ジンバブエの中央銀行は先月半ば、同国のインフレ率が年率220万%に達したと発表しました。闇市場で取引される商品のインフレ率は最大で7,000万%増になったとの報もあります。一部経済学者はこうした発表にあるオフィシャルなインフレ率さえ低く見積もられていて実際には年率1,000万〜1,500万%に達しているとしています。ついには「1,000億ドル」札が発行される事態にになりましたが、この1,000億ジンバブエドル札には1米ドルの価値もありません。
http://www.cnn.co.jp/business/CNN200807180015.html
http://www.afpbb.com/article/economy/2420115/3147564
そして、先月末には大幅なデノミ(通貨切り下げ。詳細は後述リンクご参照。)を発表、通貨単位を100億分の1に切り下げ、100億ジンバブエドルを1ジンバブエドルにしました。強権政治により、性急な改革が実施されたり、白人の農地没収などもあったり、それに対して欧米から経済制裁が行われたり、大統領選挙で混乱もあったり、でジンバブエは政治的に、経済的に、社会的に、大混乱状態にあります。
心配ですね。しかし、これほどの規模のデノミが実施されたのは世界的に見ても久しぶりですし、多くの天文学的なデノミは戦争中もしくは戦争後の国で発生したため、平時にある国としては極めて珍しいケースです。ただこれは、この国の特殊な政治・社会常態が生んだハイパーインフレであって、私達の身の回りで起こっているインフレとは別種のものですんで、そこんとこは区別しとく必要があります。
デノミについてはこちらの記事の中で詳しく説明してますのでよろしければどうぞ。
2007年12月31日
2007年を振り返って(後半) あと来年以降の展望と
http://jovivi.seesaa.net/article/75744813.html
また、インフレやスタグフレーションについてはこのへんの記事をどうぞ。
2008年07月06日
ご質問への回答<スタグフレーションについて。>
http://jovivi.seesaa.net/article/102257424.html
2008年06月28日
ご質問への回答<資源株と資源価格の話。短期と中長期の話。>【オススメ】
http://jovivi.seesaa.net/article/101708179.html
というわけで、ジンバブエの例はちょっと他の国とは事情が違いますが、これほどインフレという言葉が世界中のメディアで踊るってのは近年なかったですよね。久しぶりに人類は世界的なインフレと闘う局面を迎えてますが、さて、人類は過去の経験や教訓からこの局面を乗り切る英知を得たのでしょうか。それが試される時ですが、手術を行う場合の患者の体力に相当する景気のほうはと言いますと・・・まぁまだまだ当分は厳しい状態が続くでしょう。私はさほど楽天的な人間ではないんで。まだまだ悪いものが残りまくってますし、これが火薬とすると、たっぷり火薬がある状態で、導火線が何本もあって、火種もいくつもあるわけですから、「最悪気は脱した」とか「5合目を過ぎた」とか「折り返した」とか言う声もだいぶ聞かれますが、とてもじゃないですが私にはそんな風には思えません。
誰も頂上を見たことのない山、地図すらなくて、標高も分からず、どんな難所が待ち受けてるのか想像もつかない山、への登山に挑戦している人が、どうして「5合目を過ぎた」と分かるんでしょうね・・・歩いてきた距離だけを振り返って、「もうそろそろ5合目くらい過ぎていてもいいはずだ」というのはあまりに楽観的過ぎじゃないですかね。広義のサブプライムローン問題というか、今世界中を悩ませているこの大きな問題の範囲、悪影響の及ぶ範囲、というのは誰にも特定できてないんですから。
世界的な景気の沈み込み、その深さと潜水時間、がどんなものになるのか、そしてそこに現れたインフレという障害と、信用収縮&金融市場の混乱&流動性低下というトラブル、の3つの要素がどんな画を描くのか。それを見極めきって、頭に描き出した山に現在位置をプロットし、「現在5合目通過!」なんて言ってる人がいたら逆に怖いですよ・・・
こういう時に私にもできる簡単な対応方法があって、「今の自分の想像よりも悪いこと、今の自分の想像できる範囲を超える悪いこと、が起こる覚悟をしておく。」ということです。私にできるのは恐らくそれだけでしょう。
もちろん私の場合はそれが、「だから株はしばらくやめとこう」、なんてことになりません。むしろ、「株買っておくくらいしかできないな」というのを再確認するだけです。
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