、をするときとか、まだどうしていいのか分かんないような時は、オーソドックスに、地味かもしれないけど王道って言われるような投資をするのがいいんじゃないかなって思います。

昔、商品のアイデアを描いた資料の最終ページにこんな言葉を書いたことがあります。

分散しよう。
そうしよう。

分散投資と長期投資が投資の基本です。今日はここまで。





【追記】

◆そもそも長期投資とはって話とか、短期と長期の違いとか、投資と投機の違いはとか、利益確定や損切りをどう考えたらいいかとか、売り時や買い時の見極め方の話とか、その辺の話のリンクをまとめておきますので、よろしければどうぞ。

ご質問への回答<為替の話。株や為替の短期の動きと長期の動き。>
http://jovivi.seesaa.net/article/101217327.html
ご質問への回答<資源株と資源価格の話。短期と中長期の話。>
http://jovivi.seesaa.net/article/101708179.html
中国株と長期投資の効果とちょっとベトナムのこと
http://jovivi.seesaa.net/article/83403382.html
為替のこと
http://jovivi.seesaa.net/article/84316988.html
長期投資も見極めが肝心?日本株は長期で持ってもマイナス?【オススメ】
http://jovivi.seesaa.net/article/106494014.html
皆さんから頂いた質問とコメントに一気にお返事
http://jovivi.seesaa.net/article/106861695.html
いくつかお知らせとご報告と最近のアップデートと、あといつもお話ししてること
http://jovivi.seesaa.net/article/79436737.html
新年の挨拶と売り時・買い時の話 株や投信はいつ売ればいいの?
http://jovivi.seesaa.net/article/76115678.html
分散投資の効果、長期投資の効果
http://jovivi.seesaa.net/article/17902378.html
運用・投信でよくある疑問H〜いつ利益確定する?いつ売ればいいの?短期売買と中長期投資のどちら?
http://jovivi.seesaa.net/article/34026208.html
市場の上げ下げ、中長期投資、あとはインドと中国の話
http://jovivi.seesaa.net/article/54451767.html
運用・投信でよくある疑問B〜投信はダメなのか?<3>〜
http://jovivi.seesaa.net/article/31662362.html
チャールズ・エリスの言葉(2)
http://jovivi.seesaa.net/article/21683836.html
チャールズ・エリスの言葉(3)
http://jovivi.seesaa.net/article/22452954.html




↓ランキングです。ポチッと押して投票お願いします。
にほんブログ村 株ブログ 投資信託へランキング参加中!


FC2 Blog Rankingb_03.gif



ど素人がはじめる投資信託の本

ど素人が読める決算書の本

posted by ジョン太郎 at 22:35| Comment(0) | TrackBack(0) | ジョン太郎のマメ知識 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]

認証コード: [必須入力]


※画像の中の文字を半角で入力してください。
※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。

この記事へのトラックバック