2008年08月29日

最近のインドの話。あと、ブラジルも。

okaさんから最近のインドの話を、とのコメントを頂きましたので今日はその話を。<BR>
基本的には、中長期の話は何も変わってないと思います。以上。で終わらせちゃうのもなんなので、最近の話をちょろっとしますが、これでどうこうということはないと思いますし、こういうのにばっかり振り回されるのは、あんまり良いことだとは思いません。こういうのを追っかけるのがシュミになり、こういうのを見てあれこれイジるみたいなことをしたくなり、こういうの自体がメインになっちゃう、とかだと元も子もありません。

と、前置きしたうえで。まず、今日インドの第2四半期(4-6月)GDPが発表されました。前年比+7.9%です。第1四半期(1-3月)は8.8%でしたから、減速と言えば減速。つっても8%成長ですからね。8%ですよ。これで減速もなにも・・・
既にシン首相の経済諮問委員会は昨年の9%成長から減速、7.7%になるとの見通しを示してます。

GDPって何?って方はこちら。
http://jovivi.seesaa.net/article/104071473.html

一方、エネルギー価格と食料品価格が物価を押し上げ、インフレも進んでます。卸売物価で前年比+12.63%と、インフレ進行のペースは早まってます。消費者物価でも+7.69%。この差が企業の儲けを少なくするってのはこないだお話しましたね(http://jovivi.seesaa.net/article/105537630.html)。さらに、現政権が公務員給与2割引き上げを承認したことで更にインフレが加速すると見られてます。おそらく近いうちに再利上げが行われることになるでしょう。ここ最近でも既に3回利上げしてます。前回利上げしたときの記事はこちら(http://jovivi.seesaa.net/article/103897048.html) 。この金利がじわじわと景気にブレーキをかけ、成長を減速させる可能性は充分にありますが、それでも8%成長ですし、先日発表された6月の鉱工業生産指数は前年比+5.4%(5月4.1%から加速)と伸びています。

アメリカの景気減速による影響は新興国にも相応に影響を与えてますが、インドのGDPに占める輸出の比率というのは実は20%しかありません。シンガポールが250%、香港が200%、マレーシアが120%、ベトナムが70%、タイが70%、台湾が70%、インドネシアが50%、中国が40%、と他のアジア諸国と比べてもかなり低いです。ちなみに他のBRICsのブラジルとロシアは、ブラジルが10%、ロシアが40%、です。なんつっても内需とインフラ整備、設備投資が牽引役ですから、この点はインドについてはあんまり心配いらないでしょう。

政治はというと、ロシアほど揉め事は多くありませんが、選挙の日は近く、それを前に政府がバンバンお金を使っていくことで財政収支が悪化することが懸念され、これにより格付け会社のS&Pとフィッチがインドに対する見通しをネガティブに引き下げました。あとは、ガソリン価格の上昇を抑えるために、政府が債券を発行してお金をばら撒いており、これによる財政状態の悪化、あるいはこれをやめた時のガソリン価格上昇、それにともなう国内インフレの進行、これによる社会的な不満の増大、なんかが懸念されるところです。選挙が近くなれば、金持ちに嬉しい「成長」よりも、貧しい人を苦しめる「インフレ」の抑制に力が入るのは自然な流れです。

最近のインドはこんな感じです。

前回(http://jovivi.seesaa.net/article/105537630.html)中国とロシアについては触れ、今回インドの話もしたので、ついでにブラジルの話も。

ブラジルについて、先日NewYorkTimesという新聞におもしろい記事が出てました。

http://www.nytimes.com/2008/08/28/business/worldbusiness/28farm.html?_r=2&scp=2&sq=brazil%20argentina&st=cse&oref=slogin&oref=slogin

高騰する食物物価に対し、お隣同士で、どちらも世界に冠たる農業大国のアルゼンチンとブラジルは全く逆の政策をとった。ブラジルは農家がもっと生産力を高めることができるように、農家が農業機械購入と農地拡大をするための金融支援を行った(支払いの先延ばしと貸し出し金利引き下げ)。一方のアルゼンチンは、国内の市場にもっと供給をさせてインフレを沈静化させるため、輸出関税を引き上げた。

こんな内容。今のブラジル政府の特徴がよく現れてるんじゃないかなと私は思います。今のブラジルのルーラ政権はこういう感じ。

そして、ブラジルは自国通貨のレアルが上昇、レアル高ドル安の影響で輸入は大幅増加、輸出は減少・・・つってもさっきお話しした通り、ブラジルはもともと現在のGDPの多くを輸出に頼るような構造になっていないため、強いです。ブラジルの経済指標は強い数字ばかり出てきてますし、ルーラ大統領は来年度、政府債務の金利支払い以外の政府支出を13%増加させ、3750億ドルを支出する計画を発表しました。更なる成長やインフラ整備、国力増強、産業振興、教育、社会福祉、などのためにもっともっとお金使っていきますよ宣言です。
さらに、財務省は、ターゲット負債残高を引き下げ。堅牢な経済、潤沢な歳入、により国の債務コントロールは非常に柔軟に対応することが可能になっているとの見解を示し、まさに、健全で柔軟性と流動性に富んだ状態を謳歌している、状態と報じました。 ネットの公的部門負債残高はGDP比で41%までに減少(2002年:56%)。まだまだ結構な額だけど。

昨年のGDP成長率は+6%でした。今後も堅調な成長が期待されています。一方のインフレはというと、ちゃんとコントロールされてます。先日発表された卸売物価指数は-0.32%に低下、ややデフレ状態になったくらいです。インフレ率は安定推移しており、消費者物価指数は先進国と比べてもまぁまぁの水準にあります。
ブラジル:6.37%
アメリカ:5.6%
カナダ:3.4%
ユーロ圏:4.0%
イギリス:4.4%
こんな感じ。先日も市場予想を上回る75bpsという思い切った利上げを行い政策金利を13%に引き上げました。
その時の話はこちら(http://jovivi.seesaa.net/article/103678150.html)。

失業率も8.1%にまで低下してきてます(1年ほど前まで10%前後、3年前は12%前後)。


そういうわけでこんな感じです。特にここで私がお話してきた中長期的な話を大きく覆すようなことは何もありません。


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posted by ジョン太郎 at 23:58| Comment(2) | TrackBack(0) | ジョン太郎のマメ知識 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
早速、インドのお話、ありがとうございますm(__)m
「中長期ですから!」と言った矢先の質問で、自分でもお馬鹿〜と思いました^^スミマセンデス!

それにしてもインド、ブラジル、ロシア、中国とGDPに占める輸出割合が少ないことに、正直驚きました・・・私が知らなかっただけでしょうけどね^^

ブラジルをはじめとして、インフレに苦しみながらも、新興国の元気の良さと言うか、若さを感じますね(^・^)
きちんとした政策を打ち出しているのも、魅力的です^^

それに比べて我が国の政治って・・・いつそんな大切な政策を決めているのやら???

何はともあれ、のんびり、ゆったりと時を味方にして、大きく育つのを待つことにします♪
Posted by oka at 2008年08月30日 01:50
okaさんへ、
どういたしまして。

くれぐれもこの手の話はほどほどに。短期的な話とか日々の動きばかり見ていると大事なものが見えなくなるばかりか、感覚まで変わってきますから。ご注意を。
Posted by ジョン太郎 at 2008年08月30日 12:04
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