2010年10月16日

ブラジルとタイで資本規制

今日はそんなお話。



すっかり更新が遅れてしまってすいません・・・できるだけ時間見つけて頑張って更新していきます。


まず、ブラジルが昨年10月に0%から2%にした金融取引税を、債券投資分について4%に引き上げました。この金融取引税は、ブラジルに投資する場合に、工場建設費用などの直接投資ではない間接投資、つまりブラジルの株や債券を買おうとして入ってくる資金に対して、レアル買いをする際に2%取りますよというもの。

その時の記事がこちら。
http://jovivi.seesaa.net/article/131250856.html
この記事の時にはADRは対象外と書いていますが、その後追加策が発表されてADRも課税対象になりました。

これはなかなか凄い税金ですよ。
100万円投資して110万円になった場合に、儲かった10万円に対して2%課税、ではなくて、投資した時点で元本に2%ですからね。100万円投資するときにいきなり2%の2万円を税金でとられて、98万円しか投資できないというもの。

もちろんその目的はブラジル国内への過剰な資金流入をおさえ、バブルの発生やインフレの発生やレアル高急伸による輸出競争力低下を防ぐためのものです。でも、導入から約1年が経過しても、ブラジルへの資金流入は止まりませんでした。結果、マネーフローによってレアルが強い状態が続いてしまい、このタイミングで昨年2%で導入した税金を4%に引き上げました。もちろん即発効。10月6日に発表し、10月5日分から適用と。

今回は株は対象外。逆に株以外の全ての金融商品が対象。まぁ、一番のターゲットは日本のブラジル債券ファンドでしょうけどね。日本の投信で為替のエクスポージャーがブラジルレアルになっているファンド、つまりブラジルの株や債券に投資するファンド、通貨選択型ファンドのブラジルレアルコース、の合計は2008年末に数千億円程度だったのに、今や7兆円を超えてます(笑) 2年弱で6兆円以上。

前に書いたかもしれませんが、いまやブラジルレアル買いの9割以上が日本からの資金だ、なんて言われてます。その中心は、もちろんこうした投信です。日本人の右へ習え、みんなが買うものを買いたい、みんなが買うファンドがいいファンド、村の中で私だけ違うのはイヤ、意識は凄まじいです。まぁ、日本人がまた右へ習えで一斉に売りに回った時に、誰が買うんだって話はおいといて。完全に日本からのマネートレインが停車しちゃってる感じです。

で、昨年10月に金融取引税を導入したのに全く効果なし。その後もこの金融取引税のことなんて全く知らずにあるいは気にかけずにせっせこブラジルファンドを買いまくる日本人。そこで今回の4%への引き上げ。それでもまだブラジルファンド売れてるらしいですけどね・・・

一部のファンドでは、この金融取引税分を購入時の信託財産留保金でカバーするようにしているファンドがありますが、これは中長期保有する人のことを考えた勇気あるまともな行動です。それでも信託財産留保金のことを勘違いしている人から、信託財産留保金とるなんてボッタクリだ、販売手数料以外に信託財産留保金までかかるファンドはひどい、みたいなことを言われてててちょっとかわいそうな感じ。投資コストの高い資産に投資するのに信託財産留保金のついてないファンドを保有し続けるほうがよっぽどボッタクられるってのに。

今度、その話も詳しくしようと思いますが、例えば昨年の金融取引税導入前に10億円だったブラジル債券ファンドが金融取引税導入後に1000億円の資金流入をウケタとします。するとこの1000億円をブラジル債券にするのに20億円の税金がかかります。もちろん、そのほかにレアルを買う為替手数料、債券の買付手数料もかかりますから、30億円くらいの投資コストがかかるでしょう。購入時に信託財産留保金3%がついているファンドなら、最初に10億円もっていた人たちには影響なし。あとから1000億円を入れた人たちが自分たちの資金流入による投資コスト分の30億円を投資元本とは別に払ってくれますから。でも購入時に信託財産留保金がついてなければ30億円の負担が、ファンド全体、つまり最初に10億円もっていた人たちにもまわってきます。どっちが損だってのは明白です。資金流出入に伴う、為替や有価証券の売買のコストの負担方法を決めてるのが信託財産留保金ですからね。

投資コストの小さな、無視できる程度の資産に投資するなら、まぁなくてもいいし、たいした問題になりますが3%くらいの投資コストがかかる資産に投資するとなると話はぜんぜん変わってきます。昔はそんなファンドがなかったので、「信託財産留保金は解約時の資金流出に伴う組み入れ資産の売却コストを、解約者に負担させるためのもの」くらいの説明でよかったんですけどね。こんな時代がくるとは・・・

今回は4%ですから、ここからの資金フローによるファンドへのインパクトは大きいですよ。新しく入ってきたお金の4%の負担がファンドにきますから。日本のブラジル債券ファンドがどうなっていくのか注目です。

もちろん、今後さらなる税率の引き上げや、あるいは将来もの凄い資金流出が起こった際には出口の税金も、導入される可能性はアリアリです。そりゃそうですよね。

これが資本規制というものです。

で、そんなブラジルに続き、資金流入の続いていたタイも今週、資本規制を発表しました。外国人の債券投資について、利益の15%の源泉徴収をするというもの。これはブラジルの投資時元本課税と違って、利益実現時の利益に対する課税です。日本の証券税制と同じね。


日本政府の円高対策の為替介入もそうですが、最近の資金流入で自国通貨高やインフレ率の上昇、プチバブルの発生、が問題になっている国ではこうした動きは今後増えてくると思います。特に新興国ではこういう動きは活発になってくるんじゃないかなと。

更に、新興国の資本規制はしょっちゅう変わりますから注意が必要です。インドのキャピタルゲイン課税なんて、見るたびに変わってる感じがしますし。



日本円は相変わらずです。
円高はいつまで続くのか。
この2つの記事
http://jovivi.seesaa.net/article/160945072.html
http://jovivi.seesaa.net/article/163005667.html
で書いた構造に全く変化ないですから、引き続き、という感じでございます。


↓ランキングです。ポチッと押して投票お願いします。
にほんブログ村 株ブログ 投資信託へランキング参加中!


