2009年08月09日

投資信託の税金(改)【オススメ】

今日は投資信託の税金についてのアップデートです。
株の税金も同じなので株の人も使ってねー。


って何を今さら、って感じもするんですが・・・

税金の話ってのは税制が変更になる年初にするのが普通なんですけどね・・・こんな暑い時期にやるなんてね・・・



えっと、このブログでは以前に投資信託の基本的な仕組みについては一通り説明していて、投資信託の仕組み等はそんなに頻繁に変更されないため、以前書いたものをそのまま残してあって、それはそれでいいと思ってるんですが、今の私の言葉でしかも体系的にまとめられる機会ってことで「ど素人がはじめる投資信託の本」ってのを書かせていただきました、というのは以前お話しさせていただいた通り。


で、先日、友人から「今度、投信解約するんだけどさ、買取請求でやったほうがいいんだよね?」と聞かれ、聞けば友人はこのブログで投信の税金を調べたらしく、見直してみると、・・・たしかに古い税制のまんま。まぁ古い税制のまんまの記事の理解でも、得することはないにせよ、損することはないのですが、ちゃんと今の税制のものに変えておこうかと思いまして。

これはさすがにアップデートが必要な内容だなと。制度変わってるしね。今さらって感じはするけどね。というわけでアップデートします。



以前買いた投信の税金についての記事はこちら。
http://jovivi.seesaa.net/article/15105700.html



今の新しい税制というのは今年の1月から適用になっています。が、この新証券税制が決まるまでというのはモメにモメまくり、去年の夏、秋、年末にかけて大騒ぎになりました。発表される内容も二転三転しまくり、着地してみるまでどうなるかわからんな・・・という感じでした。

実際、その間に発表された、「年間100万円までの分配金は非課税、年間500万円までのキャピタルゲインは非課税」みたいな内容を聞いたことがあるという方は多いと思います。実際にはその案は潰れたわけですが・・・結局落ち着いたところはそこかよ!っていうような拍子抜けするくらいシンプルで、そこに落ち着けるんなら今はそれがベスト、というものでした。

結局本来20%だった税率が昨年まで優遇期間で10%に軽減されてて、ことしから原則20%に戻すはずだったのが、2011年末まで10%軽減期間が延長されることになりました。


証券会社や銀行で働く友人達の中にはこの新証券税制次第で大きく振り回される仕事をしている人間が結構いて、「マジでカンベンしてほしい」、「間に合わねーっつーの」、「バッカじゃねーの」、「霞ヶ関と永田町だけで話すからこういう現実や実務を無視した案が・・・」、なーんて声が多かったです。実際、今年から適用になる新証券税制が決まったのは今年に入ってから。だったはずです。たしか。1月も終わり近くになってから決まったんじゃないかな。1月1日から適用の新証券税制が。ナメんなよと。間に合わねーんだよと。という声が溢れましたが、ともあれ落ち着いた形は良い形だったので、何はともあれと、私もホッとしてよかったよかった、と油断して、このブログの税金のページをアップデートするのをすっかり忘れておりました。

で、さっきの友人に聞かれて思い出した、というわけです。あ、その友人から聞いたんですが、私は以前ブログで書いた記事を検索するのにgoogleで例えば「ジョン太郎 投信 税金」みたいに検索をしてたんですが、そうやって検索しても他のいろんなサイトの情報が出てきちゃうので、目当ての記事に辿り着けなかったりしてたんですが、そういう時はgoogleに「site:jovivi.seesaa.net ジョン太郎 投信 税金」って入力して検索するとこのサイトの中からだけ検索ができるらしいです。便利なので試してみてね。





というわけで前置きが長くなりましたが投信の税金についてまとめます。




投資信託の税金はごちゃごちゃ書いてあって分かりにくい、という方もいますが、税金ですから「儲け」に対してしか課税されません。このポイントを押さえておくだけでも理解するのがずっと簡単になります。

