2009年01月04日

アトリウムのニュース見ました?

今日はアトリウムのお話とか。株を買うならこういうの気をつけてねって話。



えっと・・・とりあえず正月を過ごした実家から東京に戻ってきましたよ。渋滞に巻き込まれないように帰ってきたので2時間くらいで着きましたけど、ところどころ怪しいところありましたねー。夕方くらいには物凄い渋滞になってたんじゃないかな・・・


ところで、うちの実家は毎日新聞をとってるんですけどね、今日実家を出る前に毎日新聞読んだらこんなん出てました。


http://mainichi.jp/select/biz/news/20090103ddm041040008000c.html
【以下引用】
アトリウム:東証1部不動産会社社長、自社から20億円借金

◇担保割れ、引当金11億円
大手ノンバンク「クレディセゾン」の子会社で、東証1部上場の不動産会社「アトリウム」(東京都千代田区)の高橋剛毅(つよき)社長(63)が、自社から約20億円の融資を受けてストックオプション(自社株購入権)で生じた所得税の支払いなどに充てていたことが分かった。株価低迷で担保の株の評価が下落し、ア社は貸し倒れ引当金11億円を計上した。会社に多額の損害を与える可能性があり、専門家は「上場企業としては前代未聞のお手盛り融資」と厳しく批判している。
(後略)
毎日新聞 2009年1月3日 東京朝刊
【以上引用】





あのー、これ、コメントのしようもないんですけど・・・



もうなんつったらいいんだろ・・・うーーーーーん・・・論外?



呆れてものが言えないというか、なんか適切に表現する言葉が見つかりません。



偉人の言葉を借りるなら、ダメだこりゃ?



東証一部上場企業のステータスなんてもはやこんなもんなんでしょうね。



東証一部上場の大手不動産会社社長の倫理観やビジネスの常識やバランス感覚とかってこんなもんなんでしょうね。



マジでビックリしますよ。



正気とは思えません。



こんなのあり得ないです。あってはならないことです。



弁解の余地なんてないすよ。



担保うんぬんとか、ストックオプションがどうしたとか、税金の支払いがどうしたとか書いてありますが、なんならそういうややこしいことを全部無視してもいいです。



今回の件、ものっすごいシンプルに考えれば、




会社の金を社長に貸した。






要はそういうことです。



あかんがな。



そんなのがまかり通るなら、資本市場なんてメチャクチャになります。ってゆうか怖くて株買えないわ。






例えばね、こんなんどうですか。


みなさん、お友達同士お誘い合わせの上、来週9人で僕んとこに来てください。僕んところに儲け話ありますから。ね。


1人1億円ずつ持って集まってきて。ね。


持ってきた?持ってきたら、みんなの9億円と僕の1億円を合わせて資産10億円の会社を作ります。ね。


これでみんな株主。この会社のオーナー。僕もオーナー。君もオーナー。僕も君も10億円のうちの1億円分のオーナー。ね。


これで儲かる商売やっていくから。みんなハッピーになれるから。ね。


と言って、ところで、ちょっとたまたま今、僕の手元のお金がなくって、でもちょっとした支払いで5億円ほど必要なんで、ちょっとこの会社の金をしばらくの間、5億円ほど借りとくわね。10億円のうちの5億円だけど。そのうちまぁ返すから。ちょっと借りとくわね。みんなには・・・内緒にしといていいかな?次回会った時に話すってことでいいかな?借金はいつでも返せるからってわけじゃないけど、言われたらハイハイって言ってすぐに返済できるような現金持ってないけど、いいかな?



・・・って具合だったとしたら皆さんどうですか?どう?こんな会社。今回、アトリウムで発生したのはこれです。




会社の金を社長に貸した。




みなさんが株主だったらどうですか?





