2009年02月14日

本日発売!&投資は何から始めるか?のアップデート

私の投信本「ど素人が始める投資信託の本」遂に本日発売です!本の発売に合わせて、「投資は何から始めるか?」についてちょっとアップデートしたいと思います。








というわけで本日発売でございます。

詳しくはこちら。


ど素人がはじめる投資信託の本



で、私は以前、2006年ごろまでは、「投資を始めるなら一歩目は日本株ファンドから始めるのがいいんじゃないでしょうか」と言ってました。このブログは最初の頃に、投資信託の説明とか、用語解説とか、そもそも投資とはみたいな解説をしていて、一通りの説明を終えた最近では今ホットなトピックの解説や、タイムリーな話題、最近ニュースでよく聞く言葉の解説などが多くなってきてます。ところが、この記事(http://jovivi.seesaa.net/article/111784793.html)でも書いたように実際には私の考え方も少しずつ変わってきていますし、理論の醸成や整理も進んできています。そんな今の私が考える投資を、1話1話バラバラのブログではなく、新たに書き下ろすことで、整理しながら体系だてて皆さんにご説明できる、という点が今回の本のいいところだと思っています。

特に一番大きく変わったなと思うポイントが、この「何から始めるか」という点です。この2〜3年は、「日本株から始めるべき」だとはあまり思わなくなってきています。恐らく以前からこのブログを読んでくださっている方がこの本を読んで最も「あれ?」と思う部分がここの部分だと思うので、これだけはこのブログでもアップデートが必要だろう、あまりにも変わりすぎてしまった、ということで今日はそのアップデートをさせていただきます。



何から始めるか、が変わったというよりも、「何から始めるか」はどうでもいいことのように思えてきて、それよりも「基本ポジションは何だろうか」のほうが問題だろうな、と思うようになってきています。

今の私が考える投資の基本ポジションは、

「世界株100%」

です。


世界の株に分散投資するMSCIワールドとかMSCI ACワールド(新興国を含む)のような充分な市場規模と流動性を持ち、様々な国の様々な銘柄に分散されたポートフォリオ、これが基本じゃないかなと思います。もちろん、どれから始めるか、とか、自分が1本選ぶならどれか、もこの世界株100%になると思います。日本株はやっぱり狭すぎる気がするのです。そして、「期待」はここに含めるべきではないのですが、やっぱり多くの人にとってこの国の期待リターン、期待成長率、はやっぱり低すぎるんだと思います。


そして、この世界株に、次に足すべきものというのはグローバルな債券ポートフォリオ、世界国債だと私は思います。グローバルに分散された「シティグループ世界国債インデックス」みたいなものです。ちなみにこの指数は国債だけで、社債とかABSの類は入ってません。


ちなみにどのくらいのサイズかって言うと、
MSCIワールドは23ヶ国、1700銘柄に分散されていて、時価総額は16〜17兆円
シティグループ世界国債インデックスは23ヶ国、700銘柄に分散されていて、時価総額は13兆円

よく分散されているうえに、市場規模も流動性も充分です。マネートレインにも踊らされにくいです。



まずはこの2つの組み合わせで、「ポートフォリオの柱」を作るべきなんじゃないかなと思います。イメージとしては世界株100%が基本で、そこに世界国債を混ぜていって、マイルドにしていって、自分にあったリスクレベルまで世界国債を増やしていく、ともかく最初にまず、世界株と世界国債の比率を決めるのが1歩目なんじゃないかなと思います。それ以外のアセットクラスはそこに足すもの、なんだと思います。


私の場合は世界株と世界国債の比率が100%対0%で、ここに足すのが新興国株、という感じになってるんだと思います。あとは更に世界株の部分も、自分がいらないセクターとかを削って「世界株のうちの一部セクターの株+新興国株」みたいな感じにしってます。


反対に、世界株0%対世界国債100%、なんて人もいると思います。それはそれでいいんじゃないかなと思いますが、それも世界株100%を基本にして、そこに世界国債を少しずつ混ぜていってマイルドにしていって、どんどんマイルドにしていった結果、自分に合ってるのが世界株0%対世界国債100%だった、みたいな感じであってほしいですね。



なぜ株式100%が基本になるのか。それはごく簡単なことで、@株式はインフレに強く、A期待リターンが債券よりも高く、B「ブレ幅」という意味でのリスクは短期的には大きくても期間を長期にすることで緩和できるため、です。一方で、期間を長期にすればするほどインフレの脅威は増します。

過去の、投資期間別の世界株と世界国債のパフォーマンスはこんな感じ。株と債券の違いがちゃんと出るようにドルベースで表示します。分析期間は85年1月〜08年12月、世界株はMSCIワールド・トータル・リターン指数、世界国債はシティグループ世界国債インデックス、データ出所はそれぞれMSCI社、シティグループ社、です。

