2006年05月13日

インド株とか中国株ってどうなの?

今日の話は、前にお話した考え方やその時にご説明した用語を使うので、その時の話を読んでないとつらいです。まだこの記事を読んでない方は先にこちらをどうぞ。
2006年04月23日
「日本株ってどうよ?リスクとリターンの表わし方。」
http://jovivi.seesaa.net/article/16957322.html
読んだら続きをどぞ。
インド株とか中国株ってどうなんでしょうね。はやってますね。なんかすげえハイリスク・ハイリターンな感じ・・・でも中国は2008年の北京オリンピックと2010年の上海万博まではガンガン上がっていきそうな気もするし・・・

最近の各国の株と債券についてみてみましょう。下の表を見てみてください。

ACLASS.jpg

インド株すごいですね。過去2年で283%も値上がりしてます。2年前に100万円投資していたら、たった2年で383万円です。一方の中国株はってぇと、・・・最近あんまりよくないみたいっすね。その間に日本は大型株市場・小型株市場ともに大きな上昇を見せました。この2〜3年、中国株はよく話題にのぼり、みなさんの周りでも耳にすることが多かったんじゃないかなと思います。中国株って聞くと、すげーハイリスクだけど、日本株なんかと違ってものっすごいリターンが期待できる・・・みたいなイメージをもっていた方が多いんじゃないですかね。実はこの2〜3年、中国株市場はややしんどい時期でした。

この2年、あるいは3年の市場を見ていただくと日本株市場のリターンが実はすごかったことがよくお分かりになるかと思います。実際、3年前の日本株市場は物凄い割安で、説明のつかないような市場でした。市場全体の割安度を示す指標や企業の収益や資産価値から見た割安度、売られ過ぎかどうかを表す指標、すべてに異常なほどの値が見られました。もちろんジョン太郎も貧乏ながらもなけなしのお金で日本株を買い続けました。しかし、そんな蚊ほどのジョン太郎のお金なんかよりずっとずっと大きなお金がこの3年間、日本株を買い続けました。それは外国の投資家です。個人・法人・機関投資家・ファンド、様々な海外勢が日本株を買い続けました。それは世界的に見て日本株が最も割安であったからであり、そこそこのリターンを、たいして大きくないカントリーリスク(ある国に投資するときのその国自体の抱えるリスク、その国の政治的・社会的・経済的なリスク)の中で期待できるからです。

割安度や今後の成長力、現在持っている資産や技術や知的財産といったものから見ると当時の日本の企業の価値はあまりに低く評価され過ぎていました。それでもはり成長余地や今後の爆発力とかで見たらやっぱり中国のほうが上なんて意見もありました。でも、中国株よりも日本株のほうがずっとたくさん買われました。なぜか。

投資はリターンだけで決めるものではないからです。多少成長性で劣っていたとしても、日本は中国に比べるとリスクが低い国なのです。少なくともそう見ていた投資家が世界的には多かったのです。政治的にも安定しており、社会インフラも整っており、経済や金融のシステムもある程度成熟したレベルに達しています。法律も細かな部分まで整備され、生活レベルで言っても衛生上の問題も少なく、大きな感染病が流行する心配も少なく、他国に戦争をしかけたり外交上の緊張が走る可能性も中国に比べるとずっと低いわけです。また、宗教上のトラブルや民族上の問題もほとんどありません。

一方の中国はどうか。法律はまだまだ未整備な分野が多く、政治的にも経済的にも安定しているとは言えず、日本をはじめとする他国への強硬姿勢により外交上の緊張が走ることもしばしばあります。金融システムや会計制度はまだまだ未発達で、企業の会計は非常に不透明、期末に特定企業や特定業種を意識した突発的な大減税が行われて損益があっという間に逆転してしまったり、それが急に解消されていきなり赤字に転落なんてこともあります。社会インフラの整備もまだまだ途上にありますし、衛生上の問題も大きく、感染症の流行のリスクも結構な確率であります。経済的にも社会的にも贈賄等が横行していたりもします。また、投資をしたとしても、その資金の回収を制限する権限を中国政府はもっています。人民元は国外への持ち出しが禁止だったりもします。自由経済社会、発展した社会として見るにはあまりに大きな政府からの企業への干渉や監視監督も指摘されています。外国からの企業の進出や投資も盛んに行われていますが、中国の持つポテンシャルや今後の成長余地から見れば圧倒的に少ないと言えるレベルです。つまり、みんなおっかなびっくり、引っかかることは多いけど・・・でも成長度はあるから、という感覚で進出したり投資をしているわけです。

それでも、中国の今後の成長余地というのは凄まじく大きく、投資対象国としては魅力的です。そして、私は中国には結構前から投資をしています。もちろん、上の表に示した期間よりずっと前からの投資なので、儲かっていますし、今後も投資を続けると思います。でも今はどちらかというと最近はインドへたくさん投資をしています。私の資産の内訳は以前に
http://jovivi.seesaa.net/article/16548647.html
で書いた通り、こんな比率になっています。
貯金・預金:1%
日本株:70%
インド株:10%
中国株:10%
その他のアジア諸国の株:9%

