2010年01月30日

ブラジルレアル下落とギリシャショック

今週はギリシャ国債の急落をきっかけに株式市場も為替市場も大きく調整しました。ギリシャショックとでも申しましょうか。


ショックというほどではないかもしれませんな。

でもまぁ、ギリシャ国債の急落をきっかけに株式市場も為替市場も大きく調整したという感じです。

一番インパクトが大きかったのは28日にフランスの新聞が、EU加盟国がギリシャへの金融支援を検討している、というような内容の報道を行ったこと。EU各国の要人たちがこれを否定する発言をしましたが、マーケットはまだ眉唾。

結局28日の市場でギリシャの10年国債の利回りは40.5bpsも上昇しました。同じユーロ圏のドイツの国債が3.20%なのにギリシャ国債は7.14%です。同じ通貨で4%もの差がついてます。国債の利回りが上がるということは国債の価格が下がってるってことですよね。債券利回り上昇=債券価格の下落、ですから。

ギリシャ国債の価格はこの日だけで2.78%も下がりました。国債ですよ?昨年秋くらいに112だったものが今や92です。18%も下落してます。

昨年秋から下落過程では昨年12月の格下げのインパクトも大きかったですね。その時のエントリーはこちら。
http://jovivi.seesaa.net/article/135400010.html


CDSのスプレッドも急騰してて、
ギリシャの格付けはBBB+ですがスプレッドは556bpsです。7.14%の国債を買って、万が一吹っ飛んだときのために保険をかけるのに必要な保険料が5.56%です。1.58%しか残りませんな。ちなみに3ヶ月前のスプレッドは72bpsでした。

あ、CDSって何よ?って方はこちら
http://jovivi.seesaa.net/article/107924416.html
http://jovivi.seesaa.net/article/108587762.html

ざっくり言うと倒産保険みたいなもんで、スプレッドというのは保険料みたいなもんです。

この記事
http://jovivi.seesaa.net/article/113834745.html
に1年ほど前の昨年2月のギリシャのCDSが載ってますが239bpsになってます。ちなみにこの時の格付はA。その更に1年前、2008年2月のスプレッドが46bps。つまり、この数字を並べてこの2年間のギリシャのCDS推移を見ると

46bps⇒239bps⇒72bps⇒556bps

こんな感じで動いてきたということになります。

しっかし、BBB+で556bpsですからね。
同じBBB+の南アフリカが90bpsですから、ギリシャの保険料がいかに高くなってるかわかります。ちなみにギリシャより下の格付けの国も見てみると、

【BBB】
タイ:63
ロシア:83
メキシコ:83
【BBB-】
ペルー:74
ブラジル:78
【BB+】
コロンビア:87
インドネシア:117
【BB】
フィリピン:113
コスタリカ:127

とまぁこんな感じ。


ところが更についでにAAとかAAAの国も見てみると、

【AAA】
スペイン:126
【AA-】
イタリア:104
アイルランド:122
【AA】
ポルトガル:152

・・・ おや?



というわけで信用リスクに対する警戒感が強まってます。

更にそういう信用リスクを含め、さまざまなリスクをとって、より大きなリスクをどんどんとって運用している資金が、例のオバマの新金融規制法案で引っ込むかもしれない、それに便乗している資金も一緒にはがれるかもしれない、というわけで株は下落し、高金利通貨が売られ、という流れになってます。いつもの、


株⇔債券

高リスク資産⇔低リスク資産

低流動性資産⇔高流動性資産

運用先通貨⇔ファイナンス通貨


この流れで左から右への資金シフトです。

当然ギリシャや他にも警戒されてる国を抱くユーロは売られますよね。



株は年初来でほとんどの国が3%から10%のマイナスです。プラスの国を見つけるほうが大変なくらい。

為替もほとんどの通貨が対円で年初から1%から6%程度の円高。主要通貨の中でブッチギリになっちゃってるのがブラジルレアルで年初から10%くらい下げてます。猫も杓子もブラジルでしたからね。猫も杓子も、って時はだいたいマネートレインが停車してて、どっちかって言うともうそろそろマネートレインが次の駅に向けて出発する頃、という感じなんですけどね。年初から株安・レアル安が進んでます。

