2009年06月07日

モノは言い様

今日はそんな感じのお話です。



ついにGMが破綻しました。



今後のこととか影響とかいろいろ言われてますけどね。

あと、以前から指摘してた、予想してた、系の話も多いですけどね。

GMが潰れるかもって言ってた人の数は100人や1,000人なんてレベルじゃないと思いますけどね。

予想してた、予想通り、とか威張るほどのことじゃないと思いますけどね。




私はこのブログでは、きちんと真意が伝わらなかったり、周辺情報や背景が考慮されずに誤解されてしまったり、一部の言葉だけが一人歩きしちゃったり、などなど、いろいろと良くない事態が起こることも十分あり得ることから、割と慎重に発言するようにしております。

話題自体も慎重に選ぶようにしてますし、発言内容には割と気をつけてます。



結果、言いたいと思うことを言えなかったり、こういうのみんなに伝えたいんだけどなと思うことも書くのをためらってしまったり、書き方を悩んでるうちに書けなくなってしまったり、すっげーーー言いてええええ!!!ということも書けなかったりして悶々としたり悔しい思いをしたり・・・なんてこともよくあります。本当にもどかしいことも多いんです。



もちろん、それでもこのブログは、本職のほうに比べればずいぶんゆるい基準でやっているので、いろいろなお話ができているわけですが、ある一定のラインは絶対に超えないようにしていますし、本職のほうで金融業界に身をおいてメシを食っている以上は、たとえこういう形でやってるブログであってもやっぱりある程度ちゃんとやらんとなと思って、相応に慎重にやってます。



ネット上の情報を見てて、すごいことを書くなぁって思うことが多いんですよね。マジで。今回のGMの件に限ったことじゃないですけど。



予想や考えを書くのはもちろん自由だと思うんですけどね。物事の考え方や見方は人それぞれですから。ただ、ルールとか法律とか、言葉の定義とか、商品の仕組みとか、定まった答えや事実のあるものはちゃんと伝えないといけないはずです。



でも、ネット上では素人の人や、自称専門家の人とか、自称詳しい人とか、その世界でメシを食えていないプロの人とか、が、ごくごく普通にいかにも詳しい人っぽい感じで、完全に間違っていることを書いてたり、故意かどうかはわかりませんが誤った情報を流してたり、おかしな言葉の定義をしてたり、商品の仕組みを誤って説明してたり、ただの思い込みで書いてたり、するんですよね。



恐ろしいのはそれが更に雑誌になったり本になったりして本屋に並んじゃったりするということ。もちろんブログ発のものじゃなくても、普通のマネー雑誌の素人の編集の人が選んだ、素人同然でFPあたりの資格をとっただけの人とかに依頼して書いてもらったようなものにもとんでもないようなものが本当にたくさんあります。本で活字になってたり、テレビのニュース番組なんかでナントカ大学教授とかナントカ評論家とかナントカ専門家とかが発言してるだけで本当っぽく聞こえちゃうし、さすがにウソは言わんだろうと思っちゃう人が多いんでしょうし。

普通、本や雑誌って別に専門家が内容チェックしたりしませんからね。素人同然の出版社の担当者が誤字・脱字のチェックをするくらいですから、そもそもその道のプロに聞いたら一発で間違いと言われるようなものでも普通に本や雑誌に載って本屋に並びます。皆さん、マジで気をつけてくださいね。

ネットでも、本でも、雑誌でも、新聞でも、テレビでも、どんなに専門家っぽいような人が言ってても、どんな肩書きの人が言ってても、やっぱり鵜呑みにせず、自分なりに真偽を確認したり、話半分で聞くようにしたほうがいいんじゃないかなって思います。もちろん、このブログもね。



私も「自称詳しい人」なのかもしれませんし。少なくとも詳しいつもりで書いてますからね・・・

1つ言えることは、私はここのブログを、ちゃんとしたものを作りたい、ちゃんとした情報をお届けしたい、という気持ちでやってるってことだけです。

なので、話題選びも、伝え方も、表現も、それなりに選んで書いてます。

でも、現実世界の私のほうは全然そうじゃないんですよ(笑)




というわけで、ここまでにお話してきたことを全て踏まえて、今でこそ言えますが、私はリアルの世界では、「ビッグ3?少なくとも2つは潰れるでしょ。」「大きすぎて潰せない?もっと大きくて潰せないものを守るために潰すんなら話は別じゃないの。」くらい言ってました。別にそんなことを自慢するつもりは更々なくって、そんなことを言ってた人は何万人もいたということは充分知ってるわけで、そんなことを言いたいわけではなくって、「普段そういうことを平気で言ってる人間でも、ブログでそこまで書くのはためらわれるんですよ」って話をしたいんです。