インド株に投資を始めたのは3年か4年前くらいだと思います。結構儲かっています。インドは中国とちがって社会主義の国ではないですし民主主義国家として安定した状態にあります。ほとんどの人が英語を話し、数学の能力は世界一と言われています。国民感情も穏やかですし、親日派も多く、韓国・アメリカ・日本・ヨーロッパの企業が続々と進出しています。国の産業のほとんどがIT産業をはじめとするサービス分野で非常に付加価値率の高い産業がメインとなっていることも強みです。労働コストは既にかなり高くなってしまった中国に比べてもまだまだ割安です。そして何より爆発的に増える人口が、そのポテンシャルの高さを示しています。中国は一人っ子政策を推し進めているため、現在13億人程度の人口が大きく増えることはないと思いますが、インドは既に10億人を突破し、近いうちに中国の人口を抜くと言われています。でも、インドにはインドのリスクがたくさんあります。やっぱり法律や金融システムには不安がありますし、中国と同じく、最近できた法律も多いため、法律として安定していなかったり、解釈が変わる可能性があったり、税制なんかもそうですが結構今の前提が崩れてしまったりって可能性もあると思います。社会システムやインフラも未整備だったり、隣国での核開発の問題もあったり・・・とインドにもたくさんのリスクがあります。でもやっぱり成長の余地は凄まじく大きいと私は思います。そこでそれまで日本株と中国株がほとんどだった資産配分を日本・中国・インドの3カ国中心に換えました。そして、換えたうえで日本株の比率を高くしました。

それはやはり、
http://jovivi.seesaa.net/article/16302532.html
ここで書いたような日本株を選ぶ理由が大きいのですが、日本株は成長力では中国株やインド株に劣っていても、国レベルのリスク、カントリーリスクが中国やインドに比べればやはり低く、これほど安定した国でそこそこのリターンが期待できればやっぱり投資対象としてはすごく魅力的だと思うからという理由も大きいです。・・・もちろん私の愛国心ということもあると思います。どうも、ワールド・ベースボール・クラシックとかトリノオリンピックとかワールドカップとか、日の丸を背負ったアスリートたちが国を代表して国の威信をかけてみんなの応援を背に頑張ってる姿を見ると、(゚ロ゚ )ノ ガンバレニッポン!と言いたくなってしまうタチですし、ここんとこそういうイベント多いですしね。私のお金は蚊ほどのお金ですが、やっぱ日本の企業に使ってほしいんですよ!この金を使ってメリケンの企業をぶっとばしてくれ!オラの元気玉に(ry  ・・・スミマセン。取り乱しました。

インド株や中国株がダメと言うつもりは全くありません。両国ともすごく魅力的な国であり、大きな成長の可能性のある国です。ただ、多くの人が物凄いリターンを期待できるという部分だけにとらわれて、これからの成長国に投資するリスクを軽視しているのに危うさを感じます。みなさんが思っているよりもずっとずっとハイリスクであり、みなさんが想定しきれていないようなリスクもあり、そういったリスクをわかったうえで覚悟を決めて投資しないといけませんよってことを言いたいです。私はすんごい大きなリスクがあり、自分でも想像つかないようなリスクもあるんだろうなって思ったうえで、吹っ飛んでもいいような金額のお金を投資しています。それだって、資産というピザにスパイスとして効かせればだいぶパンチの効いたいい味になると思います。

この3年の日本と中国とインドの株式市場の動きをグラフにしてみましょう。

INDCHI.jpg

インド株すごすぎです。http://jovivi.seesaa.net/article/16957322.htmlここでご説明した、投資の「リスク」の表し方として使われている「標準偏差」を見ても、たぶんグラフを見た感じではリターンの割にずいぶん小さい数字になりそうです。

ブレ幅の大きさが標準偏差であり、それがリスクなんですってご説明しましたが、それだけがリスクじゃないんですよってことも覚えておいてください。中国株もパフォーマンスは振るわなかったもの、線のブレ幅はさほど大きくありません。ただ、投資のリスクというのは価格変動リスクだけではなく、それ以外のリスクもあるってことです。中国やインドに投資するたくさんの種類のリスクのほとんどがこのグラフには現れてきていないってことをお忘れなく。

価格変動リスクも、もうちょっと長い期間で検証すると違うものが見えてきます。下の表を見てみてください。

ACLASS2.jpg

これはhttp://jovivi.seesaa.net/article/16957322.htmlで使った1年リターンの分析をやってみたものです。各国の株や債券について手元にあるデータできるだけ長い期間にわたって調べてみました。一番下の行にある「データスタート」ってとこの数字は、私の手元のデータだとそこまでしか遡れませんでしたスイマセン、って意味です。日本株は私が生まれる前の1971年からあるんですが、債券のデータは1996からの最近10年のデータしかなかったり・・・すんませんね・・・でもこれ見ていただくと、先進国の株の1年間の期待リターンがだいたい10%前後ってことがわかりますよね。今日までの1年、昨日までの1年、っていう具合に、日本株にいたってはそれを35年分やってるわけですから、土日の休みを考えてもザックリ35年×365日÷週7日×平日5日=9,125で9千本以上のデータの平均値です。欧州株とかアジア株とかの平均リターンが低いのは、データ期間が短くて世界の株式市場がしんどかった期間のデータが多いからだと思います。

これ見ていただくとインド株とか中国株の標準偏差はやっぱり高くって、価格変動リスクもやっぱりそれなりにあるってことがおわかりになると思います。

今日の話けっこうつらいですよね・・・数字も多いし、長いし・・・読んでて疲れちゃったでしょうね。カタイ話で疲れたなって方はヴィヴィ子のNYレポート(http://jovivi.seesaa.net/article/17669445.html)を読んで、NY旅行を夢見るなり、ヴィヴィ子の顔に妄想を膨らますなりして、お楽しみくださいませ。まさにハイブリッドブログ!


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posted by ジョン太郎 at 20:07| Comment(1) | TrackBack(0) | ジョン太郎のマメ知識 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
今日もとっても楽しいお仕事が終わりました。
ビール飲みながらエビセン食ってます。
世の中は平和だねー。
株の話、ビール片手でもわかるの最高!
うちのパパ曰く、出版しなさい!!!I
Posted by フィールドアップ at 2006年05月13日 21:19
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