マネートレインについてはこちら。
http://jovivi.seesaa.net/article/97769902.html


「ブラジル最強!」「やっぱりファンダメンタルズが強えもん!」と叫び、スターをとったマリオ並に「無敵!!!」と調子よく突っ走ってた人たちに冷や水が浴びせられた格好です。ファンダメンタルズを口にしてても、それは建前であったり、実は内心怖いと思ってる自分の警戒心を隠したり、自分の不安も紛らわせたり、自分を奮い立たせるためのものであったりしてね。実際には、上がってるから買う、下がり始めると怖くて売る、という、なんてことはない追随行動、という人が実は多かったんじゃないでしょうか。

だとするとブラジルのファンダメンタルズも何もあったもんじゃないわけで、ブラジルのファンダメンタルズとか競争力に変化がなくてもマーケットはアサッテの方向に向かってしまいます。そしてさらにそれにわけわからん後講釈をつける人が出てくると。

もし、ファンダメンタルズを口にしながらファンダメンタルズなんか関係なくってただの追随行動で投資してたっていう人たちのお金がブラジルレアルやブラジル株の価格を押し上げてたとすると、今回みたいにリスク資産に対する警戒心が高まって、ちょっとでも資金が逃げれば、あとは蜘蛛の子を散らすように我先に、と逃げることになっちゃうんでしょうね。赤信号みんなで渡れば、の心理状態と一緒ですから。車の音なり、パトカーのサイレンでも聞こえれば、たとえそれが誰かの空耳でもみんな一斉に、自分だけは逃げ遅れまいと我先にと、逃げ出すことに。

そうなればそういう資金でかさ上げされてた部分が剥離するのは当然の話。本当にブラジルのファンダメンタルズを見て、そこに投資してた人たちがどのくらいいたのかがよくわかる機会になるんじゃないでしょうか。そういう人の資金は逃げ出さないでしょうし、そうじゃなくて、ファンダメンタルズとは口先ばかりで追随行動で買ってた人の資金は逃げてその分のかさ上げ剥離が起こると。いい機会、と言うのは不謹慎なんでしょうか。私の本音はいい機会だと思ってるんですけどね。昨年12月のこの記事
http://jovivi.seesaa.net/article/136689740.html
でも書きましたが昨年最も多く交わされた議論の1つが
「レアルは上がりすぎなのか、行き過ぎじゃないのか」
でした。

で、年が明けたらこうでしたと。



というわけで、リスク資産に対する警戒感が残りつつ、来週へ、という感じです。
さてどうなることやら。


↓ランキングです。ポチッと押して投票お願いします。
にほんブログ村 株ブログ 投資信託へランキング参加中!


FC2 Blog Rankingb_03.gif



ど素人がはじめる投資信託の本

ど素人が読める決算書の本

posted by ジョン太郎 at 10:58| Comment(1) | TrackBack(0) | ジョン太郎のマメ知識 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
どうもご無沙汰してます。

景気は回復に向かってんのかどうなのか、全然分かりませんね我々庶民には。
中国なんかもバブルなような気もするし、意外にそうでもないのかもしれないし、ヨーロッパもやばいような気もするし、案外大丈夫な気もするし。

オバマさんの規制案もどうなることやら分からないし、日本はもう何がやりたいのかすら分からないし。。。。


またそのうち第二・第三のギリシャとか第二・第三のブラジルが出てきそうですよね。
マネートレインもまだまだ右往左往で何往復もするんだろうな、と。

こんな状況で株価の波を乗りこなせるわけないですし、やっぱり「余裕資金で現物株持ちっぱなし」が最強だよな、ってのはつくづく思います。
「下げたらまた買えばいいや」って、ある意味、最強の呪文というか、精神安定剤ですよね。

まぁ株価はともかく、実体経済は早く底打ちを実感できる状況になってほしいものです。
Posted by くあむ at 2010年02月01日 11:13
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]

認証コード: [必須入力]


※画像の中の文字を半角で入力してください。
※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。

この記事へのトラックバック