分配でも換金でも、現金化して受け取った部分が利益だった場合、利益が実現したことになり、実現した利益に対して税金がかかります。投信の利益が実現するのは@分配金が出た時、A換金した時、B償還された時、の3つです。しかし、@ABのいずれのケースでも必ずしも儲けが出るとは限りません。@ABのいずれのケースでも、儲けが実現するケースと儲けが出ないケースがあり、税金がかかるのは@ABのいずれかのケースで「儲けが実現した時」だけです。また、「今解約したらいくらくらいの儲けになる」という「含み益」の状態では税金はかかりません。当たり前ですよね。そんなんで課税されたらたまったもんじゃないです。

含み益というのはあくまで「利益が実現していない状態」なのです。ここも勘違いしている人が多いので気をつけましょう。破綻したリーマンブラザーズで働いていた知人が、ボーナスの一部をリーマンの株でもらっていてその分だけで何億円もあったため、貯金は全くせず老後は安泰と思っていたら、リーマンが潰れてパーと。貯金もなく、株もゼロ、で職まで失って・・・でも何億円分あったはずの株にも税金はかかりませんでした。なぜなら「儲けは実現してないから」「まだ確定した儲けじゃないから」「まだこの先何があるかわかりませんよヒッヒッヒ」「本当に儲かったら税金を頂きに行きますからねヒッヒッヒ」という声が聞こえてきそうです。話が逸れましたが、投信の税金がかかるのは
@分配金が出た時
A換金した時
B償還された時
のいずれかのケースで「利益が実現した場合」です。


もし、皆さんが1万円をある投資信託に投資して、投資した瞬間にそのうちの1,000円が分配金として支払われ、投資信託9,000円と現金1,000円になりました。この1,000円が「分配金としてもらったんだから利益だ!利益に対しては税金をとることになっている!」と言われ、1,000円の中から税金が引かれたらどう思いますか?やってられないですよね。これは利益ではなく、元本の一部取り崩しに他なりません。こういう利益ではない分配金、儲かっていない分配金を「特別分配金」と言います。特別分配金は儲けの実現ではないですし、利益ではありませんから税金はかかりません。利益のかかる分配金を「普通分配金」と言います。

1万円で買ったものが2万円になっていて、このうちの1,000円を換金したらこれは儲けを現金化して儲けを実現したことになりますね。この場合はもちろん税金がかかります。また、1万円で買ったものが2万円になっている状態で1,000円の分配金が出た場合も1,000円の現金と19,000円の投資信託に分けたことになり、儲けを現金化したことになりますから、実現した利益の1,000円に対して税金がかかります。

では1万円で買ったものが11,000円になっていて、このうちの3,000円を分配金として受け取った場合はどうなるでしょう。この場合、3,000円のうち1,000円は利益の実現ですから税金がかかりますが、残りの2,000円分は元本の一部取り崩し部分ですから特別分配金になり、税金はかかりません。なお、特別分配金を受け取った後は購入した価格(個別元本といいます。)が受け取った特別分配金の金額だけ下がります。つまりこの場合、
10,000円(当初買った価格、最初の個別元本)−2,000円(受け取った特別分配金)=8,000円(修正後の個別元本)
ということになり、8,000円のここから9,000円に上昇して、この時に500円の分配金を受け取った場合は、8,000円が個別元本つまり購入した価格ということになっていますからこの500円の分配金は利益の実現ということになり、税金がかかります。



次に実現された儲け、利益に対してどのくらいの税金がかかるかと言うと10%です。これは本来20%なんですが、時限立法で現在は10%に優遇されています。2008年末までで一旦10%の優遇措置は終わったんですが、延長されたため、2011年までは10%です。それから先はわかりません。一応20%に戻る予定ですが、またモメて延長されたり、100万円以下の儲けは10%でそれ以上は20%、みたいなことになるかもしれません。2012年になってみないと分かりません。税金なんてそんなもんです。ハイ。