社長:「金がなかったもんで、
会社の金を20億円借りました。」






社長:「返すアテ?
もちろん、この会社の株売るより他ありませんが・・・
その株も株価が下がってしまったんで、
もはや株全部売り払っても・・・
的な話になってきてますが・・・何か?」






ありえないです。マジで。




ストックオプションだの、納税だの、担保の追加差し入れだの言ってややこしくなってますが要はこれが問題だって話です。


ちゃんニュースを知りたい人用に一応、もう少しちゃんと説明しときます
ね。

@アトリウムの株を持っていた、アトリウムの社長に、20億円が課税されて、社長は20億円の税金を払わないといけなくなった。

Aところが社長は20億円もの税金を払うほど現金を持っていなかった。アトリウムの株は40億円分くらい持っていたけど、これは他の株主の手前もあって、売るわけにはいかなかった(売らずに持っとけばもっと株価が上がるかもしれないと思ってたし。)。

B社長は株を売らずに、銀行とかから金を借りて20億円の税金を払った。

Cアッサリと3ヵ月後に銀行の借金の返済期限が来た。ここでもAのような理由で株を売らないことにしたため、会社が社長に20億円を貸した。

(ここで会社としての言い訳として、金利も一応ちゃんととってる、返済期限もある、社長のもってる株<もちろんアトリウム株>も担保にとった・・・だけでは担保が足りなそうなので自宅と退職金を担保にとった・・・それが20億円分の担保価値があるかどうかは別として。)

DCで会社が社長に金を貸してからたったの4ヶ月後で同社の株は1/2〜1/3程度にまで下落。当然担保価値は小さくなり、社長に貸した20億円のうち、社長がばっくれた場合、担保を処分して回収できるのはせいぜい9億円程度(もちろんこれ以上株価が下がらなかった場合で、かつ社長の自宅を売って、出るかどうか分からない社長の退職金を差し押さえることで9億円という額)なもんで、会社が貸した20億円のうち、11億円は返ってこないかもしれない、ということで貸倒引当金を11億円積んだ(=11億円返ってこないかもという覚悟を決めてそれを株主に報告した)。で、ばれた。



こういうことです。

これを「ちゃんと取締役会で決議したから」「ちゃんとした手続きに基づいて融資したから問題ない」って回答しちゃってます。



充分問題なんじゃないの?



決議したのは、株主総会でじゃなくて、取締役会ででしょう?



会社の金を社長に20億円も融資する、社長の納税資金用に20億円も融資する、株を売ることでしか金を返せない社長にその株を担保に20億円も融資する、株価が下がるだけで担保価値が下がるものを担保にとって20億円も融資する・・・で、半年も経たないうちに、ヤバイ・・・返済してもらえないかもしれないから11億円引き当て・・・って・・・


それアリ?


株主の皆さん、そういうわけで11億円ほどなくなっちゃいました、って分厚い報告書の中に1行サラッと書いて終わり、ってアリ?



分厚い報告書の中に1行サラリと


「社長に金貸した。返してもらえないかも分で11億円の損失を引き当て。」


って書いてそれでOK?マジで?気づかれなかったらラッキー?


マジでどんな感覚で商売してるんでしょうね。




金融・経済を、だけじゃなくって、社会をナメすぎてませんかね。



それで資本市場から金集めて商売していいの?



株を上場して広く万人から資本集められるようにしていいの?



東証はその番人としてそれでいいの?場所提供してるだけ、とはまさか言わないよね?



私が銀行に入ったばかりのころ、まだ支店にいて、真っ青なケツをしてたころ、こう教わりました。



「決算書見て社長とか身内に会社が金貸してたら気をつけろ。」



金言ですね。銀行で駆け出しの頃に教わった、基本中の基本って恐ろしいほど重要なんですよね・・・先輩とかに言われた一言が預言者の言葉のように思える場面が1年に何度もあります・・・思い出すたびに背筋が凍るほどのインパクトがあります。

前にこんな記事書いたんですけど覚えてますかね。
http://jovivi.seesaa.net/article/90452269.html
決算書がちょっと読めるだけでもだいぶ違いますからね。決算書は一通り読めるようになっときましょうね。

