2009年12月05日

今週の話と、あと、おすすめの本の話

スイッチバック電車はまた折り返しと。


先週の円高から一転、円安に進みましたね。

スイッチバック電車は折り返し、

株⇔債券

高リスク資産⇔低リスク資産

低流動性資産⇔高流動性資産

運用先通貨⇔ファイナンス通貨

右から左へ向かいました。

株高、円安。

特に昨晩、ヨーロッパ市場からアメリカ市場にかけてはアメリカの雇用統計やガイトナー発言を受けて一気に円安が進み、ドル円はいきなり90円台。前週比で比べれば、対円レートは

米ドル:+4.7%
ユーロ:+3.9%
ポンド:+5.7%
豪ドル:+4.8%

赤信号、みんなで渡れば怖くない、で渡り始めたわけですが、みんなで渡ると本当に市場はあっという間に変動します。新興国株も一気に上がりましたし、ここのところ資金の避難先としてお金が集中して連日史上最高値を更新してた金価格は昨日だけで約6%下げました。金を避難先と考えて逃げ込んだら翌日6%下落ってどんな気分でしょうね。株と債券やヘタしたら預金と比べられたりしますが、金というのはそれ自体がキャッシュフローを生みませんからね。株や債券は、金と同様にマネーフローによる価格の上下動もありますが、株の配当や債券のクーポンのようにインカムゲインがあります。預金ももちろん利息というインカムゲインがあります。株の配当は企業利益が増えれば増える可能性があり、債券のクーポンも変動利付債であれば増える可能性があります。金はそれ自体は何も生みません。キャッシュフローを生み出さない資産です。マネーフローによって価格が上下動するだけの資産です。原油もね。金を他の資産と一緒くたにして話す人がいますが、私は区別して考えるべきだと思います。

あと、先ほどの前週末比の数字で米ドルが+4.7%と大きく円安に進んでいるのをご覧いただきましたが、米ドルは先週までの米ドルと位置づけが異なっていると思います。先週までの米ドルは<運用先通貨⇔ファイナンス通貨>というスイッチバック電車構造の中で円と同じ「ファイナンス通貨」としての扱いでしたが、今週、特に昨晩のドルは「運用先通貨」としての扱いでした。

雇用統計の数字やガイトナー発言を受けて、「景気回復と判断⇒利上げ⇒日米金利差拡大(復活)」という流れが想起されて円を売ってドルを買う動きが大きくなりました。もちろんこの状態でいきなり円売りドル買いのキャリー取引をやろうとしても金利差はないんでキャリーにならないんですが、先週もお話ししたように(http://jovivi.seesaa.net/article/134233267.html)、キャリー取引には、キャリー取引に先回りしてやろう、キャリー取引に乗じてやろう、という資金が大量にある、ということを忘れてはいけません。今現在の金利差じゃなくて、これからの金利差を考えて、その金利差を利用してキャリー取引をしてやろうとする人が出てくると考えて、その人たちより先に安い値段で買っておこうという人たちがいるということです。

まぁ、どこかで車の音が聞こえたり、パトカーのサイレンが聞こえたり、なーんてことがあると赤信号をみんなで渡っていた人たちはまた一斉に逃げ出すわけですが・・・しかもそれが誰かの幻聴だったり、妄想だったり、勘違いだったり、なのにそれを口に出す人がいて、広める人がいて、ウワサとして一気に広まったり、それをどこかのプロなのか素人なのか分からないような人が信憑性があるとか言ってみたりして、事が大きくなっちゃったりしてね。大変ですな。私にはとても付き合いきれません。

私の関心はどっちかって言うとこっちのほう。

【以下引用】
http://jp.reuters.com/article/mostViewedNews/idJPJAPAN-12746220091202
10年に欧州ジャンク級企業で最大75社がデフォルトの恐れ=S&P
2009年 12月 3日 04:26 JST
[ロンドン 2日 ロイター] スタンダード&プアーズ(S&P)は2日、最悪シナリオによると、2010年に欧州の投機的格付け(ジャンク級)企業のうち最大75社が債務不履行(デフォルト)となる恐れがあり、自動車・消費関連セクターのリスクが最も高い、との見方を示した。
 S&Pは年次欧州企業信用見通しのなかで、高レバレッジで業績が悪化している多くの企業を救えるほど、経済回復は強くない可能性が高いと指摘した。

