2008年07月06日

ご質問への回答<スタグフレーションについて。>

kenさんに頂いたご質問へのお返事です。今日はスタグフレーションについて。


kenさんに頂いたコメントはこちら。

ジョン太郎さん、こんにちは。
取り上げてほしい内容がなります。
それはスタグフレーションに負けないポートフォリオです。
スタグフレーションと言っても実際のところ物価は上昇するが景気は後退(賃金は下がる)程度のことしか知りません。そこで、どのような事が起こりそれに対してどのように準備すればいいのでしょうか。インフレの国の株や投信へ資産を移すのがいいのかスタグフレーションなんて永遠に続く事ではないでの長期の目で見てポートフォリオを組んでおけばいいのか。また、過去に起こったスタグフレーションの実例や影響度が分かれば教えてください。



そもそもスタグフレーションて何って方はこちらの記事をご覧ください。
http://jovivi.seesaa.net/article/75744813.html

先に過去に起こったスタグフレーションの話をしちゃうと、有名なのは1973年から1974年にかけての第1次オイルショック時、78年から81年までの2年半続いた第2次オイルショック時、に世界的に発生したスタグフレーションです。80年以降は騒がれるようなスタグフレーションはあんまり発生してません。で、影響度・・・影響度ってのは難しいな・・・

第1次オイルショックの時、原油価格は1バレル3ドルから12ドル近くまで上昇しました。この間の日米英の消費者物価指数の上昇率は
 日本 73年:11.6%、74年:23.2%、75年:11.7%
 英国 73年:9.2%、74年:16.0%、75年:24.2%
 米国 73年:6.2%、74年:11.1%、75年:9.1%
1人当たりGDPは・・・
 日本 73年:$3,795、74年:$4,156、75年:4,464
 英国 73年:$3,234、74年:$3,488、75年:4,165
 米国 73年:$6,338、74年:$6,814、75年:7,376
こんな感じ。
で、その間の日本株のTOPIXの年間騰落率は
 73年:-23.7%、74年:-9.0%、75年:15.5%
米国株のS&P500指数の年間騰落率は
 73年:-17.4%、74年:-29.7%、75年:31.5%
こんな感じ。

78年から81年の第2次オイルショックの時は原油価格は1バレル13ドルから34ドルに上昇しました。この間の日米英の消費者物価指数の上昇率は
 日本 78年:4.2%、79年:3.7%、80年:7.8%、81年:4.9%
 英国 78年:8.3%、79年:13.4%、80年:18.0%、81年:11.9%
 米国 78年:7.6%、79年:11.3%、80年:13.5%、81年:10.3%
1人当たりGDPは・・・
 日本 78年:$8,421、79年:$8,691、80年:9,034、81年:9,908
 英国 78年:$5,719、79年:$7,427、80年:9,525、81年:9,030
 米国 78年:$10,054、79年:$11,128、80年:11,991、81年:13,314
その間の日本株のTOPIXの年間騰落率は
 78年:23.5%、79年:2.2%、80年:6.9%、81年:16.1%
米国株のS&P500指数の年間騰落率は
 78年:1.1%、79年:12.3%、80年:25.8%、81年:-9.7%
こんな感じ。

まぁ・・・原油と物価は確実に上がってますね。不景気ってのがピンと来ないか・・・失業率とか大卒初任給あたりの推移をとればそれらしい数字になってるかな?ちょっと手元にすぐある数字じゃないのでパス・・・たぶん失業率あたりにきれいに出てるんじゃないかなと。

で、そのスタグフレーションってのは永遠に続くってことはありません。あくまで景気サイクルの一形態であって、いずれどっかの景気ステージに移行します。不景気なのにインフレが進行する状態、インフレの1つの形、ってだけですからね。要はインフレです。

どのようなことが起こるかってのは、不景気なのにインフレが進行するわけですから、失業率が上がり、給料が頭打ちになり、ボーナスが下がり、でも物価が上がって、インフレ対策で金利まで上がって住宅ローン借りてる人の負担が増えると。そんな感じ。要するに家計が苦しくなります。そして、資産が目減りし、お金の価値が減り、購買力が落とされます。



んで、スタグフレーションに負けないポートフォリオを組むのにはどうしたらいいのか、ってのは基本的にはインフレに負けないポートフォリオ、を組むことになるんじゃないでしょうか。

インフレに強いのはなんつっても株です。株がインフレに強い理由はこないだお話しましたよね。
http://jovivi.seesaa.net/article/101708179.html

景気が悪い時にインフレが起こるのがスタグフレーション、景気が悪いんだから株は上がらないんじゃないかって思うかもしれませんね。それはその通り。景気が悪くて株が上がらないって可能性はあります。でもね、さっきのリンク先の、株がインフレに強い理由のところでご説明したように、タイムラグはあっても「インフレに追随していける性質」ってのが株の最大の特長で、株のリターンが、景気が悪いせいで「実質的にインフレ控除後のリターンがゼロ」という状態になっても、インフレが大きく進行する局面では少なくとも目減りを防げるだけでも随分マシなはずです。