お断りしときますが、ちなみに先ほどの話ももちろん本業におけるオフィシャルな発言じゃないですよ。職場の周りの人とか友達とかとの話でね。こんなのを私が去年の春とか夏にここで書いてたら読んでる皆さんのほうがビックリしちゃいますよね・・・どうしちゃったんだ急に・・・的に。こういうのはやっぱり不特定多数の人向けに書いているものの中で書くべきじゃないと思うし、やっぱりこのブログの趣旨と合わないと思うんですよね。

というわけで、
「ついにGMが破綻しました。」
多くの人が予想してたことが現実になっちゃいました。


市場にはGM破綻の混乱はなく、あっちこっちで「織り込み済み」との解説がされてます。



・・・本当に織り込み済み?

マジで?

確認した?



「GMの破綻というニュースが出る」ということは織り込んだだけ、ってことはないですか?

GMの破綻による影響、債権整理とか、発注済売上のキャンセル、連鎖倒産、下請けの整理、ビジネスライン縮小に伴うリストラ、などなどGMという巨大質量を持つ企業の破綻の影響がどこまで及ぶか予想してその分まで織り込んだってわけじゃないですよね。

みんな織り込み済み織り込み済みって言ってるけど一体どこまで織り込み済みなのよ。

なんかとても不思議です。



そういえば、ちょっと前に1ドル50円とか日経平均5,000円とか言ってた人たちは今頃何してるんでしょうね。

夏ごろにナントカって言ってた人もいましたけど・・・

まぁそれはいいとして。





それから、最近、雑誌や新聞や、あっちこっちのブログやら金融情報サイトなんかでも、最近の世界的な株価上昇基調の中での業種別の動きの比較をしているところが多いですね。

そして、お決まりなのが「すごいぞ、金融セクター」的なのと、「○○セクターは動きが鈍い、出遅れ感、出足が遅い、世界的な上昇についていけてない」的なやつ、の2点セット。

みなさんはこういうのに振り回されたらダメですよ。

いつも言ってるように、基本的に皆さんがテレビや雑誌、新聞やインターネットで見聞きする情報というのは短期の情報ばかりで、長期投資をする人が必要とする長期の話はしません。そして投資における長期の話と短期の話というのは全くの別物、長期のデータの短期のデータは全くの別物、長期の動きと短期の動きは全くの別物、です。この区別もつけずに、あるいはこの区別を知らずに、短期の情報やデータを適当に発信するのは個人投資家を混乱させるだけだし、投資教育を阻害するもんだと思うんですが、なんせ情報を発信してる側が知らないんだからどうしようもないですね。

これからの人生で長い時間住み続ける場所を探しているみなさんが必要なのはその土地の気候に関する情報。この3日の天気の情報ではありません。沖縄がこの3日寒かったとか、北海道で来週は暑い日が続くという予報ではなく、「沖縄の平均気温は高い」「北海道の平均気温は低い」という気候の情報が必要であり、その気候の変動以外のニュースはそんなに目くじらを立てて追わなくてもいいはずです。テレビや新聞や雑誌は、「沖縄の平均気温は高い」なんて話をしませんね。必ず短期の天気の話をします。それに振り回されて、この3日の天気がその土地の気候だと思ってはいけません。短期と長期の区別がつかないうちはいつまで経っても投資や運用の世界はあなたを裏切り続け、頭の周りにはたくさんの?マークが浮かび続けます。

そして、短期のデータというのは、「ものは言い様」な感じで使うことができたり、自分の話したい内容にとって都合のいい部分だけ見せたり、ってことがしやすいのも特徴です。



中にはこういう風に恣意的にフォーカスされて、違う意味に見せたり、特定の意味を見せたり、なんてことがよくあるってことです。

「すごいぞ、金融セクター」的なのと、「○○セクターは動きが鈍い、出遅れ感、出足が遅い、世界的な上昇についていけてない」的なやつ、とかね。

そりゃ、そこだけ切り取りゃね。

見た瞬間吹いちゃうけどね。

だいたいこういうのって吹いちゃうか、鼻で笑ってしまいますけど・・・・

こんなのを真に受けてはいけませんよ。

前に、1ヶ月ほど前に、この記事
http://jovivi.seesaa.net/article/118529612.html
でお話したこととご紹介したデータをちょっと新しくして、ご紹介しますけど、こちらの表をご覧ください(クリックすると大きくなりますし、見にくければ一旦PCに保存してご覧ください。)。