こないだも書きましたけど(http://jovivi.seesaa.net/article/110781596.html)、株を買うなら、株を買うことの意味を今一度確認しましょう。株を買うってどういことなのか、株主になるってどういうことなのか。

決算書も大事なところくらいはちゃんと見てから買いましょう。

とりあえず、マネー雑誌見て「株主優待一覧」とか「こんなに凄いゾ!豪華株主優待ランキング!」とか「株主優待で選ぶ!」とか見て株選ぶようなマネはやめましょう。株をなんだと思ってるんだと。だいたいそんなん推奨してる専門家って何の専門家なんだよと・・・




そして、上のリンクの記事を書いた後も不動産関連企業の破綻が相次ぎました。2008年だけで何社潰れたんだろ・・・ついにはREITまで潰れましたからね。


ダイア建設、モリモト、ディックスクロキ、ダイナシティ、ノエル、ランドコム、エルクリエイト、新井組、リプラス、ゼファー、アーバンコーポレイション、創建ホームズ、シーズクリエイト、スルガコーポレーション・・・そしてJ-REITのニューシティ・レジデンス投資法人・・・上場企業で私が思いつくだけでもこれだけあります。たった1年の間にこんだけの不動産関連企業が潰れてます。でもこれらの会社の株持ってた人もいるんだよね。潰れるちょっと前に買っちゃった人もいるんだよね。

もちろん、株だからしょうがないんだけど、株を買うってのはそういうもんなんだけど、株を買うってのはそういうことなんだって知らずに投資しちゃう人がいけないんだけど、でも本当に開示や投資家への情報提供は充分だったのかなと。

充分な情報提供が行われてこその自己責任だと思うんですよね。

充分な情報提供が行われていなかったり、発表内容にウソがあったら、自己責任と言い切れるのか言うとちょっと酷ですよね。

あとはやっぱり投資家のほうも、株を買う以上はある程度会社を見れるようにならないといけないんじゃないかなと。どういう商売をしているのか、どういう商売構造になっているのか、くらいはね。

例えば、

・自己資本はちっちゃくって他人資本(借金)を使ってモノを仕入れて売っている。

・仕入れるモノは不動産。買ったら建物を建てて売る。つまり資金回収までは結構時間がかかる。自分で持って賃貸したらもっと改宗に時間がかかる。

・ところが他人資本の調達には、借りやすくて金利の安い短期資金を使っている。つまり、3ヶ月とか6ヶ月の短期の借入金を何度も借り換えしてぐるぐる回している。

・これが、なんかのきっかけで「貸してもらえなくなったら」「ウェルカムリスク、不動産価格リスクまでとっちゃうぜ、な外資系金融機関だけしか貸してくれないような状態」で外資系金融機関が一斉に商売をやめちゃったらどうなるか。借り換えをしていけなくなったらどうなるか。担保に入れてる不動産価格が下がったらどうなるか。金利があがったらどうなるか。不動産の価格や賃料が値下がりしたらどうなるか。それでも叩き売って処分してそれを吸収する体力はあるのか。



なーーーんてことを考えるだけでも全然違うと思うんですよね。



まずは投資家が自己防衛しましょう。自分でチェックできるものはチェックしましょう。とはいえ、今回のアトリウムの件は、決算書をサラッと読んだだけで気づくことができるようなレベルじゃないです。これは無理です。これは社長がこういう社長、こういう感覚の人物、こういうムチャクチャなことをする会社、というところから警戒するしかないんじゃないかなと思います。だからこういうのはダメなんですよ。警戒のしようがない、気付きようがない、不十分だったり不正確な情報開示ってのは許されないはずなんです。



そして投資家が注意する前に、そもそも会社側が、って話です。



ちゃんとしましょう。

マジで。





これは、いろんな人に言いたい。

ちゃんとしましょう。

ちゃんとしてください。


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posted by ジョン太郎 at 01:53| Comment(0) | TrackBack(0) | ジョン太郎のマメ知識 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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