 同社のブレーズ・ゴーギャン欧州最高信用責任者は「リセッション(景気後退)の最悪期は過ぎ去った可能性があるなか、企業のデフォルト率もピークに達したとみられるものの、回復の程度は極端に浅い公算が大きい」とした。

 企業の年率デフォルト率は09年第3・四半期に13.1%でピークに達した公算が大きいが、過去の平均で比較すると、10年にかけて倍以上の水準で推移することが予想されるとした。

 企業75社がデフォルトとなった場合のデフォルト率は11.1%になる。

 こうしたなか、基本シナリオでは、10年に欧州のジャンク級企業のうち55社がデフォルトとなる恐れがあり、この場合のデフォルト率は8.7%となる。
【以上引用】


今、ヨーロッパのハイイールド債の利回りは10%とか10.5%とかそんなもんだと思います。その利回りは本当に妥当なのかと。ハイイールド債というのは以前にも説明したことがありますが、格付けが投資適格(BBB以上)ではない(BB以下)、投機的格付け債、ハイイールド債、ジャンク債、なんて呼ばれる債券のことです。こういうのを高利回りと言って普通の個人投資家とかが利回りだけに注目して飛びついちゃうってのがまた凄いところです。10%の利回りで10%デフォルトしてどうすんですかと。10%デフォルトしたら、この手のもの自体が嫌気されて、デフォルトしてない債券の価格だって下がるわけで。皆さんのポートフォリオの中にはハイイールド債入ってますか?一応確認してみてはいかがでしょうか。もちろんすぐ売れという話じゃなくって、そんなことを言う気は毛頭なくって、それに対して自分がどう考えるか、自分はどういうスタンスなのか、ってのを一度考えておくといいんじゃないかなって思います。


最後に、お金の話じゃないんですが、最近読んだ本の中で一番おもしろかった本をご紹介したいなと。


いっしん虎徹 (文春文庫)

凄いです。本当に。超オススメです。友達にも薦めまくってます。ものづくりをする以上はかくありたいものだと唸らされる本です。金融業界に限らず、どこかの世界でものづくりの仕事に就きたいと考えている就職活動中の学生の皆さんには是非御一読いただきたいです。私が採用面接してたら、『「いっしん虎徹」を読んでものづくりの道を究めてみたいと思いまして志願いたしました。」』なーんて言われたら即採用してしまいそうで(笑)

本当に、ただただ、こういう風でありたいなと思わされる本でした。このブログだって、いつも読んでくださっている皆さん、ずっと応援してくれている皆さん、のことを考えれば、やっぱりあのくらいの気持ちで書かないといけないよなって思います。重くなっちゃいますけど・・・

せっかくの素晴しい本なので、本の内容には触れませんが、おすすめです。ご興味ある方は年末年始のお休みにでも是非お読みいただければと。

この本があまりにもおもしろくて、山本兼一の本を一気に買って読み漁っているところですが、いっしん虎徹以外で読み終えた2冊もおもしろかったです。
この2冊。
雷神の筒 (集英社文庫)
火天の城 (文春文庫)

この2冊も「いっしん虎徹」と同様に、ものづくりとか、1つのことにこだわるとか、1つの道を究めるとか、無骨に愚直に真摯に物事に取組むとか、そういったテーマのある本です。私、この人、大好きです。一気に山本兼一ファンになりました。

そして次は彼の直木賞受賞作をいよいよ読もうかなと。ワクワクしてます。
直木賞受賞作はこれです。

利休にたずねよ

いやー、素敵です。本当に。

どうやったらああいう本が書けるようになるんでしょうね。


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posted by ジョン太郎 at 10:38| Comment(0) | TrackBack(0) | ジョン太郎のマメ知識 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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