昨日の市場では
ドルが一時90円87銭
ユーロが一時113円79銭
ドルユーロは一時1.2496ドル
日経平均は一時7,647円07銭をつけ、7649円08銭で引け。
気が狂ったような相場になってました。
ちなみに2003年4月28日の日経平均が終値で7,607円88銭、ザラ場の安値が7,603円76銭。
ドル円のほうは1995年4月19日79円75銭というのがザラ場の最円高。
日本以外のアジアも下げ、続くヨーロッパも下げ・・・だけど昨日の株式市場は急激な円高を嫌って日本株が急落して、それが他のアジア市場やヨーロッパに伝播していったような印象がありました。
ヨーロッパではイギリスのGDP速報値が発表されて、92年2Q以来16年ぶりのマイナス成長になったと発表されたことも大きかったです。と言っても前年同期比だと0.3%増とプラス成長。
すぐ世界恐慌だとか騒ぐ人がいますが、「景気減速」と「景気後退」がごちゃごちゃになってる人が多いです。減速ってのはプラス成長が当たり前の世界でそのプラス幅が小さくなること、後退ってのは成長率がマイナス、つまりGDPが減少しちゃうこと、です。例えばIMFなんかが経済見通しを下方修正して、一層の景気減速シナリオに変更しましたが、そうは言っても「プラス成長」を予想しているわけです。世界全体で2008年が+3.9%、2009年が+3.0%と「プラス幅は小さくなるもののGDPはプラス成長する」という予想に変更しただけなんですが、「IMFが世界恐慌になると言ってる!」とか言い出す人も出てくるシマツです。落ち着きなさいと。ちゃんと知らんくせに知識人ぶって適当なことを言うコメンテーターやニュースキャスターがいるのもその原因ですが・・・IMFのエコノミストはむしろ「世界恐慌に発展する可能性はほぼ皆無」とまで発表してるのに。TV出てる人やニュース読む人は景気後退と景気減速の区別がつくようになってからコメントしろよと。
IMFはアメリカですら2008年を+1.6%、2009年を+0.1%、とプラス成長を予想しています。
ご参考までにIMFが今月発表した経済見通しをのせときます。
【各国の実質経済成長率、単位:%、2007年実績(08年予想/09年予想/13年予想)の順】
日本2.1(0.7/0.5/1.7)
米国2.0(1.6/0.1/2.3)
加国2.7(0.7/1.2/2.8)
豪州4.2(2.5/2.2/3.6)
英国3.0(1.0/▲0.1/3.1)
仏国2.2(0.8/0.2/2.8)
独国2.5(1.8/ /1.7)
伊国1.5(▲0.1/▲0.2/1.3)
西国3.7(1.4/▲0.2/3.3)
先進国全体2.6(1.5/0.5/2.5)
<2004年実績:3.2/2005年実績:2.6/2006年実績:3.0>
ちなみにBRICsはこんな感じ。
中国11.9(9.7/9.3/10.0)
印度9.3(7.9/6.9/8.0)
露国8.1(7.0/5.5/5.5)
伯国5.4(5.2/3.5/4.0)
(出所:IMF)
これまでの発表では、先進国だとドイツと日本が4-6月期でそれぞれ▲0.5%、▲0.7%、と「景気後退」してて、今回、イギリスが7-9月期の速報を出して前期比▲0.5%になったと。でも「前年比」だと+0.3%成長。
世界恐慌の時って、アメリカのGDPが3年とか4年くらいの間に、名目で半分、実質でも3割以上減少しました。
・・・まぁいいや。この話はこのへんにしときましょう。今日は他にお話したいことがあるんで。
◆ところでGDPって何?って方はこちらの記事をどうぞ。
http://jovivi.seesaa.net/article/104071473.html
デンマークやハンガリーは自国通貨防衛のため利上げ・・・このへん、口の中が鉄の味がする感じですね。緊張感が高まってきます。自国通貨の下落が止まらないので、国内経済は痛むけどそれどころじゃないので、金利を無理矢理引き上げて、海外から高金利を目当てにした資金を呼んでその人たちに自国通貨を買ってもらって為替レートを回復させる目的です。やる以上は効果が出ることを期待してます。一方、ニュージーランドは1%の大幅利下げ。スウェーデンも利下げ。体力の違いがこういうところに出ますね・・・
◆利上げとか利下げとかよくわからんって方はこちらをどうぞ。
http://jovivi.seesaa.net/article/93907912.html
格付け会社のムーディーズがJ-REIT2社を格下げ。まぁ・・・そういうことです。お気をつけあそばせ。
この記事
http://jovivi.seesaa.net/article/107924416.html
でお話しした、リーマン・ブラザーズのCDSの清算が今週行われました。気になってた方もいらっしゃると思うのでそのお話も。