WEWB.bmp



ちなみに両者の相関係数はと言うと、実は1984年12月から2008年12月までの相関係数はなんと0.93もあります。なぜこんなことが起きるのでしょう。相関係数が0.93もあるということは、株と債券がほとんど同じ方向に動いてきたということになってしまいます。これは、長期的に見れば、つまりこのグラフ全体の大きな波が示しているように、「株も債券も結局はどちらも右肩上がりに上がってきた」、「全期間を通じて描かれた大きなカーブはどちらも右肩上がりだった」、ということに起因しています。こんな感じ。


WEWB2.bmp


これを、「この月までの1年間の値動きの相関係数」「その前の月までの1年間の値動きの相関係数」・・・という具合にスライドさせていって、「1年間の値動きの相関係数の平均をとってみると、その数値は0.33となり、1年という短い期間で見ると株と債券がちゃんとバラバラの動きをしていることが分かります。この期間を2年、3年、と長くしていくとどんどん相関係数は上がっていき、10年になると0.73とかなり高い相関を示し、ほぼ同じように動いていることがわかります。

【世界株と世界国債の投資期間別相関係数】
(85年1月〜08年12月、ドルベース)
1年 0.33
2年 0.41
3年 0.50
4年 0.56
5年 0.60
6年 0.61
7年 0.63
8年 0.66
9年 0.70
10年 0.73

ここでも短期と長期では全然違いますね。では、長期投資の場合は分散投資する意味がないのか、と言えばそんなことはありません。分散投資の効果は「値動きやリターンのバラツキの大きさ」という意味のリスクについてだけでなく、「望まないことが起こる可能性や予測できない危険」という意味のリスクにも効果があります。また、「バラツキの大きさ」という意味のリスクについても分散投資による効果はある程度出ます。しかし、期間が長くなると短期の場合ほど大きくは出ない、ということも言えます。



で、どのくらいの比率で組み合わせるか、ですが、世界株と世界国債の組み合わせ比率を10%ずつ変えていった場合の過去(1984年12月から2008年12月)のパフォーマンスはこんな感じです。さすがに本の内容とかぶるところがあるので、ここではドルベースの投資期間10年のものと20年のものだけにしときます。ご容赦ください。もちろん、本のほうにはもっといろんな期間のデータを載せてます。

WEWB10.bmp

WEWB20.bmp

というわけで、私は

・基本ポジションは「世界株100%」
・世界株に世界国債を混ぜてマイルドにしていって自分の許容できるリスクレベルにする
・世界株と世界国債の組み合わせでポートフォリオの柱を作って、それ以外のアセットクラスはここに足す感じ
・これらによってアセットアロケーションが決まったら、それぞれのアセットクラスで運用するファンドの中から、アクティブでもインデックスでもETFでも、手数料が安いファンドでも、毎月分配でも、好きなファンドを買ったらいい

こんな感じで考えています。

もちろん、これが唯一絶対の正解だなんて言うつもりはありません。あくまで私の個人的な考えであり、これで皆さんを説得するつもりも、皆さんにこう考えさせようとするつもりも、同意を求めるつもりも、ありません。私はこう思いますよってだけです。

以上、アップデートでした。


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posted by ジョン太郎 at 23:48| Comment(3) | TrackBack(0) | ジョン太郎のマメ知識 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
どうもご無沙汰してます。
遅くなりましたが、第二段の出版おめでとうございます。
さっそく数日前に近所の本屋で取り寄せ注文したんですが、いつ届くのか、は全く不明です。。。

で、本日のお話ですが、基本は世界株100%ですか。
ジョン太郎さんらしいですねー。

でも私は日本株にもかなりの比率を投資し続けていくつもりです。
やっぱり自分のお金には損得だけではなく「自分の意思」も反映させたいというか何というか。

日本人として、日本企業を応援したいというか、自分の投資したお金の一部は日本企業に使ってほしいというか。。。

ジョン太郎さんなら「それは違う!!間違ってる!!」みたいなことを言われたりはしないと思いますしね。

でも、株100%だけはマネして後をおっかけていくつもりです。

とりあえず本屋さんから到着の連絡が入るのを楽しみに待っております。

 
Posted by くあむ at 2009年02月15日 10:44
ジョン太郎さん
お元気でしょうか?

アマゾンで予約しておりました本が本日届きました。
これからワクワクしながら拝読させていただきます!
投資信託販売を手がける者のはしくれとして参考にさせていただきたいです。

今後も素晴しい文章からの情報発信を期待しております。
Posted by ナカジ at 2009年02月16日 21:09
くあむさんへ、
こんにちは。コメントありがとうございます!お返事大変遅くなってしまってすみません。
くあむさんの考え方リッパだと思いますし、全然悪くないと思いますよ!意思のある投資、ポリシーのある投資、ってのが一番だと思いますし。応援してます!
これからもよろしくお願いします。

ナカジさんへ
こんにちは。元気です元気です!おかげ様で元気です!コメントありがとうございます。お返事遅くなってしまってすみません。
本のお買い上げありがとうございます。よかったら読み終わったら感想お聞かせください!
これからもよろしくお願いします!
Posted by ジョン太郎 at 2009年02月25日 23:18
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