で、税率は2008年までと同じ10%なのですが、いくつかの変更がありました。大きなポイント2つだけ。


【1】解約・償還による換金が譲渡所得扱いに

2008年までは換金時に、「買取請求」で換金したか「解約請求」で換金したか、で税金の扱いに差がありました。買取請求で出た儲けは「譲渡所得」、解約請求および償還で出た儲けは「配当所得」、という扱いだったため、解約・買取を選べる場合は通常は買取を選んで譲渡所得扱いにしたほうがメリットが大きかったです。しかも、「解約請求」と「買取請求」を選べるかどうかは販売会社毎、ファンド毎、に違ったり、でメチャクチャややこしかったんですよね。

で、それが今年から変わりました。解約請求による換金と償還で実現した利益が「配当所得」から「譲渡所得」に変更されたため、買取・解約・償還のいずれの場合でもすべて「譲渡所得扱い」となったため、解約・買取のどちらを選んでも差がなくなりました。解約でも買取でも、元本および元本取得のためにかかった費用や売却した時にかかった費用も引いて、残った金額を利益の金額とすることができるようになりました。以前は解約請求の場合、解約した金額から元本を引いた金額が利益となってしまっていて、買うときに支払った手数料や売るときに支払った手数料までも利益の額の中に含まれてしまって、その金額にも税金がかかってしまっていたのですが・・・

というわけで現在は、解約・買取に差はありません。どちらで換金してもOKです。

解約、換金、償還の税金上の扱いが同じになり、全て譲渡所得になりました。




【2】分配金や配当金と譲渡損失の通算が可能に

株の配当金や投信の分配金(公社債投信は利子所得)はこれまで同様「配当所得」の扱いで、譲渡所得同様に2008年までの10%への軽減税率が2009年〜2011年までの間延長されることになりました。また、変更点としては、株の配当金や投信の分配金などの配当所得を株や投信を売った場合の譲渡損失と通算できるようになりました。ただし、総合課税を選択した場合はこの通算はできません。総合課税を選ぶ人はいないと思いますが・・・普通の人は申告分離課税にするはずです。通常通り申告分離課税をすれば大丈夫です。

普通に「源泉徴収ありの特定口座」で取引をしている人であれば、
@儲けが出た場合は10%が自動的に源泉徴収され、課税終了し、申告不要。
A一部に損が出た場合に他の儲けと通算して他の儲けの税金を取り返したり、配当控除を使う場合などは、確定申告をして税金を取り返す。

のどちらかをするだけです。
ちなみに配当所得と譲渡損失の通算は2010年から特定口座内で完了して、確定申告が要らなくなるって話です。




最後に、ポイントだけまとめますと、

投信の税金がかかるのは
@分配金が出た時
A換金した時
B償還された時
のいずれかのケースで「利益が実現した場合」のみ。

@分配金⇒配当所得(譲渡損と通算できるようになった)2011年まで税率10%
A換金⇒譲渡所得(解約でも換金でも譲渡所得になった)2011年まで税率10%
B償還⇒譲渡所得(償還も譲渡所得になった)2011年まで税率10%

普通に「源泉徴収ありの特定口座」で取引をしている人であれば、
@儲けが出た場合は10%が自動的に源泉徴収され、課税終了し、申告不要。
A一部に損が出た場合に他の儲けと通算して他の儲けの税金を取り返したり、配当控除を使う場合などは、確定申告をして税金を取り返す。
のどちらか。




以前も書きましたが、覚える必要はありません。

忘れたらまたこのページを見たらいいです。

こんなもの必死に覚えたってどうせすぐまた変わるんですから・・・


以上、現在の投信の税金についてまとめてみました。


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posted by ジョン太郎 at 11:53| Comment(2) | TrackBack(0) | ジョン太郎のマメ知識 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
ありがとうございました。
株の配当所得との損益通算ができるようになったことを見逃していました。
昨年の損失分を多少なりとも補うことができます。
Posted by masasan at 2009年08月09日 15:09
masasanさんへ
こんにちは。コメントありがとうございました。
お礼なんてとんでもないです。こんな時期になっちゃってすいません。アップデート遅過ぎですよね。

これからもよろしくお願いしますね。
Posted by ジョン太郎 at 2009年08月10日 07:27
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