リーマンを対象にしたCDSの残高は約4,000億ドル。リーマンの債券の精算額が10月10日に確定し、1ドル当たり8.625セント、損失率は91.375%となりました。4,000億ドルに対して計算すると3,650億ドル。ところが、この額には重複額もかなり含まれていたため、実際の清算額、実際に現金支払いが発生した損失額というのは80億ドル程度で、今週21日にその支払いは無事に終了したと報じられました。重複額というのはこないだのお話の例でいくと、ヴィヴィ子がジョン太郎に貸した10万円を対象にした保険、CDSをヴィヴィ子が田中君から買う。すると田中君はこれを全部引き受けると怖いので、田中君は田中君で、別の人、Aさんとしましょうか、にジョン太郎の10万円の借金を対象にした保険を9万円分かけさせてもらって、万一の場合でもヴィヴィ子に支払う10万円のうち9万円は保険金で賄えるようにしておく。するとこれで、ジョン太郎を対象にしたCDSの残高はヴィヴィ子がかけた10万円と、田中君がかけた9万円の合計19万円になります。田中君が保険契約を結んだ相手のAさんも、全部のリスクを負うのは怖いのでまたそのうちの8万円分の保険契約を他の人Bさんと結ぶと、19万+8万で27万円となって・・・という具合に増えていって、でも実際に清算で損失になった金額は、それよりずっと少なかった、というわけです。Bさんが8万円をAさんに払い、Aさんが自分の1万円を足して9万円を田中君に払い、田中君が自分の1万円を足して、ヴィヴィ子に10万円を払う。この場合だと最大でも、「損失額の合計」はBさんの8万円、Aさんの1万円、田中君の1万円、だったということになります。
つっても、事前に「どのくらいの重複額があるのか」「実際に支払われる損失額合計はどのくらいになるのか」は分かっていなかったわけで、フタを明けてみれば実は80億ドルだったのだけれども、みんな怖くて大量の現金を手元に用意しておきましたと。この支払いが無事に済んだこともあって、短期金利はかなり低下しました。と言ってもまだまだ高いですけど。一時は5%近くまでいっていた3ヵ月もののドルLiborは10月10日の4.82%から、昨日の3.52%まで低下しました。
◆Liborって何?って方はこちらをどうぞ。
http://jovivi.seesaa.net/article/107215456.html
さらに今週木曜日にはワシントン・ミューチュアルを対象にしたCDSの精算額決定があり、事前予想の60%台中盤という額を下回り57%という清算額となりました。つまり、予想より損失額が増えたってことです。CDSの総額は900億ドル程度で、リーマンの4000億ドルに比べて小さく、損失率も43%とリーマンの91%に比べて小さいです。
が、結局これも「どのくらい重複しているのか」「実際の損失額合計はどのくらいあるのか」はまだ分かっていません。そして、先のリーマンのケースでも「80億ドルを誰がいくらずつ負ったのか」は未だに分かっていません。実際に損失を被った金融機関がこれから発表する決算内容の中でそれが初めて明らかになるわけで、この80億のうちの結構な額を負っていた金融機関が、「なんとかその額は払えたけれども、大幅な赤字額になってしまった」という発表をする可能性は全然あります。
同じく木曜日に発表されたアメリカの7−9月の住宅差し押さえ件数は前年同期比+71%と急増しました。これはキツイ・・・住宅差し押さえ→差し押さえた金融機関も早く現金を回収したいので売りに出して供給増加→価格低下→担保価値下落で差し押さえ増加、というスパイラルを加速させます。繰り返し言ってますが、ここの供給を絞らんと・・・
今週は本業のほうも目が回るほど忙しかったです・・・Orz
なんか毎週毎週どんどんひどくなってきてる気が・・・
ちょっと一息つきたい感じです・・・疲れた。
まだ夏休みもとれてません(T−T)
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コレで済んだわけではないのでしょうが、余りにも悲観的予想に塗りつくされて最悪の事態ばかりが強調され、売り攻勢に拍車がかかってるのですね。制御装置の壊れた飛行機に激しく揺さぶられている乗客の心境です。
クルーが必死に手動でたて直し、なんとかどこぞの空港に軟着陸してもらいたいです。
日々のニュースはいやでも目に飛び込んできます。
冷静に読み解く力をつけなければなりません。
凄く参考になりました。感謝です。
こんにちは!コメントありがとうございました!
拍子抜け、ってのはある意味、幸せなことですね。
dekoさんがおっしゃるように、冷静に、冷静に、です。
これからもよろしくお願いします!