債券は国や企業の借金、預金は銀行の借金。借金は借金ですから、元本は元本を返済して終わり。物価が上がって10万円の価値が1万円になってしまっていても、10万円借りた人は10万円を返済して利息払えばそれでOKですから。基本的に債券や預金はインフレに弱いです。というわけで私は株持つのが一番だと思いますけどね。どこの国の株を持つのか、ってのは日本に暮らしていて日本のインフレが怖いと思うなら日本株を買うのがセオリーです。でも、「その(日本のインフレ率を追随もしくは上回ると期待される)日本株を上回るリターンになると自分が思うことができるもの」でもいいはずです。つまり、世界株や新興国株とかを買っても別にいいはずです。実際に日本のインフレ率を上回るかどうか、はわかりませんが・・・ただ、「今のインフレは世界的なインフレだから世界中の企業の利益がかさ上げされるから世界株でもいいはず」とか「今のインフレの原因となっている国やそのインフレで恩恵を受けている株も含めた国の株を買っておけばいいはず」とかって考えることはできると思います。その通りになるかどうかはわかりませんが・・・「こうなればこうなるからこれを買っておけば絶対に儲かる」ってのはあり得ないわけで、自分はこう思う、その通りになったらこうなるだろうから、こうしてみるか、で投資してみて、うわぁ・・・全然その通りにならなかったーってことも全然あり得ます。でも投資ってそんなもんだし、エコノミストだろうが経済評論家だろうがが、未来の予想をいっくらしても、いっくらでも外してますからね。インフレ対策には株式投資がセオリーってのはみんな知ってても、果たしてそれで今回のスタグフレーションに対策になるのかどうか、わかりません。投資ってのは「セオリー」はあっても「正解」はありませんし、「セオリー」通りにやって失敗したり損したり裏目に出ることだってあります。私を含めて誰も正解を知らない、誰も未来を知らない、というのがこの世界の大前提です。

あと、スタグフレーションあくまで短期的なものだと捉えて、中長期の投資であれば無視できちゃうイベントだ、中長期投資には関係ない、って考えちゃうのも1つの手ですね。この辺も個人の考え方にもよってくると思います。

そういうわけで、私はこういうインフレの進行への対策も含めてほぼ全部株です。別にスタグフレーションになろうが、世界的な株安が来ようが、よくわからん連鎖が起ころうが、株です。株に入れて入れっぱなし。追加投資もひたすら株。

コモディティ(商品)って手もありますけど、コモディティってのは当たり前ですけど原油などの商品価格が下がれば一緒になって下がっちゃいますからね。商品価格と一緒に上下しちゃうし、長期間ほっといても上がるかどうかは分かりません。その辺の話とかそもそもコモディティって何?って方はこのへんの記事にそのあたりの話が書いてあるのでよかったらどうぞ。


2008年05月24日
世界を駆け巡るマネートレインが停車駅の市場を押し上げる〜時価総額(市場規模)とかベトナム株とかコモディティとか資源とか〜【オススメ】
http://jovivi.seesaa.net/article/97769902.html
ベトナム株とか、資源高とかコモディティ価格の上昇について。時価総額の大きさの意味すること。株式市場から1%のお金がシフトするだけで56兆円もの資金が動きます。市場に流れ込む資金が価格を押し上げちゃう仕組み。マネートレインの停車駅の価格は急上昇。世界を駆け巡るマネートレインの次の停車駅はどこだ!?で投資先を考えちゃダメですよって話です。
オススメ記事です!

2008年03月23日
原油とか金とか小麦とか商品・資源価格の下落の話
http://jovivi.seesaa.net/article/90602699.html
原油とか、金とか、小麦とか、商品市場、コモディティ市場のお話です。資源価格、商品価格はどうやって決まっているのか、何故今価格が上がっているのか、原油価格はなんでこんなにも上がったのか、コモディティの特徴は?、高金利通貨の特徴は?、あたりについてご説明。為替ってどこまで円高になっちゃうの?って話も。1ドル=50円ってホント?


こんな感じでいかがでしょう。


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posted by ジョン太郎 at 11:10| Comment(2) | TrackBack(0) | ジョン太郎のマメ知識 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
ジョン太郎さん、早速の回答ありがとうございます。スタグフレーションもインフレの1つの形なのですね。だから長期の運用を考えてインフレに強いと思う運用を自分で考えて行うのがBestですね。リンク先の過去の記事を見ると知りたいことがすべて載っているようですね。お手数おかけしました。 いつも分かりやすい説明をありがとうございます。
Posted by ken at 2008年07月08日 05:59
kenさんへ、
遅くなってしまいましたが、どういたしまして。これからもよろしくです。
Posted by ジョン太郎 at 2008年07月08日 23:33
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