2009年07月20日

堕ちた天使

“Fallen Angels” 「堕ちた天使」の数が増えてます。


こないだの記事(http://jovivi.seesaa.net/article/123790107.html)のクレジットの話とかかわりますが、“Fallen Angels” 「堕ちた天使」の数が増えています。

“Fallen Angels” 「堕ちた天使」というのは投資適格とされるBBB以上の格付けから、投資不適格とか投機的格付とかハイ・イールドとかジャンクと呼ばれるBB以下の格付けに引き下げられた企業のことを指します。

また格付けの話?まだ格付機関の調査なんか見てるの?とかって議論はおいときます。代わるものがありませんし、今でも金融の世界で普通に使われてますから。嫌なら自分でクレジットリスク調査すればいいだけですし、それがめんどくさい人はクレジットリスクとらなければいいだけの話ですから。他に代替の無い便利なもの、クレジットマーケットを見るための1つのツール、として恐らく今後もこのブログでお話をさせていただく際に使わせていただくと思いますのでご了承ください。これがないとクレジットの環境変化や企業やソブリンの信用動向、各クレジットリスクのプレミアムなんかの把握がうまいことできなくなりますしね。このスケールを使ってこそ見えてくるものだってありますし。使い方さえ間違えなければそれなりに有用だと私は思ってます。



さて、S&Pの調査によると、先月6月に投資適格の格付けを失った“Fallen Angels” 「堕ちた天使」の数は15社と、月間件数としては1987年以降で3番目に多い水準まで上がりました。ちなみに1番目は97年12月のアジア通貨危機のときの19件、2番目は今年3月の17社。S&Pは更に75の発行体が“Fallen Angels”になる可能性があるとしています。


S&Pがまとめた昨年2008年のクレジットレポートが出てますが、興味ある方は読んでみるといいと思います。非常に面白い結果が出てます。英語版の原文が4月に、翻訳された日本語版も7月に出てます。日本企業についてだけまとめたものもあります。S&PのHPで入手できます。

直リンクはやめときましょう。
このページ
ttp://www2.standardandpoors.com/portal/site/sp/jp/jp/page.topic/researchlearning_defaultstudies/3,5,5,0,0,0,0,0,0,0,0,0,0,0,0,0.html
に行くと
「デフォルト・スタディー」
とか
「デフォルト・格付け遷移調査」
ってのがあります。

分かりにくいかもしれませんが分類は
◆コーポレート(事業法人)
◆ソブリン(政府や国際機関)
◆地方自治体
◆ストラクチャード・ファイナンス(証券化商品)
こんな感じになってます。

例えば、世界の企業の格付け別デフォルト率の推移を見ますと、AAAのデフォルトは81年から08年まで0%、AAもほぼずっと0%ですが1999年が0.17%なのと、2008年が0.38%と例外。Aになると、82年が0.21%、86年が0.18%、94年が0.14%、99年が0.18%、00年が0.26%、01年が0.35%、04年が0.08%、そして08年が0.38%。2008年だけを見ていくとBBBは0.47%、BBが0.76%、Bが3.82%、CCC以下が26.53%。

世界の企業のデフォルト件数は
04年:56件
05年:39件
06年:30件
07年:24件
08年:125件

投資適格、BBB以上の企業のデフォルト件数は
04年:1件
05年:1件
06年:0件
07年:0件
08年:14件

デフォルト額は
04年:207億ドル
05年:420億ドル
06年:71億ドル
07年:82億ドル
08年:4296億ドル

08年1月1日にAAAだった企業のうち、08年末の格付けが
AAA:81.82%
AA:6.06%
A:3.03%
BBB:0%
BB:0%
B:1.01%
CCC以下:2.02%
デフォルト:0%
無格付け:6.06%


08年1月1日にAAだった企業のうち、08年末の格付けが
AAA:0%
AA:77.65%
A:17.23%
BBB:0.57%
BB:0%
B:0%
CCC以下:0.19%
デフォルト:0.38%
無格付け:3.98%

こんなことがわかります。

更に社債では2008年もAAAのデフォルト率は0%でしたが、証券化商品の場合、AAAのデフォルト率は81年から06年までが0%、07年が0.0.4%、08年が0.53%となっています。AAAでもデフォルトしたケースがあるということです。2008年のBBB以上の投資適格の証券化商品のデフォルト率は1.03%、BB以下のハイイールド、投資不適格級の場合16.05%、でした。

あとは外貨建てのソブリンの場合、AAAからAまでは10年以内の累積平均デフォルト率が0%、つまりA以上の外貨建てソブリンは10年以内にデフォルトしたことがない、でもBB以下だと1年目で2.97%、5年目で4.09%、10年目で23.53%、とかね。

結構おもしろいでしょ。
よかったらS&Pレポートのいろんなデータを見てみてください。
以上、データは全てスタンダード&プアーズ社のHPおよびHP掲載のレポートより。



というわけで、先進国は今後もクレジットリスクの顕在化に注意が必要だと思ってますが、私は引き続き新興国には割と強気です。もちろん新興国にもいろんな国があるのでひとくくりにして語ることはできませんが・・・

そうは言ってもグループとして見た場合、先進国グループよりも新興国グループのほうが成長率がずっと高いことは確かですし、新興国グループの中には今後の世界経済の牽引役を期待されている国が含まれています。

現在のところ中国、インド、ブラジル、の3ヶ国が別格という感じでしょうか。個人消費が強いですしね。ロシアはこの3ヶ国に劣ると思います。原油価格次第、ですし。

こないだインドの携帯電話加入者数が増えているというニュースが出てましたが、インドの携帯電話市場の月間加入純増数は5月まで9ヶ月連続で1,000万件を突破しました。現在、中国に次いで世界2位の加入総件数を誇りますがそれでもまだこの急成長っぷり。毎月1,000万件の純増ですよ?過去1年の加入累計だけで1億3,733万件。日本の人口より多いし・・・しかもそれでも携帯電話普及率はまだ2割ちょっと。

新興国の話もそろそろアップデートしたいもんですな・・・・



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posted by ジョン太郎 at 12:03| Comment(0) | TrackBack(0) | ジョン太郎のマメ知識 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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