2010年07月26日

欧州のストレステストの結果について【オススメ】

皆さん、お待ちかね、欧州のストレステストの結果が発表されましたんで、今日はストレステストの結果について。そもそもストレステストって何なの?ってところから簡単に説明させていただきますよ。


先週末の23日に発表されたんで、この週末に更新つもりだったんですが、すいません・・・というわけで本日更新させていただきます。まぁ、いつもの通り、あくまでも私の個人的な見解ですが。



先週末の23日、EUが域内91の金融機関を対象にした、ストレステストを行った結果を発表しました。ストレステストってのは、ストレスがかかった状態でどうなるかのテスト、つまり、悪いことが起こったと仮定してその場合にどうなるかのシミュレーションを行うもの、です。

今回のストレステストというのは他でもなく、欧州の金融機関が100ユーロのものは100ユーロと信じて疑わず、安心安心と思って大量に保有している欧州各国の国債の価格が信用力の低下で下落して、100ユーロと思っていたものが90ユーロ、80ユーロになってしまった場合に、それを持っている欧州の金融機関は大丈夫なのか、のテスト。

債券価格で一番重要なのは金利じゃなくて信用だって話は前回の記事
http://jovivi.seesaa.net/article/156941628.html
でお話しした通りです。

で、欧州各国政府のソブリンリスクがあらわになって、信用力が怪しくなってきて、債券価格が下がりまくり。で、これが進んでいくとどうなるのよって話。今回は、ギリシャ国債が23%、ポルトガル国債が14%、スペイン国債が12%・・・下落したとして(「ヘアカット」って言います。その下落幅が「ヘアカット率」。)、どうなるのか、のテスト。他にも、スペインの商業用不動産が今年35%、来年30%下落とか、イギリスの不動産が今年も来年も10%下落とか、証券化商品が一気に格下げされてとか、欧州株が今年と来年20%下落したらとか、欧州のGDPがマイナス成長になったらとか、そういったいろんな悪い材料(ストレス)をかけてどうなるかをチェックしたものです。



で、問題は、というか、私の個人的な関心は先ほどもご紹介した前回の記事
http://jovivi.seesaa.net/article/156941628.html
でお話したとおり、

「ちゃんと出てくるのかしら?」「ちゃんとしたものが出てくるのかしら?」

です。

出てきたものは、




あー、やっぱり。

というもの。




「あー、やっぱり。」の意味するところは、「あー、やっぱりちゃんとしたものは出てこなかったか。」です。


今回発表されたストレステストの結果では、ソブリン債危機が発生した場合、テストの対象となった91金融機関のうち「不合格」とされた7社が資本不足に陥る、という結果になっています。その不足資本額は35億ユーロ。

ちなみにゴールドマンの事前予想では不足資本額は380億ユーロ、バークレイズの事前予想では最大で850億ユーロの資本不足、とされていました。

それが発表されてみたら、35億ユーロ。



ホッ  ?

91社中の7社で済んだか  ?

84行が合格した!  ?

事前に懸念されていたほど資本不足の額は大きくなく、35億ユーロで済んだ!  ?



いろんなとこで、いろんなことが言われてますが、まぁ、見方は人それぞれでいいのかなと・・・



今回のストレステストの結果を見て、私が「あー、やっぱりちゃんとしたものは出てこなかったか。」と思ったのは、ストレステストの内容です。ストレスをかけたのは実は一部だけ。保有している債券のうち、「満期まで保有する(つもりの)債券については対象外」としているためです。つまりヘアカットなし。


ちょっちょっちょっちょっちょっちょっちょっ・・・


いやいやいやいやいやいやいやいやいや。



そりゃあ、満期まで保有すれば債券価格は額面で償還されることになってます。デフォルトしなければね。デフォルトだってあるかもしれないじゃん、吹っ飛びはしなくても利払停止くらいはあるかもしれないじゃん、と言いたいところですが、あくまで今回のストレステストでは「デフォルトは想定していない」と言い切ってますので、まぁその点はスルーしましょう。


@100ユーロ貸しました
A信用力が低下して返してもらえるかが怪しくなって回収できる権利(債権)は80ユーロの価値しかなくなりました、
Bなんとか100ユーロ返してもらえました。


こういうケースで、たとえ、今後Aみたいなことになっても、「満期まで保有する(つもりの)債券」なら満期まで持てば100ユーロになるわけだから途中のAは無視してヘアカットしない。ってなったら、デフォルトのケースが無視されるだけじゃなくって、A事態を無視することになります。


すると、

Aの時には時価評価しないの?時価評価して決算したらそこでいきなり資本不足が露呈するじゃん!

Aの時に苦しくなってお金必要になって(本来は満期まで保有するつもりだった債券を)売ったりしないの!?売るときは時価じゃん!80ユーロじゃん!20ユーロの損が実現しちゃうじゃん!

Aの時に、この債券を担保に入れてお金借りたりしないの?その時は80ユーロの担保価値しかないじゃん!あるいはその前から100ユーロの担保でお金借りてたら80ユーロになったことで担保価値が20ユーロ分足りなくなっちゃうじゃん!


という物っ凄い基本的な疑問が無視されることになります。

ストレスかかってる時なんて、お金が足りなくなってカツカツで、売れるものは何でも売って、担保なんか爪の垢まで入れるくらい入れまくって、って状態です。満期まで持つ(つもりの)ギリシャ国債は23%の下落を想定しなくていい、額面通りのままいくと想定してOK、そういうのは対象外。

!(゚ロ゚;) マジデ!? 楽勝じゃん!

それってさ、ストレスフリーじゃね?

ストレステストじゃなくてストレスフリーテストじゃね?





えっ? ウソヤダ。うち合格してる・・・

えっ!? アラうちも。合格してるわ!

うちもよ!てっきり不合格だと思ってたのに!




みなさーん、聞いてください、うち合格です!

合格ですって!安心して買ってくださーい!

信頼の合格マークです!安心してお金貸してくださーい!




・・・ねぇ、それでいいの?

本当にそれでいいの?



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posted by ジョン太郎 at 22:07| Comment(0) | TrackBack(0) | ジョン太郎のマメ知識 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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