FC2 Blog Rankingb_03.gif



ど素人がはじめる投資信託の本

ど素人が読める決算書の本

posted by ジョン太郎 at 15:09| Comment(4) | TrackBack(0) | ジョン太郎のマメ知識 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
どうもこんにちは。
株価は世界中強いですよね、インドとか東南アジアとか。
短期的にはプチバブルな気もするし、長期的にはまだ余裕な気もするし、よく分からないです。
一部の国はジョン太郎さんの言う「マネートレイン停車中」、まさにそんな雰囲気ですよね。
あちこちでインドネシア投信とか見かけるようになりましたし。
何もわざわざ今からインドネシアに行かなくてもw

素人的には、とりあえず無理のない金額で買ってみる、下がったらまた買う、みたいな感じで考えてますが・・・
やっぱり長い目で見れば、まだ株式という資産そのものがバブルな状態にはほど遠いとも思いますし、下手したら日本円(&日本国債)もある意味、マネートレイン停車中だったりして、なんて思ったりもしますし。。。

とりあえず投資家として、今すごくいい経験をさせてもらってるのは間違いないのかな、と思ってます。

日本政府がもう少し頼りになればいいんですけどね。

「日本人が右へならえで売りに回ったとき」
たぶんジョン太郎さんが買うんじゃないですか?w
全部を買い支えるのは無理でしょうけど。
その時は私も是非ご一緒させていただきたいと思ってます。
Posted by くあむ at 2010年10月16日 20:49
くあむさんへ
こんにちは!コメントありがとうございました。
右へならえで一斉に売りにまわったら、確かに私は買いますね・・・
リーマンショックの時も結構買いましたし・・・
いい買物ができるといいなぁw

これからもよろしくお願いします!
Posted by ジョン太郎 at 2010年10月17日 13:59
コンバンワ(≧ω≦)
初めまして、seikoと申します。。。

私、実は投資信託っていう言葉すら1ヶ月前まで知らなかったおバカなんです(>_<)

確定拠出年金を勧められて、何、ソレ?(・・?)って感じで資料を読んでるうちに投資信託っていう言葉が出てきて、マスマス何、ソレ(?_?)って感じだったんです。

で、本屋さんでジョン太郎さんのど素人に出会って、私、パソコン全然さわれないんですけど、頑張ってブログ全部読みました\(^O^)/
わからないことだらけだったんですが、ジョン太郎さんのファンになりました(。≧∇≦。)

…質問していいですか?

確定拠出年金の商品でも、私はおバカなんでバランスファンド一つだけにしようと思ってるんですが、銀行とか証券会社とかイッパイあるし、商品もイッパイだし、一体どこを見て選べばイイんでしょう…(*_*)


毎日、ブログ見てます(≧ω≦)
お忙しいと思いますガ、更新楽しみにしてマス。。。


頑張って下さいネ(^ε^)-☆Chu!!
Posted by seiko at 2010年10月17日 23:56
seikoさんへ
はじめまして。こんにちは。
コメントありがごとうございました!
また、本のお買い上げも、ブログを頑張って読んでくださったのも、本当にありがとうございます。

いただいたコメントは携帯のメールアドレスが入っておりましたので、私のほうでメールアドレスを削除して再投稿させていただきました。Web上に携帯のアドレスがあるとそれを拾って自動で携帯メールに迷惑メールを送りつけるようなものもあるみたいなので、私の判断でメールアドレスだけ削除させていただきました。

さて、ご質問いただいた件ですが、選び方、というのは一言でご説明するのは大変難しいです。もし無理矢理簡単に言うならば、

@まずは世界株と世界国債をどのくらいの比率で組み合わせるか、を決める。株が多いほどハイリスク・ハイリターンに、債券が多いのほどローリスク・ローリターンに、なります。

Aそこにそれぞれ新興国の株、債券を足すか、足すなら先進国と新興国の比率をどのくらいにするか決める。新興国の比率が高いほどハイリスク・ハイリターンになります。

B他に足したいものがあるなら足す。好みに応じてスパイス程度に。CBとかREITとかコモディティとかハイイールド債券とか。

C株でも債券でも、基本は「自分が今後成長すると思う国のもの」を買う。という観点で改めて見直してみる。

D決めた資産配分に応じてそれぞれに投資するファンドを選んで買う。

こんな感じでしょうか。だいぶ粗いですが・・・

あとは、ポートフォリオを組むことは一気にやらないことです。投資というのはただ勉強しているだけの時よりも、実際に投資を初めてからのほうが知識が身につくスピードが格段に上がります。だーっと勉強して一気に組むと、投資を始めた途端に一気にいろんなことがわかるようになって「あんなポートにしなければよかった」「もっとああすればよかった」「こういう風にすればよかった」とすぐに思うようになります。

最初は少しずつ勉強しながら少しずつポートフォリオを構築していくのがいいと思います。粘土細工をするように、ペタペタと少しずつ粘土を足して修正しながら、そのときそのときの自分の考えるベストなポートフォリオに向けて手を加えていく、というのがいいと思います。

焦らずじっくりやってみてください。


私の本とブログがSeikoさんの資産運用の一助になれば幸いです。
これからもよろしくお願いします。
Posted by ジョン太郎 at 2010年10月18日 00:13
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]

認証コード: [必須入力]


※画像の中の文字を半角で入力してください。
※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。

この記事へのトラックバック