20090605.bmp


金融セクターの安値から足元への戻り幅、+74%だけを取り出して絶賛。スゲースゲーと。しかもこれは3月9日の安値からの戻りなので3ヶ月も経っていない長短期間で74%も上がったわけです。そしてこの金融株の爆騰に引っ張られた形の平均株価とか、時価総額ベースで算出してる指数なんかだと更に大きく金融株の動きを反映したりするわけですが、とにかく金融株のこの動きを反映して3ヶ月弱で+34%大きく上昇した「先進国全体」とか、「市場平均」と比べて、+18%の生活必需品セクターとか+15%のヘルスケアセクターを「動きが鈍い、出遅れ感、出足が遅い、世界的な上昇についていけてない」なんて言ってるわけです。

正気?

これってさ・・・動きが鈍いの?

出遅れなの?

出足が遅いの?

世界的な上昇についていけてないの?



高値から77%も下落して100だった株価が23になって40まで戻っただけの金融株、

高値から36%しか下落せず100だった株が64までしか下がらずそこから18%上昇して現在76という位置にある生活必需品セクター、

44まで下がって59まで回復した先進国全体。



生活必需品やヘルスケアが出遅れ?

世界株全体についていけてない?

市場平均から取り残されてる?




冗談でしょ?




一応10のセクターを足元の成績順に上位5つと、下位5つに分けておきましたが、これで金融株のパフォーマンスがいいなんて言うのってどうなのよって感じです。なんだよ出遅れって。



3月9日に生活必需品株とかヘルスケア株を売って金融株にスイッチ?そんなんできるの?

3月9日ってシティグループの株が1ドルだった時ですよ?



この3ヶ月のパフォーマンスを、それまで他のセクターとは比較にならないところまで下げてそこからちょっと回復して(以前の水準まではまだほど遠い)金融株、これに引っ張られている市場平均、これらとこの3ヶ月の上昇率がそこに及んでないけど実はそれまであまり下げずに踏ん張ってた株、を比較しているような記事やデータに騙されてはいけません。振り回されてはいけません。


モノは言い様。

モノは見せ様。

そんなんやるならなんだってできちゃいますよ。

みなさん冷静に。

今日はこんな感じで。



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posted by ジョン太郎 at 12:00| Comment(3) | TrackBack(0) | ジョン太郎のマメ知識 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
同感です
Posted by ひ〜 at 2009年06月08日 00:55
どうもこんばんはー。

「どこまで踏み込んで書くか」は難しいテーマですね。
読む側からすれば思いっきり踏み込んでもらった方が、よりいろんな見方・発想に触れることができてありがたいんですが、なかなかそうもいきませんよね。
おっしゃるとおり、記事・情報に振り回されることなく、マイペースで投資を続けて生きたいです。


ところで、久しぶりに質問させていただきたいんですが。

最近、銀行なんかが発行する劣後債が個人に人気、なんて記事を目にしました。
企業破綻時に劣後債に分配が戻ってくることなんてないでしょうし、どうせ紙くずになるリスクをとるなら株買えばいいじゃん、って個人的には思ってしまうんですが、どうなんでしょうね。
劣後債でなく普通の社債でも、企業破綻時に戻ってくる可能性がゼロではない、ってだけで実質は戻ってこないだろうからそれなら劣後債の方が利回りが高い分お得、ってことでしょうか。

てことで
@通常の社債で、破綻時に分配が戻ってくることってあるんでしょうか?
(劣後債より利回りが低い代償、として他にも何か劣後債に勝るメリットがあるんでしょうか)
A劣後債が人気、という状況について、ジョン太郎さんは個人的にどんな感想をお持ちですか?

という質問です。
Aはブログでは答えにくい面もあるかもしれませんが、可能な範囲でけっこうですのでよろしくお願いします。
Posted by くあむ at 2009年06月11日 10:55
ひ〜さんへ
コメントありがとうございました!

くあむさんへ
こんちには。コメントとご質問ありがとうございます。頂いたご質問は本文のほうで回答させていただきましたのでご覧ください!
今後もよろしくお願いします。
Posted by ジョン太郎 at 2009年06月14日 12:06
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